映画「探偵スルース」(1972)あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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著名なミステリー作家アンドルーの妻マーガリートは浮気をしていてソレに気付いたアンドルーは浮気相手の男マイロを呼び出した。マイロにはマーガリートを養うだけの財産は無く、ソレに目を付けたアンドルーは自分の持つ宝石をマイロに奪わせて足の付かないように換金するという方法を教えて“手切れ”としようとしたのだが、アンドルーの本当の狙いは…。
ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインの傑作ミステリー。後年にはケインがオリヴィエの役をやったリメイク「スルース」が作られた。
また本作の主演コンビ、ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインは後年の「ジグソーマン」でも再共演を果たす。
本作を観ていない方、絶対に結末は観ないで下さい、後悔しますよ!それかストーリーを忘れちゃったら映画を観て下さい~なんてネ。
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ストーリー・ネタバレ
普段は誰も足を踏み入れないようなイギリスのとある郊外にミステリー作家アンドルー・ワイクの執筆活動に使う家があった。アンドルーはとても著名な作家でありエドガー・アラン・ポーの名が付いた賞エドガー賞も受賞する程であった。そんなアンドルーの妻マーガリートは浮気をしていてアンドルーはその事に気付いていた。そしてアンドルーもまたフィンランド人女性テーアと関係を持っていた。
とある時、アンドルーは妻の浮気相手マイロ・ディンドルを家に呼びつけた。彼に手紙を送って家に来るように仕向けたのだ。マイロ・ティンドルはイタリア系イギリス人の男で美容師をしている。代々ティンドリーニというファミリーネーム(名字)だったのだが父もその父も成功する事無く、マイロはティンドルと名字を変えていた。しかし経営する美容室の名前はティンドリーニなのだが…。
アンドルーは早々に話を切り出した。“私はお前が妻を寝取っている事を知っている”と言って次に何を言うかと思えば自身の持つ宝石を盗めと持ち掛けた。マーガリートはアンドルーが金持ちなせいか些か金遣いが荒いので、財を成していないマイロには払えないと思ったのだ…。アンドルーは自信のテーアとの浮気を打ち明けて、マイロにマーガリートをそのまま連れて行ってもらい、自分はテーアと一緒になる、宝石泥棒が手切れ金…としたかった。
ただの宝石泥棒では換金した時に足が付く為アンドルーは独自の換金先を教えて、保険屋にもバレないように自然な宝石泥棒をするようにマイロを仕向ける。マイロはアンドルーの“ノリ”など細かな納得できない事があったが、金の為に言われるがままに服の線維でバレないように服を着替えて道化のように変身し、靴の足跡で疑いをかけられないように変わったブーツに履き替えると、外にハシゴを立てかけて家へと“侵入”した。アンドルーはマイロに家の中を散らかすように言って、マイロがそうするといよいよ“宝石の隠された金庫が泥棒に見つかって”として、アンドルーが金庫を少量のダイナマイトで爆破して泥棒=マイロは宝石を手にする。
だがここでアンドルーが正体を現す。拳銃をマイロに突きつけたのだ。“泥棒に宝石を盗まれて格闘になってコチラが怪我をすれば泥棒を撃ち殺しても罪には問われない”というアンドルーの筋書き…。20秒の猶予をマイロに与えて彼は外に逃げ出し乗ってきた車のエンジンをかけようとするが時間は経過…アンドルーに家の中に連れ戻されたマイロ。“ゲーム”という言葉を口にするアンドルーは何度もマイロを精神的に追い込み屈辱を与え拳銃も撃ってみて脅すと、いよいよアンドルーはマイロの頭に銃口を押し当てて引き金を引き銃声が響く!空砲…マイロは失神するのであった。
この事があってから数日後。
何日か家を空けたアンドルーだがこの日はキャビアと酒で祝杯をあげていた。音楽が流れる中でアンドルーは家のチャイムが鳴るのを耳にする。誰であろう?外に出て見るも誰もいない。部屋に戻るともう一度チャイムが鳴った為にアンドルーが出るとそこにいたのはウィルトシャー州警察の警部ドッペラーと名乗る男であった。
ドッペラーが言うに、マイロ・ティンドルが失踪したらしい。マイロの家にはアンドルーからの手紙がありアンドルーにあたりを付けた。そしてこのアンドルーの“家の周りで銃声を聞いた人がいた”とも言った。こんな辺鄙なところにあの日、人が偶々通りがかったのか?
ドッペラーは半ば強引に家の中を探り出す。クローゼットの中にはマイロが道化の衣装に着替える前に着ていた服がありそれを発見するドッペラー。そして階段近くでは血糊も発見する。ドッペラーはアンドルーを“状況証拠”で追い込み“懲役7年で出られる”と署に連行しようとした…。
そこでドッペラーは“顔を剥ぐ”と現れたのはマイロであった。マイロはアンドルーに受けた辱めに対する復讐で計画を思い立ったと言った。アンドルーはドッペラーの正体がマイロであると気付いていたと言うがそれはやせ我慢である事はバレている。変装の為の肉襦袢をとって身軽になったマイロはテーアを殺したと言い出す…。
アンドルーがテーアに電話をしても彼女は出ない。マイロは話す…この“最大限の辱め”まだお互い様という事には出来ていないのだ。アンドルーの留守中に家に忍び込み“マイロ殺し”の仕掛けをして“ゲーム”をやり返し、テーアを殺してその“証拠”を家の隅々に隠してアンドルーの犯行だと見せかけて警察を呼んだと言うマイロ。
結末・ラスト
青ざめるアンドルーは何とか警察が来る前にマイロからヒントを得て自身が不利になる証拠を消そうとする。そしてそれが何とかなった時にマイロは警察のプロッダー警部とトレッシ巡査が来たと言った。しかしマイロがドアを開けるとそこには誰もいなかった。マイロは誰も殺しておらずこれもまたアンドルーを辱める為のゲームだったのだ…。
マイロはあの日失神した後に服を着て自身が乗ってきた車で帰った…アンドルーの留守中に家に様々な仕掛けをした…自身の車もアンドルーに気付かれないように彼に疑いがかかるように隠した…今日家を訪ねて二重に辱めの仕返しをした…。テーアがこの家に来た事は事実であり他人を虐めるゲームに凝っているアンドルーに仕返ししたいとテーアに言って彼女は承諾した。そしてまたマイロはテーアから聞いたアンドルーと彼女との関係がアンドルーの不能によって出来ていない事も口にして更に屈辱を与えた…。
そしてマイロはマーガリートを奪うと言って、アンドルーの小説の主人公の名探偵メリデュー卿の名前も間違えてアンドルーをけなした時、アンドルーは実弾の入った拳銃の引き金をマイロに向けて引いた!
マイロの命を奪う事では屈辱を晴らす事が出来なかったアンドルーの顔は晴れなかった…。
レビュー・感想・解説・評価
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リメイク版「スルース」の方を先に観て、内容を忘れるまでどれだけかかったか…晴れて0になったので観た作品。
Anthony Shaffer(アンソニー・シェーファー)の同名舞台『探偵<スルース>(Sleuth)』を映画化したミステリー・スリラー。監督を務めるのは「三人の妻への手紙」でアカデミー監督賞・脚本賞、「イヴの総て」で同監督賞・脚本賞という4つのオスカー像を獲得した故ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ。マンキーウィッツにとっての最後の監督作品となった。とてもよくできた映画でありマンキーウィッツはアカデミー監督賞にノミネートしている。
キャストを…と言っても3人だけ…。
・本作の演技でアカデミー主演男優賞にノミネートした名優ローレンス・オリヴィエ。ミステリー作家を演じている。現状何作品かはオリヴィエの出演作は観た事あるがT's Theaterでは本作が初めての掲載作品となる。もっと観て感想を書きたい!
・オリヴィエと同じくアカデミー主演男優賞にノミネートしたマイケル・ケインがまぁ巧く騙してくれる美容師マイロを演じている。「ハンナとその姉妹」と「サイダーハウス・ルール」でアカデミー助演男優賞に輝いている。ケインは本作のリメイク「スルース」で“逆の役”を演じている…覚えてないのでもう一度観てみる☆近年は「キングスマン」なんてお洒落虐殺なアクションは面白かった。「グランド・イリュージョン」ではチョット…な金持ち。
・ドッペラー警部を演じたのはアレック・コーソーン。警部と言ってもフィクションの中のフィクションで実はマイロが化けていた…ってキャラなんだけど。コーソーンは名探偵ポワロのデヴィッド・スーシェみたいな良い印象を持ったけど他の出演作品は見つからない。もし他の作品を観て彼がいたら追記する。
なおオープニングでジョン・マシューズ、イヴ・チャニング、テディ・マーティンの名前がクレジットされているがエンドロールで役名が出なかったので誰が誰だか分からず…です。
いやー面白かったよー!リメイク版を忘れて良かった!初っ端に“忘れたから観た”と書いたけど本作が気になったキッカケってマイケル・ケインの主演作、フレデリック・フォーサイスの原作の映画化「第四の核」が非常に面白くて無茶苦茶ケインがユーモアがあって、ジェームズ・ボンド=007に何故にならなかった?って思った程興味を持ったのがキッカケ。アカデミー賞を獲った「サイダーハウス・ルール」も面白かったしtoikunの中のマイケル・ケインへの敬愛が最大限になったのだ。
元々toikunはマイケル・ケインの「デストラップ/死の罠」という密室劇がとても気に入っていてケインの事は好きだったんだ。本作を観られて良かった!
「スルース」では本作のケインの役をジュード・ロウが演じていて、覚えてないにしろロウの顔は忘れていないから、本作の若いケインを観て“ロウにソックリ☆”って思っちゃった!顔も皮肉たっぷりの言動も何もかも。将来のジュード・ロウはこんな名優になるのか…は話しが逸れるので…。
うん舞台の映画化って観た事ないけど本当に舞台をそのまま映画に持ってきた感じ。ほぼ家の中って言うのが「デストラップ/死の罠」に通じているのもtoikunの印象を良くした。
変な人形細工がいっぱい出てきて最初は何コレ?って感じだったけど、途中で“横目に見る人形”が良い演出だと感じて、最後のアンドルーの顔が晴れないシーンで全ての人形が彼を嘲笑う?感じで動いているのが、悪い意味では舞台的って言葉なんだろうけど、グッときた☆
2大スター共演、でも丁度時間が半分くらいでマイケル・ケインがご退場…何かあるな?あ、この警部はマイロじゃない?…空砲だった事は分からなかったので“どうやって生きていたのだろう”って違った興味を持っちゃったけど、伏線か何かあった?
車のM・T(マイロ・ティンドル)というイニシャルがこれでもかと注目され、そのままのマイロが空砲を撃たれる前に色々弄っていた箇所もクローズアップされ、うま~く騙されちゃったよ!弄っているシーン、“なんでこんなのアップにするのさ?”という演出に対する疑問が大逆転で返されて気持ちが良い!
映画作品ではクレジットで遊ぶ映画も多々ある、例えばその映画のジャンルに合わせたクレジットとかタイプライターみたいなクレジットとか。本作では音楽に合わせてポンポンポン!て画面に出るのが面白かった。
あぁ、toikunは大絶賛だよぉ!
2016/05/05
2016/07/09
2016/09/24
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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