映画「スパイ・ゲーム」あらすじ,ネタバレ,レビュー

　1991年の中国のある刑務所で伝染病が起こった。伝染を阻止するために、刑務所側は予防注射をさせようと、2人の中国人医師と1人のアメリカ人医師トム・ビショップを呼び寄せる。実は彼らはCIA局員であり、投獄されている”ある人物”を奪還しようとしていた。刑務所職員にばれないように、他の2人は予防接種を続け、ビショップはアクシデントで死んだふりをして放置され、そして彼は"ある人物"を救出して、他の2人と共に刑務所を出ようとした。と、その時に作戦がばれて投獄されてしまった。

　その日退職が決まっていた伝説的なCIAエージェントのネイサン・ミューアに中国のアメリカ大使館からこの一報が届く。ビショップは彼にとっては愛弟子であったのだ。情報収集のためにCIA本部に急ぐ。

　本部では同僚であるハーカーからビショップに関する資料を求められる。だがビショップの身の危険を感じたために、極秘資料を秘書のグラディスに隠させる。そして、緊急に開かれている会議室へと出向く。会議室で、上司などからビショップのことについて尋ねられ、彼に関することを語り出すミューア。

　ミューアとビショップとの出会いはベトナム戦争であった。若いビショップを見込んで暗殺命令を与えたミューア。それを見事に成し遂げたことから、ビショップの才能を感じ、CIAエージェントとしての訓練を施すようになる。

　ミューアの見込みどおり、エージェントとしての腕を上げていくビショップ。時に非常な命令をまかされ、ミューアに疑問を感じたこともあったが、2人の間には師弟関係以上の友情関係が芽生えていく。しかし、ある作戦でそれに終止符が打たれることになる。

　内戦下でのベイルートに報道カメラマンとして送り込まれたビショップは、現地で医療活動に従事するエリザベスに出会う。今回の任務は、アメリカにとって敵対する勢力の親玉を自然死に見せかけて葬ることだった。親玉は健康診断のためにいとこの医師を使うのである。エリザベスとその医師は同じキャンプで医療活動にあたっている。ビショップは任務のためにエリザベスに近づく。しかし次第に彼女に心惹かれていく。そのことにミューアは作戦の遂行に支障があるとして、2人の関係を壊してしまう。作戦の方は、自然死に見せかける作戦を寸前の所でビショップが遂行できなく、バックアップの作戦でいちお、目的は達成される。しかし、非情なミューアへの不満が爆発して、彼のチームから離れる

　エリザベスへの思いを断ち切れないビショップは、彼女からの別れの手紙を見る。しかし、それでも諦めきれない。そんなときに、中国の刑務所にエリザベスが入れられたことを知った。彼女は中国大使館爆破事件に関与していたのだ。救出のためにCIAの本来の任務を離れ、単独行動で救出に行くのだが失敗してしまったのだ。

　捕まって24時間経てば処刑されてしまう。アメリカは中国との貿易交渉を控え、CIAは彼を救出することをしない意向なのだ。別れたものの思い入れのある愛弟子であるビショップを救うためにミューアはCIA本部に内緒で”ディナー・アウト作戦”を遂行していく。

　引退後の生活のために貯めていた資金全てを使うことにする。その金を賄賂として中国高官につかませ、ビショップが捕まっている刑務所一体を停電にさせた。

　その後、偽のCIA長官命令文書を作って、アメリカ軍にビショップとエリザベス救出の命を出し、見事、2人を救出させたのだ。この作戦がミューアによるものであることを知って、彼の自分への思いに涙するのであった。