映画「真実の瞬間(とき)」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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“赤狩り”がハリウッドを震わせた50年代。映画監督の男は過去数回共産党の集会に出席しただけで嫌疑をかけられ友を売ることを求められるが彼にはソレが出来ない。やがて職は無くなり友人達も…。
ロバート・デ・ニーロ主演のドラマ。実在の人物をモデルとしたものである。
エリア・カザンのアカデミー名誉賞のプレゼンターがデ・ニーロと今作にチョイ役で出演するマーティン・スコセッシだった理由が分かる。リチャード・ドレイファスさん、ムスッと腕組みでドカン…本当にあの“瞬間”は異様でした。
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説明:
ストーリー・ネタバレ
1947年。アメリカ下院の非米活動委員会はハリウッドを“赤狩り”の場に選んだ。委員会は公開・非公開それぞれあったが呼ばれたものは皆ほぼ強制的に共産党と思しき友人の名を言わされ、言わなければ投獄やそうで無くても職を失うという事になった。
1951年、カリフォルニア。非米活動委員会の非公開喚問で映画業界のラリー・ノーランは厳しい追及をうけ仲間を売ってしまった…。彼自身は過去に共産党に入党していたものの今は離れているというのに…。それからノーランの家庭はおかしくなる。彼には女優をしているドロシーと息子がいたのだが…。
そんな“赤狩り”の手はフランスから帰国した映画監督デヴィッド・メリルにも伸びる。20世紀フォックスなど様々な映画会社で働いてきたデヴィッド。専業主婦のルースと幼い息子ポーリーというかけがえのない家族がいるデヴィッド。彼の帰国を祝おうと9月21日に彼の自宅でパーティーが開かれ皆が祝った…。
そのパーティに来ていたラリー、そしてドロシーの様子がおかしいことに気付いたデヴィッド。ハリウッドという自分の働く場所に“赤狩り”の手が伸びていることを感じる。彼を重用してきた映画会社の社長ザナックはデヴィットに会うなり弁護士のフェリックス・グラフに会えと言った。デヴィッドは共産党員なのか?いや、彼は違う。“集会の自由が保障されていた30年代”に数回集会に出ただけ。議論がかみ合わずに最後は途中退席したというオマケ付き。非米活動委員会は次に召喚する映画人をザナックに伝えていたのだ。それでザナックはデヴィッドのことを知ってアドバイスをしたのだ。委員会が伝える理由には“献金”という狙いもあったのだが…。
ザナックに言われた弁護士フェリックス・グラフに会うデヴィッド。“打ち合わせ”…に表れたのは委員会のレイ・カーリンだった。実際の委員会でもないのにデヴィッドを締め上げようとするレイ。怒ったデヴィッドに対して“公開聴聞会”を告げて去るレイ。グラフはデヴィッドの映画生命を守るために証言するように言うが心底怒っているデヴィッドは話半ばで行ってしまう。
それからデヴィッドの人生は一変する。
映画製作のために前金で貰っていた5万ドルを返さなければいけなくなる。それはデヴィッドが監督を降ろされたから。FBIが四六時中デヴィッドのことを付け纏う。デヴィッドの友人の映画監督は証言したくないためにヨーロッパへと飛んだ。そんな状況下のハリウッドにデヴィッドの仕事はなかった。
妻ルースは正規雇用ではないものの昔していた教師として働いて家計を支える。小学生のポーリーのことを思うとデヴィッドはルースに家に居て欲しかったのだがそうも行かないのである。立派な邸宅は金を返すために売り払った。やがてデヴィッドはニューヨークに仕事を求めた。
もう映画を撮ることなど出来ないであろう。経験を生かした職をするも付きまとうFBIに邪魔をされて怒りの余り仕事を放り投げる、それは雇用主に迷惑をかけないためのデヴィッドなりの思いがあったのかも知れないが。デヴィッドが発掘した舞台女優にでさえ、“共産党”の言葉が出ると“もう会わないで欲しい”と言われてしまう。
ニューヨークでの生活は直ぐに行き詰まりロサンゼルスに戻ったデヴィッド。妻ルースは身を粉にして教師として働き、一人の時間が多くなった息子ポーリーをせめてもと可愛がるデヴィッドがいた。
状況は好転することはない。ドロシーと食事をしたデヴィッドとルースだったのだが、帰り際彼女の乗った車が崖から転落。それは彼女の自殺…。
好転と言えば三流プロデューサーのジーン・ウッズから声をかけられるデヴィッド。無茶苦茶タイトなスケジュールだがデヴィッドは折角声がかかったのだからと映画を撮る。だがそれは数日で終わった。デヴィッドが“証言しないこと”がプロデューサーの耳に入ったのだ。代わりの監督を目にしたデヴィッドは心底腹が立ち、その場を去った。
このまま証言しない方が良いのか。証言して仲間・友達を売るか。自分は共産党員ではないのに。だた集会に出ただけなのに。
考えたデヴィッドはもう一度弁護士グラフに会い公開聴聞会に出る決意をする。だがその後にあったシナリオライターの友人ジョージに“聴聞会でお前の名を挙げさせてくれ”と言われるデヴィッド。一度は“仕方がない”と言うものの、共にいたルースは怒り、デヴィッドもまた怒ってしまう。
公開聴聞会。
結末・ラスト
デヴィッドは弁護士グラフを伴って出席した。議長や他の下院議員から厳しい追及を受けるデヴィッド。彼は彼が過去に出席した集会に出ていた友人の名を吐くのか?…デヴィッドは吐かなかった。彼を思い証言するように言うグラフを解雇して議長や議員に自分の思いをぶつける。“自分のことは何でも喋る。だが他人のことは言えない。”…追求は妻ルースのことにも及んだ。彼女は原爆に反対する集会に出た過去がある。その事で“赤”と思われたのだ。デヴィッドは必死で否定する。それを傍聴席で見るルース。挙げ句9月21日のパーティーまで共産党の集会と見なされた…。そして亡き者であるドロシーの事にも…。
罵りあいの中でデヴィッドに対する聴聞は終わった。彼を共産党員と見なした議会。デヴィッドの未来は…。
デヴィッドと入れ替わりで証言席に立ったジョージ・ウェント。デヴィッドの証言を見ていたジョージは証言を拒否するのであった…。
ハリウッド映画業界を巻き込んだ赤狩りにより多くの映画人が職を失った。1970年代に入りやっと汚名をそそぐことになる…。
レビュー・感想・解説・評価
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ホエホエー、政治的主張しませんよー。「アメリカン・スナイパー」だか「TAKING CHANSE/戦場のおくりびと」だったか「ブレイブ ワン」だったかに書いたと思うけど中道右派なtoikun。そのtoikunにとって初見となりました、ドラマです。今作に関してはコチラのWikiPediaをご覧頂きたい。
とても政治的・題材としては難しい今作のメガホンを取るのは製作した「ロッキー」でアカデミー作品賞を受賞したアーウィン・ウィンクラー。作品は少ないがサンドラ・ブロック主演の非常に良く出来たスリラー「ザ・インターネット」や「五線譜のラブレター」などを監督している。オスカーに関しては製作した「レイジング・ブル」、「ライトスタッフ」、「グッドフェローズ」で作品賞にノミネートしている。ウィンクラーが製作を担当する作品でレビューしているのは大好きな「喝采の陰で」、ジェシカ・ラングがオスカーに輝いた「ミュージックボックス」、ロッキーシリーズの第6作「ロッキー・ザ・ファイナル」など。
以下例によってキャストを箇条書きで。
・「ゴッドファーザーPARTⅡ」と「レイジング・ブル」、2つのオスカーを持つ原題の名優ロバート・デ・ニーロが主人公の映画監督を演じる。ご存じかと思うが先の「グッドフェローズ」にもデ・ニーロが出ている。沢山レビューしているので彼のページをどうぞ。最近見たのを挙げると「グリフィン家のウエディングノート」じゃあエロい言葉を発していたしアル・パチーノと共演した「ボーダー」では「ヒート」と立場が逆でした。
・好き好きベクトル上昇中なアネット・ベニングがデ・ニーロの妻役。彼女は「グリフターズ/詐欺師たち」、「アメリカン・ビューティー」、「華麗なる恋の舞台で」、「キッズ・オールライト」でオスカーにノミネートしている。悲しいかな受賞していない。「アメリカン・ビューティー」、良かったのにねぇ。…本当toikunの最近は彼女を中心に回っている。今年見た作品は「心の旅」(添えモノ)、「バグジー」(魅力全開!)、「アメリカン・プレジデント」(国旗を焼いた過去が…でもマイケル・ダグラスとtoikunを魅了!)、「マーシャル・ロー」(主演の一人だけど添え物、デンゼル・ワシントンの映画!)、「ハサミを持って突っ走る」(toikunが今年見た中で「あの頃ペニー・レインと」に続く良作!)
・アネットと「アメリカン・ビューティー」で共演していて同作で“日の目を見る”事になるクリス・クーパーがデヴィッドの友人でありオープニングで証言する映画人を演じている。「ボーン・アイデンティティー」でマット・デイモンを追いつめていたり、「あぁ、結婚生活」ではレイチェル・マクアダムスを思いすぎてパトリシア・クラークソンを殺そうとしてます。そのくせピアース・ブロスナンに最後は持っていかれるとか…。あ、「カンパニー・メン」も本当に良作。ケヴィン・コスナー、ベン・アフレック、トミー・リー・ジョーンズ等スターと豪華共演です!
・イヤーな役でトム・サイズモア。んー、「プライベート・ライアン」の役どころ、本当に良かったよね。助演の雄。「7月4日に生まれて」、「ハーレーダビッドソン&マルボロマン」、「スリー・リバーズ」、「エネミー・オブ・アメリカ」など。
・「ディパーテッド」のオスカーウィナー映画監督マーティン・スコセッシがヨーロッパへと飛ぶ監督を演じている。おお!スコセッシに関しては「ハスラー2」しか今のところレビューしていないなぁ…映画サイトとしてどうなの!?ハハハ(苦笑)…「ギャング・オブ・ニューヨーク」も☆
・ラスト。社長の秘書役でセリフもあるチョイ役、イリーナ・ダグラスが演じています。「誘う女」でニコール・キッドマンの事を“インタビューで罵倒”してました!
見ようと思った理由ってのはアネットが出演していたから。で、デ・ニーロ共演てこともあって“どんな映画なの?”って感じで。見たらスコセッシやクーパーが出ていてビックリしたんだけど、それ以上にビックリなのは内容でした。
赤狩りのことは薄っぺらく知っている程度。友人に録画して貰って初めてか2回目に見たアカデミー賞授賞式。エリア・カザンが名誉賞を受賞した時なんだけど、その時スッゴい異様だったんです。「アメリカン・プレジデント」なんかでも挙げたけどリチャード・ドレイファスがドカンと腕組みしてニコリともしない。他にもスタンディングオベーションしない人が多数いて、その“主張”ってのをこれでもかとカメラが映してた。それでエリア・カザンの事を調べて“赤狩り”の事を知ったtoikun。プレゼンターがデ・ニーロとスコセッシだったって事は覚えてなかったんだけど、“こんな理由=今作”があったんだねぇ。
俳優さんの主張ってのもイロイロあるだろうし述べるべきモノじゃあないと思うし。自分がもしその主義主張により同じ状況になったら…友達を売ることはしないと思いたいです…。
映画作品として今作はどうか?…ドラマとして何か感情移入できるとかソンナ感じの素晴らしさってのはない。カメラワークや編集とか特別褒める所もない。でも何て言うか“歴史の証人”的な意義としてあっていい映画だと思いました。
あぁ面白いもんです。聴聞会で教師をする妻=アネットの事を言われるんですよね。議長さんが教育に対して言っています。政治的ではないけど、教師が自分の主義主張を教えるor言うor強制する…ことがあったらtoikunはそれを問題だと思います。
“取り敢えず”ラスト。WikiPediaだって真実かどうかは分かりません。何かすげー編集合戦あるそうですしぃ。この映画だって作り手は人間なのだから主張ってのはあるわけで…。何が言いたいかって言うと、イロイロ調べることです!(究極を言うとその場にいた人間しか真実を知らないって事にもなりますが…。)自分と主義主張が違うからと違う意見を頭ごなしに否定すること、良くないよー…ってtoikunの映画の趣味はほぼハリウッド系アクションじゃん…チャンチャン。
2015/12/15
2016/05/19
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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