映画「サイコ」(1998)あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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男と暮らす為に勤め先の顧客の入金40万ドルをくすねて逃亡した女が遭遇する悲劇。
ザ・サイコ・スリラーのリメイク…。
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説明:
ストーリー・ネタバレ
1998年12月11日(金)。アメリカ南西部アリゾナ州フェニックス。
不動産会社に勤めるマリオン・クレーンは平日の昼日中に彼氏であるサムと逢い引きをしていた。彼女の会社とフェニックスとでは大分離れている。マリオンはサムとの結婚を考えていたがサムは結婚に失敗しており中々それに踏み切ろうとしない。その事をマリオンはまどろっこしく感じていた。
会社に戻ったマリオンは社長ロウリーが連れてきた顧客トムに会った。トムはマリオンに色目を使ってきたが、彼の目的は不動産購入であり40万ドルもの現金を社長に手渡した。社長は週末に大金を事務所に置いておくのも危険だと、マリオンに銀行の貸金庫へ預けるように言って渡した。マリオンは体調不良だと言って、銀行に預けた後に直帰すると言って会社を出た。
家に帰ったマリオンの手元には40万ドルが残されていた。サムとの結婚資金にしようと魔が差してしまったのだ。ラゲージに荷物と40万ドルを詰め込むと車で家を出たマリオン。途中で社長やトムに出くわすと身がすくむ思いのマリオンだった。
長いドライブで疲れ果てたマリオンは路肩に車を停めて休んでいた。この時にパトロールの警官が現れてマリオンに色々問いただしたのは彼女に“何か”を感じ怪しんだ為…。マリオンはその場を乗り切ると車を走らせ中古車ディーラーへやって来た。そして値切ることもせずに4000ドルを支払って車を乗り換えるとまた車を走らせた。色々と脳裏をよぎる中、酷い夕立に出くわしたマリオンは近場のモーテル、ベイツ・モーテルで休むことにした。
マリオンを出迎えたのはオーナーのノーマン・ベイツ。初見では人当たりの良さそうなノーマンに安心感を覚えるマリオン。部屋につくと40万ドルを紙袋から新聞へと移して折りたたんだマリオン。その時に耳にしたのは女性がノーマンを叱責する声。ノーマンは食事を一緒に摂ろうと用意していたのだが、その女=ノーマンの母親はそれが気に入らなかったのだ。ノーマンはマリオンの部屋ではなく事務所で食事を摂ることを提案しマリオンは承諾。色々な話をする中でノーマンの母親の話になると、ノーマンは“母親は年をとっていて心の病気を抱えている。女手ひとつで育ててくれて数年前に恋人が出来たが、その恋人が死んでしまった為に心の病気になってしまった。”等と語った。マリオンは親切心から“施設に入れては?”と言うが逆にノーマンは怒り出してしまう。それもまぁ少しの怒りで収まると明日は早いとマリオンは自室へ帰っていった。何気ない一言からノーマンは、マリオンが台帳につけた名前が偽名であることに気付くのであった。
マリオンが部屋で着替えているとそれをのぞき穴で見ているノーマンは一人自分の…。そして母の待つ屋敷へと戻ったノーマンだった。
マリオンは40万ドルの内の4000ドルが出費となって“痛い”と思った後にシャワーを浴びた。この時包丁を持った老婆が現れてマリオンを何度も何度も刺して殺してしまった…。屋敷からの声ではノーマンが母親についていた血に驚いたようだ。“ノーマンの母親がマリオンを刺し殺した…。”マリオンの部屋を訪れたノーマンはシャワールームの惨劇を目の当たりにすると吐き気を覚えてしまう。考えたノーマンは証拠を残さないように血を拭き取るとマリオンを彼女が乗ってきた車のトランクに入れ、また彼女の荷物も全てトランクに入れて屋敷の前の沼に沈めるのであった…。
フェニックスのサムの店を訪ねた女性はマリオンの妹ライラであった。そこに私立探偵のアーボガストも現れた。ライラは会社の金を持ち逃げした姉マリオンを心配してやって来たのだ。そしてアーボガストはその捜査の為に現れた。少し話しを聞いたアーボガストは一人で捜査をすることになった。
アーボガストがやって来たのはベイツ・モーテルだった。ノーマンに話しを聞くアーボガストは“誰も来ていない”というノーマンの嘘を簡単に見破った。というかその嘘は誰もが見破れるような陳腐なものでありノーマンが動揺した為に“陳腐”となった嘘…。だがノーマンは何とか言い繕ってアーボガストは一応この時はモーテルを後にしようとしたが屋敷の窓辺にたたずむ老女の姿を見ると調べ直す必要があると考えてモーテルを後にした。
アーボガストは公衆電話からライラとサムに連絡を入れた後に再びモーテルを訪れ、ノーマンの姿が見えないと分かると屋敷を訪れ勝手に入っていった。だが階段を上るアーボガストを包丁片手の老女が襲いアーボガストは階段から落ちて絶命してしまった…。
アーボガストのことが心配になったライラとサム。サムはライラを残して独りでモーテルに行くがアーボガストの姿が見えない。戻って来たサムはライラに保安官の所に行こうと提案し2人は向かった。
チェンバースの家。サムとライラはチェンバースに事情を話した。そしてアーボガストがノーマンの母親に話しを聞くと言っていたことも。だがここでチェンバースが思い掛けない事を言った。ノーマンの母親は10年前に既に死んでいたのだ。その母親の死因と事件…ノーマンの母親が恋人を殺して服毒自殺をしたという事件のことを語ったチェンバース…。
その頃ノーマンは警察が来たときのために母親を地下室へ押し込めていた…悪態をつかれながら…。
サムとライラは夫婦のフリをしてモーテルへとやって来た、真実を求める為に…。2人はノーマンに気付かれないようにマリオンが泊まったであろう部屋に入ると確かに彼女が泊まった証拠を見つけた。そしてノーマンの屋敷を調べる必要があるのでサムがフロントのノーマンと話をしている間にライラが屋敷に忍び込むことになった。
結末・ラスト
サムがノーマンと“会話”してOKサインをライラに出すと彼女は屋敷へと忍び込んだ。ライラのみの安全を図る為にも会話を続ける必要があったサムだが、サムの意図がバレてしまいノーマンに伸されてしまうサム。そしてノーマンは屋敷へと急いだ!ライラはノーマンが戻ったことを知ったが地下室が気になり調べると、何と女性のミイラ遺体が椅子に座っていてそれに驚いた!気付いたノーマンがライラを襲うとする!だがそれをサムが防いで結果、事件が明らかになった…。
留置場に繋がれるノーマンの話しを聞く心理学者サイモン。話しを聞いた後で会しているサム、ライラ達にノーマンが語ったことと事件の真相であろう事を話した。
ノーマンは女手ひとつで育てられ、罵る母親でも愛情を感じていた。その母親が恋人と結婚するという事になり、疎外感を感じたノーマンが2人を殺した…これが10年前の事件の真相。母の温もりを側で感じたいと、遺体をミイラにして側に置いた…。そしてノーマンは母親の人格も自身の中に作り、“母親として”マリオンを殺した…。
今、ノーマンを支配するのは彼が心の中に作った母親の人格であり、ノーマン自身の人格は消えていた…。
レビュー・感想・解説・評価
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細かなことを忘れることはあっても大筋は忘れることのなかったアルフレッド・ヒッチコックの名作「サイコ」を忠実にリメイクした映画。17年ぶりだよぉ!じゃあ前の感想!
もちろん演じている役者は変わっているものの、同じ脚本なので、内容は全て同じなのだ。違うと言えば、設定が現代になり、マリオンが持ち逃げしたお金が4万ドルから40万ドルになったぐらいだろう。監督は何を考えて、全く似通った風な作品を作ろうと思ったのだろうか。
1999/09/29
2016年です。前回は怒りにまかせておりチョットしか感想も書かなかった。その理由は後述します。まずは監督です。
監督を務めるのは「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」と「ミルク」でアカデミー監督賞にノミネートしたガス・ヴァン・サント。これは後述しようと思ったのだが…ガス・ヴァン・サントは「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」の成功があって本作を監督することになったとDVDに付属のメイキングにあった。へぇ~~~。因みにガス・ヴァン・サント映画でレビューしている「誘う女」の主人公を演じるニコール・キッドマンはセクシーだ。
主要キャストです…ちょっと長くなるけど。
・ノーマン・ベイツを演じるのは個性派アクターのヴィンス・ヴォーン。2000年代前半からコメディに傾きかけていると言ったらアレだろうか…。そんなヴォーンのコメディ映画「ブラザーサンタ」は中々の映画。他の出演作品は「ザ・セル」や「Mr.&Mrs.スミス」を書いております。
・途中で殺されるマリオンを演じているのはアン・ヘッシュ。ラジー賞にノミネートされちゃったけど別に問題ないと思ったtoikun。「陪審員」の外科女医役はかなり脇役であり殺されちゃってた。他に「ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ」や「ジョンQ-最後の決断-」など。
・「アリスのままで」でアカデミー主演賞女優となったジュリアン・ムーアが怒りっぽい妹役で登場。彼女の出演作品を思ってみると“怒りっぽい”というのはアイデンティティーかも?先日やっとこさ記事に出来た「逃亡者」では小児科医?外科医?な女医として登場。「キッズ・オールライト」はtoikunオススメだよ!やばい描写も多々あるけどね。「トゥモロー・ワールド」なんてSFもまたヨシ。「ラブ・アゲイン」なんてコメディは…。
・恋人役のゴツい男ヴィゴ・モーテンセンは「イースタン・プロミス」でアカデミー賞にノミネート。本作のオープニングのベッドシーン、顎の骨格でモーテンセンだと分かるが…。劇場用長編映画デビュー作品「刑事ジョン・ブック/目撃者」はハリソン・フォードがアカデミー賞に今のところ唯一ノミネートした映画。本作と同じくヒッチコックの名作「ダイヤルMを廻せ!」のリメイク作品「ダイヤルM」にも出演しているモーテンセンだ。
・私立探偵役のウィリアム・H・メイシーは「ファーゴ」でアカデミー助演男優賞にノミネートした名脇役。「ウディ・アレンの影と霧」や「ゴースト オブ ミシシッピー」、「シビル・アクション」なんかドウゾ!
・心理学者サイモンを演じるロバート・フォスターは「ジャッキー・ブラウン」でアカデミー賞にノミネート!近年の大作アクション映画「エンド・オブ・ホワイトハウス」、「エンド・オブ・キングダム」ではチョット情けない軍人さんだ。
・マリオンの不動産会社の同僚役で序盤ちょいと出演したリタ・ウィルソンはトム・ハンクスの奥さんとして知られるがコリン・ハンクス(「ブラックサイト」など)はトム・ハンクスと前の奥さんサマンサ・ルイスの子供だ。そのトム・ハンクス出演作「めぐり逢えたら」では友人役で出演。他にトム・ハンクスとブルース・ウィリス共演作「虚栄のかがり火」や「プリティ・ブライド」など。
・保安官代理として登場する超ベテランのフィリップ・ベイカー・ホールは「エネミー・オブ・アメリカ」にカメオ出演。他に「英雄の条件」なんて優良スリラーがある。アカデミー作品賞映画「アルゴ」ではクレジットなしだった。
・監督ガス・ヴァン・サントが上の方に書いたがカウボーイハットでカメオ出演。これはヒッチコック版「サイコ」でアルフレッド・ヒッチコックがカメオ出演した時と同じ役。
さて。
前回は“なぜ監督はこんな作品を作ったのか?”という疑問を書いてしまったが、特典DVDの『PSYCHO PATH』「“サイコ”への道」を見ることが出来て意味が分かった。映画会社のミーティングで候補としてリメイク作品があって“どうせなら「サイコ」”と言ったら、会社から“セリフもショットも変えないなら”って事でOKが出たそうだ。この「“サイコ”への道」は後で別ページに書きたいと思うが非常に興味深い内容だ。
まぁメイキングはさておき。前回は本当に怒りがあったが、今回はまぁ普通に見られる映画作品だと感じた。ヒッチ版「サイコ」のディーテイルは本当に覚えてないのだが、本作とセリフもショットも同じなのだから色々同じなのだろう。本作から入った映画ファンはヒッチコック版をどう思うんだろうね?toikunは逆だから、もしかしたらヒッチコックに怒るかも!?そんな“前後”の問題はナシだけど。
悪魔城ドラキュラみたいなノーマンのお屋敷はホラーの舞台として最高のもの。それがリメイクでも素晴らしい舞台となりスゴイ個性派俳優達が集結したのが本作。“神に刃向かっている”とか言ったら勿体ないよ!ガス・ヴァン・サント監督、ゴメンよ!
あぁ、ヴィンス・ヴォーンもヴィゴ・モーテンセンも、どちらも濃いから逆をやっても面白かったかもね~☆
2016/06/01
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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