「MISSION IMPOSSIBLE」(ミッション:インポッシブル)シリーズの紹介「ミッション:インポッシブル」「M:I-2」「M:i:III」
☆「MISSION: IMPOSSIBLE」(ミッション:インポッシブル)<1996:アメリカ>
☆「MISSION: IMPOSSIBLE II」(M:I-2《aka ミッション:インポッシブル2》)<2000:アメリカ、ドイツ>
☆「MISSION: IMPOSSIBLE III」(M:i:III《aka ミッション:インポッシブル3》)<2006:ドイツ、アメリカ>
☆「MISSION:IMPOSSIBLE ROGUE NATION」(ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション)<2015:アメリカ、香港、中国>
Impossible Mission Force <IMF = 不可能任務機関> 注 :IMFはInternational Monetary Fund(国際通貨基金)もあるがこの映画では違う。 |
ミッションを伝えるテープ |
Good morning, Mr. Phelps. ......<MISSION CONTENTS>...... As always, should you or any member of your I.M. Force be caught or killed, the Secretary will disavow all knowledge of your actions. This tape will self-destruct in five seconds. |
おはよう、フェルプス君。 <......任務の内容......> 例によって、君もしくはIMFのメンバーのいずれかが逮捕あるいは殺されたとしても、当局は君たちの行動には一切関知しないのでそのつもりで。このテープは5秒後に自然消滅する。 |
往年のスパイ・アクションテレビシリーズ「スパイ大作戦」を映画化したのがこのシリーズだ。変装を得意とするスパイ、イーサン・ハントが主人公で、演じるのはスーパースタートム・クルーズである。このシリーズ、1と2ではかなり毛色が異なる。まずミッションの形態が違う。1では、最初はチームを組んでミッションを遂行するというテレビシリーズの踏襲である。イントロダクションでは、まさに往年のファンが喜ぶようなミッションが行われている。しかし、それ以降は濡れ衣をきされたイーサン・ハントが自分の無実を証明するために行動していく。2の場合は一貫してミッションの遂行となっている。
そしてまた大きく違うのが主人公イーサン・ハントの描かれ方なのだ。1では短髪でとても線の細そうでクールなイーサンである。その”体力の弱さ”というものを頭脳でカバーでするというイメージなのである。それに180度方向転換したのが2のイーサン。彼はまさにワイルドなのである。スーパーワイルドである。いやそう思わされているかもしれない。イントロダクションのイーサンのロッククライミングで見事に前作のイメージを払拭してワイルドというイメージを見るものに植え付けてしまった。ここでのイーサンは長髪。そしてそのワイルドさをさらに強めるかのように大型のバイクを手足のように操ったアクションやクライマックスでのすさまじい格闘が描かれている。
この様な違いによって、イーサン・ハントは2作品で全く別の性格を見せることになるのである。
さて、テレビシリーズの親分はジム・フェルプスである。映画版では1で同じく親分として登場している。演じるのはアカデミー賞俳優ジョン・ヴォイト。だが残念なことに彼はIMFを裏切る悪者となってしまっている。そしてイーサンによって倒されるのである。よって右記のミッションの通知の冠言葉「Good morning, Mr. Phelps.(おはよう、フェルプス君)」は2では聞かれない。かわって”おはよう、ハント君”になっている。このミッションを伝える手段、1ではビデオテープ、2ではサングラスをかけるとそのレンズに映像が表示されると言う優れもの。いやー科学の進歩はすごい!
1と2共通して出演しているのはトム・クルーズと、コンピュータ・ハッカーのルーサー・スティッケルを演じるヴィング・レームズである。彼の役柄は、2では少しコミカルになっていておもしろいのである。
このシリーズ、両方ともクルーズと彼のパートナーのポーラ・ワグナーが製作を担当している。2はクルーズにとって長い期間をかけた「アイズ・ワイド・シャット」の次の作品である。彼は、自分の売り込み方を本当に良く知っているようでファンが喜ぶツボも知っているのだ。そんな彼がブライアン・デパルマが作った1の次に、それに勝とも劣らない作品を作るために2で選んだ監督がジョン・ウーである。彼はその期待に見事に応えている。
ミッション:インポッシブルは文句なしに楽しめるハイテクなスパイアクション映画である。昔を知るファンも知らない人も、みんなが楽しめる傑作シリーズだ!
2000.08.07
前作2から6年後に製作された3。クルーズ・ワグナー・プロダクションは監督にJ.J. エイブラハムを据えた。彼のことをtoikunは知らなかった。しかし、ブライアン・デパルマ、そしてジョン・ウーに負けないエンターテイメントに仕上げてきたことは評価できる。
3は、作品としては1のイーサン・ハントに戻ったと言えるだろう。線の細くなった、知力で考えるという意味で。クルーズの髪型からも伺える。また”れっきとしたチーム”で任務を行っていくことも。これは見ていて本当に爽快である。
クルーズ以外のシリーズの出演者はヴィング・レームズ。とても良い役である。
また、シリーズの共通点としてあげられるのは、アカデミー主演賞俳優が出演していると言うことだろう。1のジョン・ヴォイト、2のアンソニー・ホプキンズ、そして3のフィリップ・シーモア・ホフマンである。2のホプキンズの役所は裏方であるので、他とは毛色が違うが、これらの役者をアクションで見るのも面白いだろう。ホフマンの役所は不満ではあるが…。
ファンとして次回作を期待するが、次はどんな悪役が、そしてどんなアカデミー賞俳優が登場するか?パラマウントとクルーズのパートナー関係が回復すれば見られるであろう次回作ではそろそろクルーズもいいお年、Mr.フェルプスの様な役柄になっていくのだろうか?ワクワクしてくるのである。
2007.03.10