映画「告発の行方」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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酒場で3人の男にレイプされた女性。犯人に有利な状況下、強姦では罪に問えず軽い刑で収監される3人の加害者。被害女性を思い取引してでも刑務所に入れた検事補だが女性は納得しなかった。検事補はレイプを囃し立てた客を告訴する事で女性の尊厳を守ろうと…。
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ストーリー・ネタバレ
1987年4月18日。アメリカ。夜。
ミルという酒場にて女性が複数の男にレイプされていると店外から警察に通報があった。女性サラ・トバイアスは酒場から逃げ出して通る車を強引に止めて警察に駆け込んだ。サラはレイプの証拠を保全する為にレイプ相談センターに促されて病院に来た。そして加害者の精子や陰毛などの証拠を病院関係者、また相談センターのキャロルが証拠保全した。その後やって来た検事補のキャサリン・マーフィと保安官のダンカンはサラの事情を聞き事件捜査を開始した。
サラを連れて酒場ミルにやって来たキャサリンとダンカン。彼女は酒場にいたカートとダニーをレイプ犯だと証言。だがもう1人、大学生のボブがその場には居なかった。サラはその事をキャサリンに言った。キャサリンによって家に送り届けられるサラだった。
サラの証言により直ぐに大学生ボブは逮捕された。カートとダニーも逮捕されて3人は被疑者として裁判にかけられる事になった。審理が開始されるもボブの親は息子に敏腕弁護士を付け、1万ドルという破格な安値でボブは保釈された。
この事件、被害者であるサラに取っては色々と不利な状況であった。彼女はマリファナ所持という前科があったのだ。また、事件当夜も酒を飲み、またマリファナもやっていた。そして友人である酒場ミルの店員サリーととある事を冗談で言っていたのだ。同棲している彼氏ラリーと喧嘩をした為に“あの男なら寝てもいいよね”等と…。服装も本人の自覚が有るか無いかはアレとして幾分か“挑発的”だった。
キャサリンは上司の検事ポールに相談をするがお互い分かっている、この状況だと強姦罪を裁判で訴えても負けると。そこで微罪となってもそれで刑務所にぶち込めればと考えたキャサリンは被告弁護団と会い巧妙に取引を持ちかけた。“若い22歳の前途有望な子供に性犯罪という汚名は着せたくない”、その弁護団にキャサリンが考えた罪状よりも軽い“過失傷害”でケリがついた。刑務所に入るが9ヶ月で出てこられる…。
裁判の行方を報じるニュースで過失傷害になった事を知ったサラ。流石に怒った彼女はキャサリンの家を訪れ文句を言う。だがこの結果もキャサリンにとって最大限やった事である。強引に強姦罪を主張しても負ければ無罪放免、刑務所に入れる事が出来るだけマシであるとキャサリンは思ったのだ、被害者サラ・トバイアスにとって…。
裁判が結審しても怒りが収まらないサラ。彼氏ラリーの心ない言葉に怒り同棲する家から追い出してしまうサラがいた。
普通に暮らそう…そうしようとしていたのかも知れない。だがしかしサラは男から声をかけられてしまう。執拗に“誘ってくる”その男。男クリフは事件当夜酒場ミルにいたことを白状して迫ってくる。キレたサラは自分の車を2度、クリフの車にぶつけた…。病院に運ばれたサラは額などに傷を負っていた。彼女を見舞ったキャサリンは事情を聞く。そしてサラの寝顔に何かを思うキャサリンだった…。
キャサリンはサラの名誉を取り戻そうと事件を再調査した。取引をして有罪にすることが出来たレイプ犯3人の事はひっくり返すことが出来ない。ならば酒場ミルで3人の犯罪を“囃し立てた”周りの客達を立件しようと思ったのだ。上司ポールにその事を告げるが、この事はとても荒唐無稽なことである。ポールは“検事局から去れ”とまで言うが、逆にキャサリンは“検事局の被害者への対応の不備”等を暴露すると脅しをかけて検事局に残った。
サラに会って謝罪をするキャサリン。そして言ったのだ“囃し立てた男達を立件できれば、先に有罪になった3人にレイプという罪状がつき5年は出てこれなくなる”と。サラはもう取引しないことだけキャサリンに願うのであった。
キャサリンは“あの日”酒場ミルでサラと話していた彼女の友人サリーに会いに言った。そして面通しの協力を求めた。サリーはクリフも含めて3人の男が店にいたと証言した。
その後、サリーの証言の裏付けの為に彼女は検事局にやって来た。それに付き添ったサラ。事件の更なる詳細をキャサリンに証言したサリーは、サラがキャサリンには言っていなかった“あの男なら寝てもいいよね”というサラの発した言葉を証言。サラに会ったキャサリンは先の発言を言わなかったことを怒るのであった。後にサラは素直に謝罪するのであった。
酒場ミルに一人でやって来たキャサリン。そこにあったゲーム機のハイスコアランキングを見た彼女。偶然にも“1987年4月18日”に“KEN”という人物がランクインしていた。86年度の高校卒業名簿をあたったキャサリンはその“KEN”がケネス・“ケン”・ジョイスである事を突き止めた。
ケンの通う大学に向かったキャサリン。ケンに“囃し立てた男達”を証言する様に言うのであった。
そして検察は事件を囃し立てた男達を告訴して裁判が開かれた。
証言の為に裁判所にやって来たサラ。検事補キャサリンに証言する様に促され、サラはあの日4月18日に自分の身に起こったことを涙ながらに証言した。弁護側は依頼人を守ろうとサラの証言を崩そうとする。サラの涙は一層流れるのであった…。
審理の合間。刑務所のボブに会いにやって来たケン。ケンにとってボブは親友だ。素直に裁判で証言する様に言われたと告げるケン。だがボブは偽証する様に言ったのだ、自分が5年臭い飯を喰らうハメになるからだ。ケンの思いは…。
検事局で“見通しは明るい”と話しているキャサリンとサラ。だがそこにケンがやって来た。“この間自分が証言した囃し立てた男達というのは強制されたことであり、裁判では証言しない”と言ったケン。上司ポールと話す為にキャサリンが部屋から出て行った為に2人きりになったサラとケン。彼女たちの会話で…。
審理が再開し証人としてケンが呼ばれた。彼の言葉によってサラの事件の全貌が明らかに…。
酒場にやって来たサラに目が釘付けになった男達が彼女に近づいてきた。一緒に飲んで、ビデオゲームをして、そして男にとっては艶めかしいダンスを踊ったサラ…。その後、男がサラを押さえつけ…見ていたクリフ達はそれを煽り…。
弁護人、そして検事補キャサリンの最終弁論。双方とも自分の“守るべき人”の為に発言した。
結末・ラスト
異例の2日間に及ぶ陪審員に審理。陪審員に判断を読み上げるように言う裁判長。陪審員は言った。被告マシュー・ヘインズ、スチュワート・ホロウェイ、クリフ・アルブレクトは犯罪教唆で有罪…。彼らへの判決は後のことになったが、この陪審員の判断により先に有罪となった3人のレイプ犯は5年は刑務所から出てこられないことになった。
裁判所を出てインタビューを受けるサラの顔には幾分か笑顔が戻った様だった…。
(当時)アメリカでは6分に1件レイプ事件が起こっているという。そしてその4件に1件は複数犯による犯行だという…。
レビュー・感想・解説・評価
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後の「不法侵入」や「バッド・ガールズ」等のジョナサン・カプランが監督した見る者をとても考えさせるドラマ。また法廷ものとジャンル付け出来る程法廷シーンあり。
キャストを…。
・今作で自身初めてオスカーを得たジョディ・フォスターが女性の尊厳を奪われる役を演じる。見てきて涙が出てきてしまった…。ロバート・デ・ニーロ主演の「タクシードライバー」で若くして初めてオスカーにノミネートしたジョディ。2回目の今作で初受賞。3回目のノミネートとなった映画史に名高い「羊たちの沈黙」で2度目のアカデミー主演女優賞受賞、その後「ネル」でもオスカーにノミネートしている。「ブレイブ ワン」は問題作であったがジャンルは様々となるが「幸せの1ページ」、「フライトプラン」、「インサイド・マン」等はどれも秀作であった。ウディ・アレン監督作品「ウディ・アレンの影と霧」等もレビューしている。
・ジョディよりもクレジット順は上であったケリー・マクギリスが思い悩む検事補を好演。「トップガン」のヒロインだった。大スターのハリソン・フォードがそのキャリアの内で今のところ唯一オスカーの演技賞にノミネートとなる「刑事ジョン・ブック/目撃者」ではアーミッシュの女性を演じたケリー。そして同作をパロったシーンのある「ノース ちいさな旅人」でも同じ女性を演じる。他に「乱気流/グランドコントロール」など。
・“嫌な部分”がクローズアップされ憎々しさが目立った囃し立てた男を演じるのはレオ・ロッシ。「アナライズ・ミー」など。
んー、とても気分が重くなる作品だった。重厚感ってワケじゃなくて事件内容が重苦しい。女性の尊厳を奪う犯罪が主題なのだからねぇ。
男としてこれはダメだろうって思う犯罪。勿論どんな犯罪もしてはいけないけれど、これをやったら終わりでしょう…?何か自分の感想・思いが軽々しくて情けなくなるが。
微妙にサスペンス的要素で盛り上げようとした演出があったのかも…と感じるが法廷シーンも含めて全て“重さ”に霞む。
このサラという女性をやはりか、終盤に挑発的シーンを多分に盛り込んだ。これに1988年の男性監督カプランの意図を感じざるをえない。toikunは男、年代は年寄り。性別、年齢が違う人、つまり今を生きる人が“ウゲェ”って思うと想像できる…。
カメラワーク、音楽共に特記するべき事はない。ただ前述したがクローズアップされるシーン=男性の囃し立て&被害者の挑発的シーン、女性に悪いと思うし男性として同姓がこんな犯罪をして申し訳ないと、唯々思った。
toikun、犯罪について、男が主にするものだと申し訳ないと思うし、何か弱い立場の人が被害者になると、本当に代わってあげたいと思う人。話しは変わるが「TAKING CHANCE/戦場のおくりびと」や「アメリカン・スナイパー」など戦争ものをレビューして記述したが、戦争はなくならないんだろうなぁ。そして今作の様な重苦しい犯罪も。でもね、せめてその“数”は少なくなります様に。
神様なんていないかも知れない、“だって一杯嫌なことが起こるもの”。もしいたとしても気まぐれな人じゃない?“だって一杯嫌なことが起こるもの”。自分が信じないからかも知れないけども、“そう信じるものしか救わない”のなら“セコい”よね?
…映画から外れちゃいましたけど、色々と考えさせられる今作は良作です。
2016/01/26
2016/06/03
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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