映画「オーバー・フェンス」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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北の大地、函館の職業訓練校大工養成課程に集まる年若き者から、年金受給者まで様々な年代の男たち。男たちにはそれぞれ様々なバックグラウンドがあるなかで、妻子と別れて函館に戻ってきた白岩義男は訓練生の皆に優しく接していた。
訓練生の中に友達というか気の多い仲間が多い白岩が何時もの様に缶ビール2本と弁当を買いに行った帰り道、顔立ちは良いが路上でとても奇抜な求愛の踊りを踊ったキャバ嬢の田村聡[さとし]に目が入った。
ある時、訓練生の友人代島とキャバクラを訪れると、そこに居たのは聡だった。それから白岩がキャバクラに行ったり、聡の実家に行ったり、聡が昼間働いている函館公園に行ったりして交流するようになる2人。
だが聡はある事が気になっていた。離婚したはずの白岩が結婚指輪をしているという事が。
少しエキセントリックな聡と、物腰が柔らかい白岩の交流はやがて恋へ…。
だが白岩は元妻洋子と久しぶりに会っていた時、目を伝うものがあったのだ。
そして職業訓練校で開かれるソフトボール大会、一度レールを外れた男たちが、懸命に白球を追いかけた時…。
生涯で5度も芥川賞にノミネートされながら受賞することなく1990年に41歳という若さで逝った小説家、佐藤泰志の『黄金の服』(小学館文庫)(Amazonへのリンク)という短篇集に収録されている『オーバー・フェンス』を映画化したドラマ。
そして熊切和嘉監督の「海炭市叙景」(2010)、呉美保監督の「そこのみにて光輝く」(2014)に続く佐藤泰志原作小説の映画化作品、その最終章という。
主人公の白岩と聡を演じるのは「蟲師」(2007)で共演しているオダギリジョーと蒼井優。toikun、原作は未見だ。蒼井優の役柄が幾分かテレビドラマ『Dr.倫太郎』の芸者と重なったのだが、原作を知っている方はどの様に思われるだろうか?
この事は置いておいて、他に松田翔太、北村有起哉と言った実力者が揃い、優香も元妻として登場するし、キャストも非常に豪華だ。そして塚本晋也監督も出演しているのだが、監督の該当Twitterで“隠し味で出演させていただきました。探してみてくださいね。”と仰ってるので皆さん、探してみて下さいね。
映画を観終わって泣きました、“きっと、こんなことあるよね”、“あってほしいな”と。toikunの人生の糧になった映画でした。
公開は9月17日(土)より、テアトル新宿ほか全国でロードショーですが、公式サイトには、8月27日、29日、30日の先行上映の情報があるので是非チェックしてみて下さい!
配給:東京テアトル+函館シネマアイリス(北海道地区)
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ストーリー・ネタバレ
北海道道南地域の中心都市として栄えた函館市。
殆どの大人が自動車を運転して移動する車社会のこの都市にあって、車を持たずに自転車を駆る中年男性の白岩が住んでいた。彼はかつて郷里であるここ函館を離れ建設会社の社員として働き妻洋子と子供と共に暮らしていたが、離婚して函館に舞い戻ってきたのだ。そして白岩が今していることと言うのは、職業訓練校の大工養成課程での勉強である。
職業訓練校には様々な過程があり、白岩が通う大工養成課程には様々なバックグラウンドを持った男たちが通っていた。元ヤクザの原、大工ではなく水商売経営で一旗揚げようと白岩を誘い込もうとする代島、他の生徒とは全く馴染めない若者の森、既に年金を貰っている年長者の勝間田…。
元々がこの職業訓練校に通うことで、失業保険が貰える期間が延長されるので、大工の仕事を本当に目指して通っている者は多くはないのかもしれない。
人当たりの良い白岩の日課と言えば、自転車で弁当屋に言って、弁当、偶に惣菜だけを買って、必ず350ml缶のビールを2本買う。そんな白岩が買い物を終えて外に出ると、高級車の外で言い争いをしている男女を見かけた。女の方はキャバクラ嬢の様で、ダチョウみたいな鳥の様な奇妙な求愛ポーズを男に対してとっていた女。どうやらその男には関心がなかった様だ。その女をじっと見ていた白岩がいた。そしてまた女も白岩を見ていた…。
とある時、キャバクラ通いが大好きな代島が白岩を誘ってとあるキャバクラへとやって来た。そこで白岩が出会ったのは、求愛ポーズを男に踊っていたキャバクラ嬢の田村聡[さとし]であった。聡と一緒に飲むことになった白岩と代島。聡は、自分の男の様な名前については“親が馬鹿だったから”と言うだけだった。代島が彼の経営を考える水商売の店について白岩を誘った後、白鳥の挨拶をする聡。彼女は相当に動物が好きな様で、動物をよく見知っている様だ。店を出た白岩と代島。白岩が一人になると聡が仕事を終えて出てきた。まるで男性の様に聡は白岩を車で送ると言う。そして白岩がバツイチ子持ちであることを知って驚く聡がいた。
毎日が弁当と缶ビール2本の生活…そんな白岩の単調な生活が聡によって変わることになる…。
職業訓練校では毎年ソフトボール大会が開かれることになっている。その過程毎にチームを作って対抗戦だ。“大工になるための授業”の代わりにソフトボールの練習をする大工養成課程の生徒達。積極的にやったり、喋るだけの男もいるが、やはり仲間に馴染めない原は真面目にやろうとはしなかった。
ある時、白岩は代島から、聡が昼間は函館公園の遊園地で働いていることを知らされる。遊園地を訪れた白岩は、小さな観覧車の様な遊具の監視員をしている聡を見つけると話しかけた。
何しに来たの?
代島が、聡が会いたがっているって言うからさ
それだけ?
オレも会いたかったから…
[ストーリーは導入のみ]
・急速に距離が縮まった様に思えた白岩と聡だが、聡が白岩の着けている結婚指輪を見て発狂してしまう
・そして聡は何か精神的な問題を抱えている様で、感情に起伏があり、台所の蛇口でタオルを濡らし、裸になって身体を拭いたり…
・久しぶりに前妻洋子と会うことになる白岩だが…
・職業訓練校で開かれるソフトボール大会の当日、幾つもの軌跡と奇跡が…
・この映画は白岩と聡の単調な恋愛映画ではない
・魅力たっぷりの登場人物達みなが魅せるドラマである
・そしてクライマックスの“あのシーン”を観た貴方の頬には涙が伝う…
“誰もがその場所から 飛び立てるのを信じてた”、このキャッチフレーズは逸品!
色々な愛の形があるし、“愛されない形”と言うのもあります。様々な事を考えながら本編を観て、最期には泣く。その後は必ず笑顔になり希望が湧いてくる映画ですので、是非とも劇場でご覧になってみて下さい。
公式サイトには、ポストカード3枚セットが特典として付く1400円で本作が観られる特別鑑賞券についても記述があります。お見逃しなく☆
レビュー・感想・解説・評価
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toikunにとっては初の佐藤泰志原作映画。自分の田舎の様な静かな街が舞台でありそれ程奇抜な展開があるわけではないが、その分、落ち着いて出演者に目を向けることが出来る。
そんなドラマのメガホンをとったのは「リンダ リンダ リンダ」、「苦役列車」などの山下敦弘。あらすじ欄に挙げた熊切和嘉と呉美保の両監督とは大阪芸大時代の先輩、同期という間柄だという。そんな3人が作家佐藤泰志の作品をそれぞれ映像化しているのだから何と言う縁か。
なお、脚本を執筆した高田亮、音楽作曲の田中拓人、撮影監督の近藤龍人は3人とも呉美保監督作品「そこのみにて光輝く」に参加している。
キャストを紹介する。
・離婚で故郷へ戻ってきた白岩に扮するはオダギリジョー。大河ドラマ『新撰組!』の殆ど喋らない斎藤一でtoikunを魅了した。先日は「S -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」の悪役でオダジョーを観たが首相を人質に取っちゃう奇想天外なストーリーだった。
・彼女の心持ちには終始注目していたい聡という女性を演じるのは蒼井優。彼女の映画作品としては「フラガール」、懐かしいな。テレビドラマでは前述した昨年の『Dr.倫太郎』の芸者の精神病患者で魅了した。
・オダギリジョーと蒼井優のW主演と考えられ、松田翔太は助演的ポジションだが近年の某CMの様なコミカルな役柄を見せ本作では微笑ましかった。
・個性派俳優として様々な作品に引っ張りダコの北村有起哉が元ヤクザの男を演じている。序盤、“恐い雰囲気を醸し出しているなぁ”何て思っていたがそうだったのね。そして未記載だが注目すべき“彼の描写”があり!
・余り他の生徒と関わりたがらない=何か“今の時代の若者”を代弁した様な役柄の森を演じるのは「風俗行ったら人生変わったwww」の主演以来の映画出演の満島真之介。
・白岩の元妻として登場するのは優香。「ギャラクシー街道」など映画だけでなくご存じの通りバラエティなどでも大活躍。本作でも注目していて欲しい。
さて。
同じ地方都市が地元と言うことで“懐かしさ”を感じたのと、“こう言うこと、人生であるならいいな!”と最後に思った、簡単な感想だが。
toikunは“ここから飛び立てるのか?”、他にも映画を紹介していくのでT's Theaterを見守って下さいね☆
最後に。北村有起哉さん、すごく存在感がありますが、恐いしコミカルですね!LOVE☆
全国公開は約1ヶ月後の9月17日、それまで待てない方は前述した公式サイトの先行上映情報をご覧下さいね!それに出演者、そして先行上映会で本作を観た著名人の方々のコメントもお見逃しなく!
2016/08/15
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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