映画「帰ってきたヒトラー」あらすじ,ネタバレ,レビュー
ⓒ2015 MYTHOS FILMPRODUKTION GMBH & CO. KG CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH.All Rights Reserved.
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あらすじ
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70年の“沈黙”を破りあの男が帰ってきた!原題に現れたアドルフ・ヒトラーがモノマネ芸人と思われテレビで引っ張りだこ。大笑いするドイツ国民を余所に野望を忘れない男は…。
ティムール・ヴェルメシュのベストセラー小説を映画化した大爆笑&大問題(?)コメディ。笑って、怖くなって、でも本当に怖いのは…。
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実はユダヤ人
実はユダヤ人
ストーリー・ネタバレ
マナー講師トーマスと話す男がいる。悩みは“誰も敬礼してくれない”事だと言う。その敬礼の方法とは右手を挙げて…というドイツ国内でやってしまうと“民衆扇動罪”に問われる敬礼。その名を“ナチス式敬礼”または“ヒトラー式敬礼”と呼ぶ。この悩んでいる男は1945年4月30日に自殺をした、だが何故か現代に…。
2015年ドイツ。
テレビ局“マイTV”のディレクター、ファビアン・ザヴァツキは正規雇用ではなく身分は少し不安定。社会に切り込む番組を作って認められたいファビアンが興味のあるのは社会の貧困である。老人の貧困、子供たちの貧困、そして貧困による出生率の低下…。“子供たちがサッカーで活躍して貧困を脱する”をテーマに広場でサッカーをする子供たちに向けてカメラを回すファビアンだった。
自立できる程豊かではないファビアンは母親と暮らしている。不安定な雇用もテレビ局局長の座をめぐる権力争いと過剰人員の整理という憂き目にあい解雇、そしてド・不安定となってしまった。帰宅したファビアンはもう一度会社に認められる為に撮った映像を眺める。母親も一緒になりそのビデオを眺めると、彼女が背景に写る奇妙な格好の人物を発見する。その男、“まるでヒトラーみたい…”
この映像が撮られた場所近くのキオスクを訪れた特徴的な髪型とヒゲをした男の服は軍服。急に男は倒れてしまうがキオスクのオーナーが彼を助けた。キオスク内で介抱される男は、自分は“アドルフ・ヒトラー”であると名乗った…。そう、よく似ている…それもそのハズ、アドルフ・ヒトラー本人だったのだ!当然信じることが出来ずに適当にあしらうオーナーを横目に、ヒトラーは2015年がどの様な時代なのかを新聞を読みふけり学ぶ。また服が臭いとオーナーに促されてクリーニング店に行ったヒトラー。パンツまで洗って欲しいと言うヒトラーは店主に嫌がられて二件目のクリーニング店へ。どこか店主や他の客に対する彼の態度は紳士的…?
クリーニング店にポロシャツとジーンズを借りてキオスクに戻ったヒトラーはファビアンと出会った。ファビアンはヒトラーの事をモノマネ芸人だと思い込み、彼を使って番組を作って再びディレクターとしてマイTVに復帰する事を考えていた。その為にヒトラーを探して訪ねたのだ。
ヒトラーは復権の為にファビアンを利用しようと考え彼の用意した彼の母親の車に乗り込もうとする。キオスクのオーナーに金を払えと止められるがこう言ってファビアンと共に出発した。
ファビアンは“ヒトラーが現代を闊歩する”というアイディアを考えて、ドイツ中を訪ねてヒトラーが国民の話しを聞くというシーンをビデオカメラに収めていった。
国民はみなヒトラーの事をソックリに真似た芸人だと思っているが、第二次大戦以降のドイツの今日行くなどもあり反応は様々であった。
・楽しそうに一緒に写真に写る人
・苦々しい顔をする人
・激しく罵倒する人
…
そしてヒトラーは真面目に国民に尋ねる。
・移民の問題
・政治不信
…
こうしてドイツ中を巡っているとヒトラーはSNSに取り上げられていき、動画再生サイトでは100万ものユーザーが彼の動画を見るなど“有名”になっていった。まぁ犬に噛まれた為に撃ち殺す…なんて事もありましたがね…。
ファビアンはマイTVに乗り込むとこの話題性を副局長のクリストフに語る。だがクリストフはヒトラーの事を“絶対悪”と考える男でありとても番組には起用できないと突っぱねる。しかしヒトラーは会議室に乗り込み新局長のカッチャを説得、ヒトラーの“カリスマ性”に魅力を感じた彼女によってヒトラーが番組に出る事になった。そしてファビアンはお茶くみとしてマイTVに戻ったのだった。
ヒトラーはパソコンを与えられた。使い方を指導するのは受付嬢のフランツィスカ・クレマイヤー。ファビアンが密かに思いを寄せる女性だ。ヒトラーがパソコンのGoogleで検索した語句とは↓↓↓だった。
世界制覇
局長カッチャの思惑でヒトラーが最初に出る番組は“人種的にキワドイ”番組。それでも流石にヒトラーネタはタブーなのか司会者は大反対するが…。いざ、ヒトラーがカメラの前に現れた!しかしヒトラーは沈黙してしまう!彼は分かっていたのだ、“沈黙”を交える事で人心が掌握できる事を。唖然とする観客を前に口を開いたヒトラーは現代の低俗な番組批判と人民の貧困などを語る。この事で観客、そしてテレビを観る者の心を一気に掴んだヒトラー。それをテレビで見ているファビアンとフランツィスカがいた。
SNSでは賛否両論、YouTubeでは彼のパロディ映像まで作られる。この放送を皮切りにマイTVの全ての番組に出演するヒトラー。局長の座についたカッチャ・ベリーニの意向、副局長に甘んじたクリストフ・ゼンゼンブリンクはカッチャを追い落とそうとある企みを…。
・話しを聞いて貰えなければ何にもならない。その為だったらピエロだってやる
・私を怪物と呼ぶならば私を選んだ選挙民が悪いのだ。
(その他沢山あります。劇場で!)
・副局長クリストフ・ゼンゼンブリンクのキレっぷり、まるで…
・“失脚”する芸人ヒトラーとカッチャ・ベリーニ局長。デモね、彼らが次に狙うのは…
・ヒトラーの現ドイツ政権批判。特にメルケル首相への“暴言”にアナタは…。
6月よりTOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロードショー。公式サイトはコチラ。是非チェックしてみて下さい。
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レビュー・感想・解説・評価
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2012年にドイツで発売されたティムール・ヴェルメシュの大ヒット小説『帰ってきたヒトラー』を映画化した大爆笑&大問題(?)なブラックコメディが遂に日本のスクリーンに登場する!
原作は日本でも発売されていて4月には文庫化される(Amazonの商品はコチラ)。toikunは上下巻ともに予約したので楽しみに待つとして…。
監督を務めるのはデヴィッド・ヴェンド。『Feuchtgebiete(原題)』でサンダンス映画祭で賞を受賞するなど末恐ろしき若手監督。
・主演のヒトラーを演じるのは“無名の名優”オリヴァー・マスッチ。彼に関してはプロダクションノートを用いて後述するが、似ているよねぇ。
・ヒトラーを発掘するディレクターを演じるのはファビアン・ブッシュ。「ヒトラー~最後の12日間~」、「愛を読むひと」など。
・ドイツ語翻訳者・エッセイストのマライ・メントライン氏(氏のTwitterへのリンク)をして『ヒトラー化』と言わしめた激昂する副局長クリストフ・ゼンゼンブリンクを演じるのはクリストフ・マリア・ヘルプスト。「小さなバイキング ビッケ」、「キッズレーサー 魔法のメダルと秘密のサーキット」など。
・toikun的にはこの女帝の方が恐ろしかった…局長カッチャ・リーマンを演じるのはカッチャ・ベリーニ。「バンディッツ」、「ハンナ・アーレント」など。
本作について述べるのがとてもとても怖いのですが、公開前でもあり触りだけ。
“時節柄”、非常にタイムリーに感じる映画である。コメディだが笑っているだけで通り過ぎる事の出来ない題材。
↑↑↑等と銘打っているが、政治的主張の違いでニコリともしない人もいるであろう。ってかソンな人は多分本作を観ない。ここで担当者の方から面白い話を聞いた。本作にはモザイクがかけられている人たちが登場する。それで↓↓↓
どれくらいが演出かわからないが外国に公開されるという事でモザイクをかけて欲しいとの要望があった
…観る方が気分を害されるといけないので政治的主張はいたしません。あぁ怖いわ。以下、プロダクションノートから。
・ヒトラーを真正面から笑い飛ばす、初めてのドイツ映画
・リアルなヒトラーを生み出す為に無名の名優を探していた
・オリヴァー・マスッチは身長193センチ。ヒトラーの身長は175センチ。
・劇中にも登場するドイツ行脚、このセミ・ドキュメンタリー手法のヒトラーに賛否両論
終わり方に言及しておく。幾分か「デストラップ/死の罠」とラストのイメージが重なる。だがファビアンが…なので…。
最後に、この言葉で締めくくる。
6月よりTOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロードショー。公式サイトでヒトラーが待ってるゾ!
2016/04/10
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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