映画「ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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自分が一番の詐欺師だと思い込んでいたフレディーが、大詐欺師のローレンスに弟子入りをした。詐欺の技術ばかりか、紳士としての振る舞いまで教わるフレディー。だが仕事の分け前が貰えずに、ローレンスの元を去ってしまうフレディー。そしてあからさまに仕事妨害に出たのだ!
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ストーリー・ネタバレ
一見、医学で財を成したように見える紳士ローレンス・ジェイミーソン。とあるホテルのカジノで遊びに興じていると、彼の知り合いが彼の事を“殿下”と呼んだからさぁ大変。隣に座っていたアメリカ人女性ファニー・バンクスはその事を聞きつけると、バルコニーに出たローレンスを追いかけたアントンを追いかけた。アントンは警察署長と名乗り、ファニーは王族の殿下とお近づきになりたいと金を渡そうとしたのだ。そして、実際にローレンスと話をしたファニーは彼が本当の王族だと確信、“政敵に狙われているから…”と直ぐにその場を去ったローレンスだが、ファニーはどうしても仲良くなりたいと、アントンに大金と高貴な宝石などを渡した…。その後、“せしめた”大金と財宝を執事役のアーサー、実際に警察関係者ながら詐欺に加担するアンドレ、そして大サギ師であるローレンス・ジェイミーソン自分自身で山分けをする姿があった。彼らはもちろん、その後はファニーの前から姿を消すのであった…。
ヨーロッパ大陸を行く、豪華列車の中。そこにはローレンスが乗っていた。獲物を物色しようと食堂車へとやって来るが取り敢えず様子見で1人で座ったローレンス。そこにとある女性が座っており、相席を頼んだ男がいた。この男フレディー・ベンソン、水しか頼まない。女が理由を聞くと、祖母の手術代を稼ぐために倹約していると言った。女はそれを不憫に思い、豪華な食事を驕るのであった。
客車で一緒になったローレンスとフレディー。ローレンスはあからさまに“お悔やみ申し上げる”というと、フレディーは“病気は嘘”だとアッサリ認めたのだ。男の目的地はリビエラのボーモン・シュル・メールであり、一緒に詐欺を働いて豪遊しようと誘ってきたがローレンスはそれを一蹴するのであった。それもその筈、ローレンスの家がリビエラにあるのだった。今は不況下だとリビエラのことを語るローレンス。
電車がボーモン・シュル・メールに到着し、2人が降りようとすると、若い美人女性がポルトフィーノに向けてこの電車に乗り込んできた。フレディーは彼女の身体に惹かれてまた列車に居座った。列車が行った後、警察官であるアンドレ警部と合流したローレンス。自分の仕事=詐欺に邪魔にならないようにどうすべきか考えていた。それに“ジャッカル”と名乗る得体の知れない人物がヨーロッパ入りしたことも多少は気になったローレンスだった。
ローレンスが街のカフェテラスで次の目標となるデンマーク王の未亡人のクリスタ・ナドスンについて考えていた頃、白のフェラーリが現れた。そろそろ現れても良い頃…と思った矢先、助手席に男を乗せていたのだ。それはなんとフレディーだったのだ。国王の未亡人を手玉に取るとは中々のやり手だと思ったローレンスだった。
他人の金で豪遊するフレディーをアンドレ警部に付けさせると、これまた女好きなことが分かった。アンドレの車の後部座席には未亡人が乗っており怒り心頭!アンドレ警部によって詐欺容疑でフレディーは逮捕されたのだった…。
拘置所でフレディーを尋問するアンドレ警部だが、フレディーが“ローレンス・ジェイミーソン”の名前を出すと、アンドレは拘置所にローレンスを連れてこさせ、フレディーは助けるように頼んだのだ。ローレンスの政治力もあり、48時間以内に罰金を渡せば無罪放免となることになり、一時釈放されるフレディー。
フレディーは金を得るためにまずは物色と飛行機に乗ると、女性がフレディーにコンタクトを取ってきた。フレディーがローレンスと一緒だったところを看られたのだ。この女性はトランブルというオクラホマ出身の女性で“殿下”に近づこうと狙っていたのだ。アホな…。
ローレンスの豪邸。外で食事を摂るローレンスに執事アーサーが声をかけた。男がやって来たというのだ。そう、フレディー・ベンソンがローレンスの豪邸へとやって来た。この豪邸を見て、自分も詐欺でこの様な豪邸が欲しいと思い、アドバイスしてくれと頼んだフレディー。引き受けたローレンスは一体何を感じ取ったのであろうか…!?
アンドレ警部の“得体の知れない男”というアドバイスを聞かず、ローレンスはフレディーに、まずは“紳士たるもの”を教え込んだ。ローレンスの教えのお陰で、まぁまぁ紳士に見えるようになったフレディー。
さぁ、トランブルを相手としての“対戦”だ。ローレンスと友達のような関係となり結婚も見えてきたトランブル。そこでローレンスは弟ルプレットを紹介すると、屋外の地下に設えた牢獄へとトランブルを案内した。ルプレット=ローレンスの居る部屋を開けると、彼は丸で気が触れた人物のように振る舞っていた。これを見たトランブルは早々に逃げ出すのであった。
次のターゲットはパームビーチからやって来た金持ち美女のダイアナである。トランブルにやった作戦と同じようにすると、ダイアナも又直ぐに消え失せるのであった、金を置いて…。
さぁ、今日は奪った金の受け渡しの日だ。経費として20%を差し引いて、アーサーに10%、アンドレには15%、残り全部はローレンスに…。つまりフレディーは分け前を貰えなかったのだ。ローレンスは詐欺の知識と、“紳士としての振る舞いを教えたのが分け前”と言うものの、フレディーにはとっても納得できるモノではなかった。フレディーのことを“ヨーロッパを荒らすジャッカル”だと思い込んでいたローレンスは、厄介払いできて清々したとアンドレ警部と話すのであった。
だが街のカフェテラスでまたもフレディーと再会したローレンス。“街に2人の詐欺師は無理だ”と追い払おうとするも、ローレンスの秘密を知っているフレディーは逆に脅しをかけて、この街に暫く居座ることにした。どうしてもそれが納得できないローレンス。ソレを見たフレディーはある“賭け”を持ち出した。“1人の女性を見つけ、目標額の金を奪い去る、この金額が多かった方が勝ちとなり、街を出る”というもの。
ターゲットとなる女性は、直ぐ傍にいたジャネット・コルゲートに直ぐに決まった。アメリカからやって来た“歯磨き女王”だというジャネット。但し、歯磨き粉で財を成したわけではなく、歯磨きをする姿でコンテストに優勝して、賞金と副賞のヨーロッパへの旅へやって来た女性だ。だまし取る目標金額は5万ドルと決めた2人。健闘を誓い合い、固く握手をするのであった。
夜。カジノのルーレット台にいるジャネットに最初に近づいたのはローレンスだった。真横に座ると、彼女が賭けた数字と同じところに自分も賭けるという“スタイル”をしたローレンス。ジャネットのツキは良く連戦連勝、次は…と言うところで、何と車椅子に乗ったフレディーがやって来たのだ!強引に、ジャネットとローレンスの間に陣取ると、“身体が不自由なことを利用して”ジャネットに賭けをさせるフレディー。だが負けてしまい、指輪を監禁して賭けようとするもディーラーに断られて一時退却をした。その退却をしたフレディーを追いかけてきたのは何とジャネットだった。そこでフレディーは直ぐに“祖母の手術費用が必要だったが望みが消えた”とガッカリした顔で話した。すると、ジャネットは“事情を話して”と詳しく聞くのだった。
カフェに居るフレディーとジャネット。フレディーのことを不憫に思ったジャネットは、アメリカの価値で2000ドルはある銀貨を手渡したのだ。だが、ローレンスと定めた目標金額は5万ドルで到底足りない。ジャネットがフレディーの車椅子姿も問うてきたので、“結婚を誓ったダンスパートナーの女性が不倫をしていて、それを見て、歩けなくなってしまった”という口からでまかせを語るのであった。治せる医者がいるかどうか聞いてくるので、リヒテンシュタインにいるDr.シャフハウゼンという、本当に居るのか居ないのか分からない人物の名を出し、“彼”はとても忙しくて“治療費はとても払えるものではない”と語る。その金額が5万ドルだと話したフレディーだった。
部屋へと戻ると、ドクター宛に手紙を書いたジャネット、“何とか私が工面するわ”と、正にカモネギである。ジャネットがロビーに着いた頃、ボーイが“ドクター・シャフハウゼン”を呼ぶ声が聞こえた。それを耳にしたジャネットは、何とドクター・シャフハウゼンを見つけたのだ、ローレンス・ジェイミーソンが化けた…。ローレンスは、“無料で診療してやるから、金は絶対にフレディーに渡すな”と露骨に妨害活動に打って出た。
ジャネットが、フレディーの待つ部屋へドクター・シャフハウゼン=ローレンスを連れてくると、引き攣るフレディーの顔があった。さぁ、診察だ。足の裏をコチョコチョしたり、棒で思いっきり引っぱたいたりとやりたい放題のローレンス。かゆみと痛みに懸命に堪えるフレディーは何と可哀想なことか、いや、これまで色んな女性を騙してきたのだ、因果応報というやつだ。
近くにある別荘へ連れて行って特別に診察をするというローレンスはジャネットとフレディーを車に乗せるのだが、何とここで、過去に金をだまし取った女性リード夫人と再会してしまうローレンス。何とかその場を凌いで別荘へと車を出したローレンス。別荘に着くと、きっぱり治療費は5万ドルで、自分自身に手渡しするように話した抜け目ないローレンスであった。
別荘は平屋建てではない。これもフレディーの診療の一環だと、フレディーを1人にすることによって心の変化を与えようとジャネットに説明したローレンスは、2人で2階へと上がってしまった!
オルゴールの音色でダンスを踊るローレンスとジャネット。何としてでも邪魔をしようと這ってきたフレディー、正確には見えないところまで歩いてきて、部屋の前で“這う格好”をしたのだろうが。だがドアを閉めて2人の時間を楽しむローレンスだった…。
翌日。テラスで食事をしようとするローレンスとジャネット。もちろんフレディーも呼ぶつもりだったが、執事アーサーが部屋に残された手紙を見せに来た。それに寄れば、“祖母の後を追って死ぬ”と書かれていた。気にしないローレンスだが、フレディーは頻繁に振り返りながら外の階段から転げ落ちようと進み、実際はジャネットから姿が見えなくなると、車椅子を降りて押しながら下へと転げ落ちていった。
心配して追いかけるジャネット。ローレンスがいないここぞという時にジャネットに甘い言葉をかけてキスをしようとするフレディー。それはローレンスが現れ阻止したが…Oh。
ローレンスのフレディーを邪魔する次の作戦は、自分はジャネットと一緒にいて、後ろからフレディーに車椅子で来させるというもの。乗馬を楽しんだり、ダンスバーでダンスを楽しむローレンス。状況が状況だけに立つことが出来ないフレディーにその場に居た水兵が声をかけた。“ふざけた野郎だなぁ”、ここでフレディーは、“ジャネットのことを婚約者だったがローレンスに取られた”と水兵に話したのだ。挙げ句、ローレンスはジャネットとのキスシーンを見せつける。それを聞いた水兵は怒り心頭に発す!水兵は、今晩ホンジュラス行きの飛行機に乗せて懲らしめると話してくれたのだった。さて、ローレンスはどうなるか?
ダンスの帰り道。自分がコンテストで優勝したから旅に来られたと話したジャネット。“金を作るのが遅いのは、手持ちのものを売るのに時間がかかっているからだ”何と良いやつなんだ、ジャネットは!
2人で車を走らせるローレンスとフレディー。ローレンスは“賭けは不成立”と話した。彼の信条として“詐欺を働く相手は金持ちのみ”というのがあったからだ。ジャネットは決して金持ちではない。それに賛成したフレディーは、賭けの達成条件を、“ジャネットと寝ること”にしようと言い出した。これには自信満々のローレンスがいたが、車を進めると、先に軍用車両が止まっており、道を塞いでいたのだ。これは、例のダンスバーの水兵の車両であり、水兵はローレンスを連れ去ってしまった!フレディーの勝ちも決まりか?
ジャネットの滞在先に戻ったフレディーは思い切りの愛を語る。すると、ジャネットは立って自分のところまで来るように言うのだ。“あなたならきっとできる”、と。すると不思議と立てたフレディー、当たり前だが…。ジャネットに近づくフレディー。そしてベッドに押し倒した矢先、ローレンスの声がした。ベッドルームの見えないところにローレンスが隠れていたのだ。そして、フレディーの真の診療方針を話していたのだ。ジャネットはローレンスと話したとおりにしたまで。
ローレンスが何故水兵から逃げ出せたのかというと、ローレンスは英国海軍の志願予備兵で海兵よりも格が上だったからだ。ホテルに水兵たち用の部屋を取り立ったフレディーを連れてきたローレンス。このままではローレンスにジャネットが取られる!
空港にジャネットを送りに行ったローレンス。5万ドルの治療費は要らないと申し出たのだ。
結末・ラスト
ホテルに帰ってその事をローレンスから聞いたフレディーは落胆した。本当に愛が芽生えていたのだろう。だが、何とジャネットが戻ってきた!彼女にも愛が芽生えていた!キスをする2人。そして、身体を重ねるために部屋を暗くするように頼むジャネットだった。一方、自宅のローレンスにはアンドレ警部から電話があり、“ジャネットは飛行機に乗らなかった。ジャッカルと一緒にホテルにしけ込んでいる”と。
フレディーがやはりジャッカルだったのか?ローレンスの屋敷をボサボサの髪の毛のまま訪れたジャネットは、フレディーに5万ドルや全てのものを奪われたと話したのだ。許すまじ、フレディー=ジャッカル!自分の信条に反すると、ローレンスは5万ドルをジャネットへと渡した。そして、それで帰るように言ったのだ。詐欺師だが紳士のローレンス。
飛行場。ジャネットを見送るローレンス。だが一度ジャネットが戻ると、ローレンスに5万ドルの入ったカバンを返して飛行機に乗り込んだ。飛行機が経った直ぐ後に、パトカーのサイレンが響いた。アンドレ警部に連れられて、寝間着姿のローレンスが現れたのだ。そして、ジャネットに全て奪われたと語るフレディー。信じられないローレンスは、返されたカバンをチェックしてみると、5万ドルは入っていなかった!そこには一通の手紙が入っており、“寂しくなるわ かしこ ジャネット=ジャッカル”と書かれていた。つまりは、ジャッカルとはジャネットの事だったのだ!
怒り心頭に発すフレディーだが、ローレンスはジャネットの事を“大したタマだ”と褒めるのであった…。
フレディーがローレンスの屋敷を去る日がやってきた。始めから我々が標的にされていたのだろうと話すローレンス。ここで、後ろの方で大人数がガヤガヤとやって来た。つれてきたのは、なんとジャッカルだった。目的は、富豪たちを引き連れてやって来て、不動産詐欺を行うことだった。客たちを先に屋敷に向かわせると、“1年間に300万ドルを稼いだが、あの5万ドルが一番の思い出よ”と嘯いた。そしてフレディーとローレンスの間に割って入るジャッカル、新たな詐欺師集団の誕生の瞬間である…。
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“ジャッカル”と言えば、フレデリック・フォーサイスの原作で映画化もされた「ジャッカルの日」、「ジャッカル」が思い出されるが、こう言う形で使われるとは恐れ入った。デヴィッド・ニーヴンとマーロン・ブランド共演の「寝室ものがたり」のリメイク作品だそうだ。
様々な映画の役回りで活躍をするフランク・オズ監督作品はイカしたコメディ映画に仕上がっている。
撮影監督には「ギャング・オブ・ニューヨーク」や「真実の瞬間(とき)」などのミヒャエル・バルハウスがつく。
ではキャストを。
・新米ではないがそこそこのベテラン詐欺師フレディーに扮するのはコメディ映画がプラットフォームのスティーヴ・マーティン。あら、本作が彼の初レビュー作品なのね、ビックリ。
・ローレンスという詐欺師だが真摯な男に英国の至宝であり「ハンナとその姉妹」、「サイダーハウス・ルール」とアカデミー助演男優賞に2度輝いているマイケル・ケインが扮する。2つの「探偵スルース」、「スルース」では逆の役、良かったねぇ。だが一番好きなのは、やはり「デストラップ/死の罠」ですねぇ。あぁ、最近では「キングスマン」も。
・ジャネット=ジャッカルに扮した美しい女優グレン・ヘドリーは「ディック・トレイシー」、「愛を殺さないで」など。
・警部なのにお仲間さんに扮するのは故アントン・ロジャース。主にテレビシリーズなどで活躍した俳優だった。
さて。
古い作品だったけど今まで未鑑の作品だった本作。邦題からして、マーティン・シーンとマイケル・ケインの対決になるのではと想像していたんだけど、“ジャッカル”がこう絡んで来るのは思いもよらず、すごい楽しむことが出来た。逆にジャッカルがいなかったら駄作だったに違いない。
映画の中だから許される詐欺だけど、実際に今の世の中でもなくならないんだよねぇ。本作は詐欺を防ぐヒントのようなものはありませんので、馬鹿にして観て丁度良いと思う。
あ、ベテラン詐欺師が若手を調教する映画としては、名作「スティング」があったなぁ。続編もある事だし、もうちょっとしたら観てみようっと。
“J”、ジャッカル、ジャネット…Jが付くイニシャルには十分ご注意を!日本人だと…!?
2017/06/14
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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