(アルフレッド・ヒッチコック版)「サイコ」とそのリメーク作品(ガス・ヴァン・サント版)「サイコ」
1960年に作られたアルフレッド・ヒッチコック監督の「サイコ」は世界的に評価の高いサスペンスだ。
テレビ・ムービー並みの低予算だったこの映画がのちの”サイコ・サスペンス”というカテゴリーを作ることになるのだ。その作品を全く同じ脚本で現代によみがえらせたのが「グッド・ウィル・ハンティング」のガス・ヴァン・サント監督だ。
まー、ここまでそっくりなリメークも他に類を見ないだろう。奪ったお金が値上がりしている点を別にすれば全く同じである。その同じ中で変わってくると言えば作り手達、及び出演者達だ。この物語の主人公であるノーマン・ベイツを演じるのはヒッチコック版では名優アンソニー・パーキンズ、リメーク版では「ロスト・ワールド」のヴィンス・ヴォーンである。パーキンズはひょろっとした感じで繊細な印象を受けたのに対して、ヴォーンの方はがたいがよいために何か暴力的怖さを感じたのだ。
金を持ち逃げしたあげくノーマンに殺される女性マリオン・クレーンを演じるのはヒッチ版ではジャネット・リー、リメークではいろいろその動向に注目の集まるアン・ヘッチ。そのアンがジョーク・ライクで語っているのは、”有名なシャワーシーンでのスクリーミングはジャネットより私の方が巧かったわ。”だそうだ。オリジナルではジャネットのスクリーミングは吹き替えられたそうだ。
違和感を感じたのがリメーク版における私立探偵アーボガストの描き方。ウィリアム・H・メーシーが演じているが、どーも現代風には思えないなぁ。しかも、メーシー自体映画にあってなかったような気がする。
全く同じ2つの作品。どちらを先に見るかで印象が全く違うものになるだろう。ヒッチコックへの冒涜だ!と、批判を浴びているリメーク版だが、どう感じるだろうか?
20??.??.??