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映画『scarecrow』「スケアクロウ」<1973年:アメリカ>

ATTENTION:T's Theaterでは映画作品のあらすじだけでなくストーリーのネタバレを結末まで記載しています。映画レビューはストーリーの下方にあるので映画をご覧になっていない方はお気を付け下さい。

映画「スケアクロウ」あらすじ,ネタバレ,レビュー

作品データ

IMG from Amazon

原題:

scarecrow

邦題:

スケアクロウ

原題訳:

案山子(注:劇中では序盤のモーテルと後半のカフェのシーンにて2人の主人公によって語られる)

製作年:

1973年

製作国:

アメリカ

上映時間:

ジャンル:

ロードムービー ドラマ

監督:

ジェリー・シャッツバーグ

主演:

ジーン・ハックマン アル・パチーノ

あらすじ

1人の映画ファンの口コミ・レビューがあります。(クリックすると下方のユーザーレビューに移動)

6年間服役した男マックス。怒りやすい彼らしく罪は暴行罪。そんなマックスがヒッチハイクをしようと道に出るとフランシスと名乗る男と出会った。彼もまたヒッチハイクをしようとしていたのだ。同じ車に拾って貰い意気投合する2人。“フランシス”という名前が女性名だからと彼のミドルネームからライオンと呼ぶマックス。マックスは自身の夢である洗車屋をライオンと共に営む事を決め彼らはその“夢の先”ピッツバーグへと歩を進めるのだが…。

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詳細作品データ[写真画像付き]IMGs' COPYRIGHT notations

主要登場人物

Main Cast:メインキャスト:役名:
Gene Hackmanジーン・ハックマン服役していた男マックス
Al Pacinoアル・パチーノ家を飛び出した男ライオン
(本名)フランシス・ライオネル・デルブッキ
Dorothy Tristanドロシー・トリステンマックスの妹コーリイ
Ann Wedgeworthアン・ウェッジワースコーリイの友人フレンチー

アカデミー賞

Winner:受賞:
Noneなし
Nominee:ノミネート:
Noneなし

スタッフ(製作・監督・脚本・撮影・音楽)

Producer:製作:
Robert M. Shermanロバート・M・シャーマン
Director:監督:
Jerry Schatzbergジェリー・シャッツバーグ
Writer:脚本:
Garry Michael Whiteギャリー・マイケル・ホワイト
Cinematographer:撮影:
Vilmos Zsigmondヴィルモス・スィグモンド
Original Music:音楽:
Fred Myrowフレッド・マイロー

キャスト・出演者

Cast:キャスト:役名:
Gene Hackmanジーン・ハックマン服役していた男マックス
Al Pacinoアル・パチーノ家を飛び出した男ライオン
(本名)フランシス・ライオネル・デルブッキ
Dorothy Tristanドロシー・トリステンマックスの妹コーリイ
Ann Wedgeworthアン・ウェッジワースコーリイの友人フレンチー
Richard Lynchリチャード・リンチ刑務所の古株受刑者ジャック・ライリー
Eileen Brennanアイリーン・ブレナンバーで因縁をつけてきた女性ダーリーン
Penny Allenペネロープ・アレン(ペニー・アレン)ライオンの子供を産んだ女性アニー
「スケアクロウ」トレーラー

ストーリー・ネタバレ

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サン・クエンティン刑務所に暴行罪で6年間服役したマックスは出所後にヒッチハイクをしようと車を止める為に道に出ると男に出会った。この男はプレゼントの箱を持っており何かとマックスの注意を引こうとする。奇妙な振る舞いをする男をマックスは無視していたが、マックスがタバコに火をつけようとライターで四苦八苦しているところを男が最後のマッチをくれた為に男と話をするようになったマックス。男は一般的に女性名であるフランシスを名乗っているが本名はそのままのフランシス・ライオネル・デルブッキ。運良く車に拾って貰った2人は降ろされた後で場末のカフェに入った。

マックスはフランシスのフルネームを聞き彼のことをライオンと呼ぶことにした。ライオンもその呼び名を気に入る。意気投合したマックスとライオン。マックスは自分の夢を話し始めた。それはピッツバーグで洗車屋を営む事。ライオンはマックスの“一緒に洗車屋をしよう”という申し出を受けた。だがピッツバーグに向かう前に2人はそれぞれ向かう場所がある。マックスはデンバーで妹と会う予定だし、ライオンはデトロイトで子供に会ってプレゼントを渡さなければいけない。ライオンは妻との間の子供が生まれる前に家を飛び出してしまっており子供の性別をも知らない。5年間船乗りとして働いてきて仕送りは欠かさずにしてきたライオン。

食事を済ますと2人は当面の金を稼ぐ為に働くがけんかっ早いマックスが他の従業員とやり合ってしまった為に追い出される。その後彼らはモーテルへと徒歩でやって来て“SCARECROW=かかし”の話題となった。この“かかし”を後にマックスは洗車屋の店名にしようと決めるのだが…。マックスは寒がりな為に厚着をしておりベッドに横たわる時枕の下に自身のブーツを入れたのでライオンはオモシロイ男だなと思った。

アメリカ先住民(=劇中ではインディアンと表現される)やヒッピーの車を乗り継いでマックスとライオンがやって来たのは場末のバー。何かと因縁をつけてくる女ダーリーンがいてキレてしまうマックス。だがライオンが皆を自身の振る舞いで楽しませていたせいもあったのか、ダーリーンと仲良くなったマックス。3人してホテルに入った。ライオンは気の利かない男だった…。

様々な事を話して東への旅をする2人。9年間の歳月は森を工場にかえる…。

とうとう2人はデンバーのマックスの妹コーリイの家にやって来た。久しぶりの再会に喜ぶマックスとコーリイ。コーリイは家の中に2人を招くと中にはコーリイの友人フレンチーがいた。コーリイはフレンチーと共に廃品回収業を営んでいる。マックスとフレンチーはお互いを気に入る。外で良い関係になりそうになったマックスとフレンチーだが、この時もライオンは気が利かなかった…。

明日の出発の前にマックスはライオンを連れて服飾店へとやって来た。フレンチーへのプレゼントの為に財布を失敬しようと考えたマックスはライオンに皆の興味を引くように振る舞えと言う。ライオンはその理由が分からなかったがとても奇怪な行動をとって注目を集めた…だがその行動が突飛すぎてマックスは財布どころではなくなってしまったが…。

デンバーでの最後の夜。マックス、ライオン、コーリイ、フレンチーの4人は踊りも踊れるバー兼レストランへとやって来た。マックスはある男と一触即発になりそうだったがライオンが客みなを楽しませておりマックスは踏みとどまった。だがライオンがみなを外に誘導しパフォーマンスをしていたところでマックスは男に手を出してしまった。マックスとライオンは逮捕されて1ヶ月の刑務所送りとなってしまった。

2人はデンバー郡の“HONOR FARM”という刑務所に準ずる施設送りになりマックスはそれをライオンのせいにして1ヶ月間は話をしないと拗ねた。何か寂しい感じのするライオンを古株受刑者ジャック・ライリーが気に入った。ジャックはこの刑務所でソレナリの力を持っており、気に入ったライオンを簡単な役務に就けた。それはパトカーなどの洗車…大してマックスは豚小屋での汚くキツイ役務…。

食事はジャックとテーブルを囲むライオンだがマックスのことが気にかかる。マックスに話しかけても彼はまだ拗ねている…。この時ライオンにジャックが更に楽な役務を持ちかけてきた。“娯楽班”に入って“ショーなどをして皆を楽しませる役務”と言うジャックにライオンは従った。

ライオンはジャックと一緒に部屋にいた。役務は名ばかりで酒をも飲めるのだが、この時ジャックが合計18ヶ月も刑務所暮らしをしなければいけない事で“コトに困って”ライオンに襲いかかってきた。最初は冗談かと思ったライオンだがジャックが本気だと分かると反撃した。だがボコボコにされて房に戻って来たライオン…彼をマックスが発見した。相棒ライオンにしでかしたことを怒ったマックス。豚小屋の役務となったジャックに仕返しをするマックスだった…。

1ヶ月の刑期も終わりマックスとライオンは出所した。2人はまた場末のカフェへとやって来る。2度目のかかしの話になるマックスとライオン。この時にまたマックスは突っかかってきた相手に喧嘩を吹っかけようと立ち上がるが、ライオンはもう刑務所送りは嫌だとマックスに愛想を尽かして店を去ろうとした。この時、マックスは反省をしてライオンを呼び止め、“かかし”の様に皆を笑わせた。この事でライオンは去る考えを改めるが“違う何か”が頭をよぎった…。

列車での旅で“かかし”を店名にしようと思いつくマックス。そして2人はデトロイトのライオンが飛び出した家の前へとやって来た。このまま家に行こうとするライオンだがマックスが電話で話すことを勧めた為にライオンは電話をかけた。電話に出たのはアニー、ライオンと一緒に暮らしていた女性だ。彼女はライオンの友人ジョイ・グリーソンと結婚したと告げた。懐かしく思い、悔しく思い、ライオンが出て行った為に自分が背負うことになった現実を泣きながら語るアニー。そしてライオンがアニーの身籠もっていた子供にプレゼントを持ってきたと言うと、アニーは子供を流産したと話した…彼女の傍らには5歳になる男の子がいるのに…。そして電話を切ったアニー…。

結末・ラスト

ライオンはそれを聞いた時茫然自失となるがマックスが話しかけると直ぐにやせ我慢の振る舞いを見せる。2人は巨大な噴水のある広場へやって来るとライオンは亡くなった子供を思うかのように広場の子供たちに優しく接した。だが1人の男の子を抱えて噴水の中心部に近づこうとするライオンを見て子供の母親の悲鳴が響く!それに気付いたマックスは噴水に入りライオンを止めようとし子供を取り返し“変”になったライオンを抱きかかえるが、ライオンが倒れた…。

病院に運ばれたライオン。マックスは医師に尋ねるが手に負えないようで州立病院へ送ると言う。マックスはライオンに話しかけるが彼の意識が戻ることはなかった…。

駅。ピッツバーグへの往復切符を買おうとするが金が足りないマックス。彼はブーツを脱ぐと靴底にナイフを入れて隠してあった20ドル札を取り出し切符を買った。靴底を叩いて元に戻そうとするマックス。この姿を“カラスがカカシを笑う”様に笑える者はいなかった…。

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レビュー・感想・解説・評価

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スケアクロウ
toikunの評価:6/10★★★★★★☆☆☆☆

Wow、18年ブリブリシリーズですがこのページは本当にT's Theater開設の為に記事を書き始めた初期の初期!?何時もの通り前の感想☆

ジーン・ハックマンとアル・パチーノ主演によるロードムービー。

当時30歳ぐらいのパチーノが、すごく明るく、“おもしろいやつ”であるライアンを、子供の様に無邪気っぽく演じる。ほとんどシリアスな彼しか知らないtoikunにとっては、とても新鮮味を覚えた。toikunにはハックマンよりもパチーノがとてもよかった映画である。

1998/09/07

2016年の!その前にとても映画好きのともちんさんサンクス☆

カンヌ国際映画祭のパルム・ドールを獲ることになった、悲しく、笑って、素晴らしいロードムービーのメガホンをとるのはアル・パチーノと本作の2年前に「哀しみの街かど」でも組んだジェリー・シャッツバーグ。

キャストを。

・主演の一人、背の高い厳つい男を演じるのは“イメージと合っている”ジーン・ハックマン。「許されざる者」と「フレンチ・コネクション」のオスカーウィナー。「俺たちに明日はない」という名作をもう一度観てみようっと。先に“イメージと合っている”と記述したが映画製作ムービー(何て言う表現だ!)「ゲット・ショーティ」はソンなイメージと情けない描写が混在する中々のコメディ。他に「訴訟」「トワイライト 葬られた過去」など。

・もう一人のおかしなおかしな男を演じるのはtoikunが一番大好きな俳優の一人であるアル・パチーノ出演映画で何を初めて観たのかは覚えていないが、初期の部類に入る「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」がアカデミー賞を初めて受賞したこともありtoikunの大好きな映画。“ふーあー!←You know?”本作の前年に「ゴッドファーザー」、翌年に「ゴッドファーザーPART II」があるがそのイメージが固定されている現在、本作はそのイメージと異なり、若い人がどの様に感じるか聞いてみたい。あ、「喝采の陰で」も古いけどスゴク大好きな作品!

…ちょっと前にパチーノがアカデミー助演男優賞にノミネートした「ディック・トレイシー」をレビューしたが何か本作を意識したかのようなマフィアさん…。

・この時代の俳優さんを余り知らないtoikunだがバーで絡んできた女性を演じたアイリーン・ブレナンは「プライベート・ベンジャミン」のオスカーノミニーである。名作「スティング」にも出演!

さて。

様々な意図によりリレビューも行っているけど、改めて観ることが出来て良さを再認識できたな。それはコミカルなパチーノの演技が珍しくて尚且つ良いから。大好きながらプチ“オーバーアクター”という負のイメージを持つtoikunだが、チョットだけ“ソレ”を感じる事が出来た…。それもまたヨシ。

ジーン・ハックマンについては特にいう事もないんだけどね(苦笑)

ライオンは何故出て行っちゃったのかな?で、突然消えたわけだから離婚届もなく…で、アニーは結婚できた…別に裁判で未婚の証明?を取得したわけじゃないという流れからの不確かな理解だが、何故消えた?子供を身籠もったことを知った後に消えたのだが、ライオンの子供たちに対する態度を観ても“将来を悲観”ではないよねぇ。この辺、マックスがバーで皆を笑わせた時にライオンが見せた険しい顔に答えがあるのかもしれないが…←意味深だよね、あのシーン。toikunは修行が必要です…。

久しぶりに“映画で英語”をやるよ!

序盤で“確実に儲かるビジネス~”とかって字幕で出てきたかな?で使われている“foolproof”って言う英単語がある。Googleで翻訳したら“誰にでも出来る”って出てくる。皆さん、“waterproof(防水)”っていう英単語は知っている方も多いかも?何だけど単語の成り立ちとして同じ。fool+proofで“バカでも大丈夫”から転じた意味なのね。

この単語、大学4年に研究室に配属された時に外国の論文を読む時間があってその時に覚えた単語。toikunが当時の辞書を調べても確か意味が載っていなくて、先生も分からなかったんだけど、先生が“バカでも分かる”って呟いて合点がいったtoikun。

覚えとくとオモシロイかも?と、今TOEICを受けたら500もいかないんじゃね?ってtoikunがお伝えしました、YO!

2016/06/13

by .

映画ファンの口コミ・レビュー

No.1  さん

レビュー日時:

評価:810点満点中(最低点1点)

★★★★★★★★☆☆

"アメリカン・ニューシネマの頂点を示すジェリー・シャッツバーグ監督の秀作「スケアクロウ」"ワーナー・ブラザース映画創立五十周年記念作品である、このジェリー・シャッツバーグ監督の「スケアクロウ」は、1960年代後半から1970年代前半にかけての、いわゆる"アメリカン・ニューシネマ"の一つの頂点を示す秀作です。旅をする人間は、アメリカ映画の永遠の登場人物で、この旅する人間を描く事は、アメリカ映画の"永遠のテーマ"でもあり、"ロード・ムービー"と呼ばれていますが、アメリカン・ニューシネマの抬頭以降、このテーマは何度も繰り返して取り上げられ、純化して来たと言えます。そして、"孤独な人間同士の結びつき、現代人の抱え込んでいる疎外感"などを描いて、アメリカという国の素顔をのぞかせようとする映画が、続々と製作されていた時代の正しく、この映画はその思想の一つの到達点を示す作品になったと思います。監督のジェリー・シャッツバーグは、スチール・カメラマン出身なだけあって、斬新でスタイリッシュな映像表現を見せてくれます。まず、映画の冒頭のシーンが見事です。タンブル・ウイードと言われる枯草の輪が、南カリフォルニアの砂嵐に転んでいきます。そこに、6年ぶりに出獄したばかりのマックス(ジーン・ハックマン)と、船から下りたばかりのライオン(アル・パチーノ)が偶然に出会い、マッチ一本をきっかけに意気投合します。この二人の出会いのシーンの演出の素晴らしさで、我々、観る者は、一瞬にしてこの"スケアクロウ"という映画的世界へ引き込まれてしまいます。名画と言われる映画は、いつも冒頭の場面とラストの場面が素敵です。喧嘩早い粗野な大男のマックスと人を笑わせる陽気な小男ライオンの、正に弥次喜多道中とでも言うべき旅が始まります。性格の全く違う二人の男が、友情を抱きながらカリフォルニアからデトロイトまで旅を続ける事になりますが、ジーン・ハックマンとアル・パチーノという、メソッド演技の神髄を知り尽くした二人の名優が、まるで演技競争のようにして、ある意味、人生に敗れた、しがなさ、ダメさを、時にユーモラスに、時に切なく演じて、本物の演技の巧さ、凄さというものを我々、観る者に強烈なインパクトを与えてくれます。アメリカ大陸を東に横切ってマックスの妹の住むデンバーと、ライオンが5年ぶりに会おうとする妻子の住むデトロイトへ、その間約3,000km。そして、最後は、二人で洗車屋を開く予定のピッッバーグへ。シネ・モビルによる野外でのオール・ロケーション撮影は、敗残者と老人たちの蠢く街々の底辺と、広漠とした大陸の広がりをただひたすら淡々と映していきます。途中の酒場でのドンチャン騒ぎの末に、ぶちこまれる豚小屋ならぬ、刑務農場、これもアメリカの知られざる隠れた一面を見せつけられます。この映画でのアメリカ大陸横断には、かつての「イージー・ライダー」のような若々しい直線的な気負いというものがありません。ダメになったアメリカ、しかし、"男同士の無垢な友情が絶望を突き抜けた希望"というものを育み、オプティミズムの明るい光を照射して来ます。しかし、この映画のラスト近くで、暴力のみに頼るマックスに、笑いで生きる事の意味を教えたライオンが、妻子に裏切られたショックで錯乱しますが、マックスの力強い愛情によって救われます。そこには、力のみで生きて来た大国アメリカの反省と、それを乗り越えて来た開拓者の自信といったものを考えてしまいます。"スケアクロウ"とは、案山子の事ですが、「風采の上がらない、みすぼらしい奴」という意味もあり、「そう見られて、馬鹿にされるから、かえっていいんだ」という気負いを捨てた姿を言っているのと共に、「案山子を見てカラスは脅かされるのではなくて、カラスは実は笑っているのだ」。そして、笑って馬鹿にして、「だからあいつの畑を襲うのはよそう」と畑にやって来ないのだという裏返しの見方が重なっているような気がします。このように、ジェリー・シャッツバーグ監督の現代を視る眼は複雑だと思います。脅しが、本当は笑われているのだと力の空虚な誇示を批判しながらも、やはり、みすぼらしいながら案山子のタフさを言おうとしているようにも思えます。それは、"頑固者。無駄骨だが、ひたすら一生懸命努力をする者"の事で、このように"スケアクロウ"は、マックスとライオンの二人をそれぞれ指しているのです。ジェリー・シャッツバーグ監督は、この映画の製作意図として、「スケアクロウは純真無垢についての映画である。イノセントであるために犠牲になる人々についての映画である。主人公がアメリカ的な物質的な富というものを捨ててまで、より重要な豊かさ、つまり誰かを愛するということに達しようとする意味で、オプティミズムの映画である。この映画で私の言いたいのはこうだ。世界中、至るところに純真さとポエジーの鉱脈はある。それを探すには、少し掘ってみさえすればいい」と正しくこの映画のテーマの核心を見事に語っています。この映画を観終えて思う事は、アメリカでは開拓者の時代の昔から男たちが、東から西へ、北から南へと歩いて行ったわけですが、この映画に描かれた人間たちも良いにつけ、悪しきにつけ、そういう人たちの一種で、当時の荒廃したアメリカも、やはり依然として開拓者としての友情を求めてやまない社会であり、そして、本質的に男の世界である事をこの映画は描こうとしているんだなと改めて感じました。尚、この映画は1973年度の第26回カンヌ国際映画祭で、最高賞であるグランプリを受賞し、併せて国際カトリック映画事務局賞も受賞しています。

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『映画ファン』さんのレビュー・評価

投稿日時:20??/??/?? 15:59:46

4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆

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