映画「サイダーハウス・ルール」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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第二次大戦時のアメリカ。孤児院の青年は此処を営む医師に見込まれ医学を授かるが学校は出ていない。見聞を深めるために外に出た青年が農場で目にした不自由な規則と不自由な恋愛。医師は青年に医師として孤児院に戻ることを願うが…。
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説明:
ストーリー・ネタバレ
第二次世界大戦が世界各地に暗い陰を落としていた時代。
アメリカ・メイン州ニュー・イングランドにある孤児院セント・クラウズ(st. Cloud's)。ここに若くして院長として赴任したのは医師のウィルバー・ラーチ。ラーチ医師は親に捨てられた子供たちの父として看護婦エドナとアンジェラと共に優しく子供たちに接して彼らが里子に出されるまで慈しんでいた。
このセント・クラウズの一人の男児ホーマー・ウェルズは2度里子に出されたが里親の好みに合わずに孤児院に戻ってきていた。そんなホーマーの1943年の旅立ち…。
良い年の青年になっていたホーマー・ウェルズ。ラーチ医師は孤児院で堕胎も行っていたためにホーマーもその手伝いをしてきていて、高校さえも出ていない彼だったが医学の知識は医学生並みとなっていた。もう里子に…というのは望めないホーマーにラーチ医師は自分の後を継いで孤児院を運営していって欲しいと思っていたのかもしれない。
このセント・クラウズにおいてはホーマーは年長である。年の近い子供はみな里子に出されたかで居なかったがチョット年が離れた男児バスターとは親友であった。まぁ親友という概念はセント・クラウズの子供たち皆がそれぞれに思っていたことだろう。
一人、一人、里親に引き取られる子供たち…けれども孤児院で産み落とされてそのまま…な子供たちも…。
そんなこのセント・クラウズに兵隊である青年ウォリーと彼女のキャンディがやって来た。“里親?引き取ってくれるかもしれない?”そう思った施設の子供たちは2人に愛想良くするが彼らが施設にやって来た理由は堕胎であった。ラーチ医師の代わりに受付をしたホーマーと同年代のウォリーとキャンディ。キャンディの堕胎手術が無事に終わると、ホーマーはウォリーに声をかけて彼ら2人に着いて行く事にしたのだ。普段エドナやアンジェラに“見聞を深めろ”と言われていたのがキッカケか!?ともかくラーチ医師、エドナ、アンジェラの心配も余所に旅立っていったホーマー。バスターは一人見送ることなく木に隠れて拗ねていた…。
宛てのない旅になるかと思われたホーマーがやって来たのはウォリーの生家が営むリンゴ園だった。季節単位で黒人農夫を受け入れてリンゴを収穫して売り物にならない見た目の悪いリンゴはリンゴジュースにする事業。ワーシントン家に居住するキャンディもそれを手伝っていた。
ウォリーの母親オリーヴに出迎えられたホーマーは挨拶もそこそこに農夫達のリーダー、ミスター・ローズに会いリンゴ園で働くことを告げた。“白人としては初めてだ。歓迎する。”そうミスター・ローズはホーマーに言うと、ホーマーは彼らと一緒に“サイダーハウス(リンゴ園の住居)”に住むことになった。読み書きが出来るホーマーはミスター・ローズの娘ローズ・ローズに本を読んであげていると、ミスター・ローズが住居の壁に貼られた紙を指さして読んで欲しいとホーマーに言った。書かれていたのは“THE CIDER HOUSE RULES”と題された従うべきルールだった。
農場での仕事をしながら休暇のウォリーやキャンディと時を共にするホーマー。その時も長くは続かずウォリーは再び戦地に赴くことになった。誰も行きたがらないビルマ戦線にホーマーは望んで出征していった。
リンゴ園でミスター・ローズに仕事を教えられながら生き生きと働くホーマーは偶にはセント・クラウズに手紙を書いた。この頃の施設のラーチ医師は睡眠に際して度々エーテルを用いるという状態。起きているときはいたって普通である医師の頭痛の種はこの孤児院を管理する地域の理事会が彼を追い出そうとしていたこと。堕胎を行っているラーチ医師を良しとは思っていなかったのだ。ラーチ医師は来たるべき時のためにホーマーの医大卒の学歴を偽装して彼を後継者に…と本気で考えていた。ラーチ医師が作製した偽の医大証明書を見たエドナとアンジェラは目を丸くしてしまった…。
リンゴの収穫が一段落するとホーマーはキャンディに彼女の生家に連れてきてもらった。エビ漁を営む父レイと一緒に食事をしたキャンディとホーマーはその帰りにドライブインシアターにやって来た。戦争で閉館中の映画館で“ウォリーに内緒”とばかりにタバコを吸うキャンディとそれに付き合うホーマー。ホーマーは孤児院での楽しみだった映画鑑賞で感動したフェイ・レイ主演版「キング・コング」の話しをして、楽しい時間をキャンディと過ごすのであった。
ローレンス・オリヴィエ主演版「嵐が丘」を一緒に見るなどキャンディとの仲が深まったホーマー。2人の関係を知るリンゴ園の仲間は心配するがホーマーは“何でもない”と答えた。事実、ホーマーにとって何も恥じる事などこの時は無かったのだから。恋心はあったのかもしれないが…。
セント・クラウズのラーチ医師は地域の理事が集まる孤児院での会議に出席していた。ラーチ医師が匿名で提出したホーマーの経歴を見た理事達はホーマーの“立派な学歴と経歴”に興味を持ちラーチ医師に話しを聞くが、この時にラーチ医師はホーマー・ウェルズ医師の事を酷評した。“私とは逆の立場をとる理事たち”への対抗手段…。それが奏効し理事会はラーチ医師の後任に“ホーマー・ウェルズ医師”を選ぶ方向へ…。。
ホーマーが暮らすリンゴ園、ホーマーがいない孤児院セント・クラウズ。
キャンディとの仲が更に深まり身体の関係まで持ってしまったホーマーは変わらず果樹園で働くがある時ローズ・ローズの不調に気付いた。彼女の仕草などから彼女が妊娠したトコに気付いたのだ。その事をキャンディに話したりする中、キャンディはローズ・ローズのお腹の子供の父親が、彼女の実の父であるミスター・ローズであることを知りホーマーに伝えた。ミスター・ローズが娘と関係を持っていたという“事実”を仲間の農夫達は知っていたが、ミスター・ローズの“ボス力”からか他の誰にも言えなかったのだ。ホーマーはミスター・ローズを追求し妊娠を暴露し言い争いになった。
不穏な空気が漂うワーシントン家の農場に悪いニュースが飛び込んだ。ビルマで従軍しているウォリーの乗る機が撃墜され一時期行方不明になったという。幸運にも見つかったウォリーだがB型脳炎にかかり下半身がマヒしてしまったという。悲しむキャンディとウォリーの母オリーヴ。キャンディは実家に戻って父の胸に顔を埋める。その後キャンディを慰めるホーマーは次に彼はどうするべきかを彼女に尋ねるも何も決まらなく…。
農場でのホーマーがミスター・ローズとローズ・ローズを呼び出し“医学を修めている。力になりたい”と話した。ラーチ医師が送ってくれた手術道具を手にしたホーマーは堕胎を同意してくれたローズ・ローズのお腹の…。手術の付き添いをしていたミスター・ローズが気持ち悪くなって外に出てしまうが彼が心に感じた“真の気持ち悪さ”とは…。
手術での身体の傷が癒えたローズ・ローズがサイダーハウスに戻った夜に再び壁に掲げてある“サイダーハウス・ルール”を読んだホーマー。此処に生きる人々には余りに意味の無いルールを焼き捨てた彼らだった…。
そしてミスター・ローズが娘ローズ・ローズのナイフによって腹を刺されたところを発見したホーマー。ローズ・ローズはもう此処にはいなかった。娘を思ってミスター・ローズは“死んだら警察には自分で刺したと告げてくれ”と言って息を引き取った。
結末・ラスト
ウォリーが下半身が不自由になりながらも自宅に帰ってきた日、ホーマーはセント・クラウズに帰る汽車に乗った。ラーチ医師がエーテルの吸入などにより死んだという手紙が来たからだ。帰り際に交錯したホーマーとキャンディの視線…。
まだ残る雪を踏みしめ戻ってきたホーマーに気付いたバスターが声をあげるとセント・クラウズの皆は顔を上げてホーマーの帰宅を喜んだ。そして密かにホーマーを思っていたメアリー・ジンズは身だしなみを整えると笑顔で彼を迎えた。
医師として後任についたホーマー・ウェルズは、ラーチ医師が寝る前に子供たちにしていたのと同じように本を読み聞かせると懐かしい心に残る言葉を口にした。“Goodnight you Princes of Maine, you Kings of New England...”その言葉を聞いた子供たちの顔は満面の笑みとなり、それはホーマーの顔も同じであった…。
レビュー・感想・解説・評価
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2000年の第72回アカデミー賞では「アメリカン・ビューティー」が作品賞・監督賞などで5部門を受賞したがその同作と賞レースを争った今作。
メガホンをとるはスウェーデン人映画監督のラッセ・ハルストレム。「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」でアカデミー監督賞・脚色賞にノミネートしているハルストレムにとって今作でのアカデミー監督賞ノミネートは3つ目のオスカーノミネートとなる。他にジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ共演(ディカプリオにとって初めてのオスカーノミネート作品)の「ギルバート・グレイプ」など。
脚本は原作者であり今作でアカデミー脚色賞を受賞したジョン・アーヴィング。
以下、キャスト紹介。
・2度里子に出されてそれが失敗に終わった孤児ホーマーを演じるのは「スパイダーマン」、「スパイダーマン2」、「スパイダーマン3」で知られるトビー・マグワイア。悪意のなさ気な顔立ちなマグワイア。映画としてそれ程有名というわけではないが「あのころ僕らは」では「ボーイズ・ライフ」に続きレオナルド・ディカプリオと共演しモノクロ作品に“カラフルな色づけ”をしてくれた。また「ラスベガスをやっつけろ」ではジョニー・デップと共演しヒッチハイカーとして車に乗せてもらうが“異常性”を感じてスタコラサッサと逃げていってた。後は「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」というおバカコメディにはカメオ出演している。
・浮気した理由は彼氏が戦地に居て寂しかったから…そうとって良いものかと思ったが…の女性を演じたのは「モンスター」でアカデミー主演女優賞を受賞したシャーリーズ・セロン。「スタンドアップ」でもオスカーにノミネートしている彼女は「ディアボロス/悪魔の扉」ではキアヌ・リーブスの妻役で心を病んで最後は…。
・そして今作の熱演で「ハンナとその姉妹」に続く2つめのアカデミー賞を受賞したマイケル・ケインがラーチ医師を演じる。toikunの大好きな密室劇「デストラップ/死の罠」、自身が過去に出演した「探偵スルース」のリメーク作品「スルース SLEUTH 探偵」。そして「ニコラス・ケイジのウェザーマン」、「トゥモロー・ワールド」など。とても大がかりな「キングスマン」と「グランド・イリュージョン」では似たような…。
・青年ホーマーの親友的ポジションの男児を演じたのはマコーレー・カルキンを長兄とするカルキン兄弟の3男キーラン・カルキン君。現状レビューしているのは「ホーム・アローン」のみ。「ボディ・ターゲット」何てアクション映画も面白かったんだがなぁ。どーでも良い繋がりと思うかもしれないが「危険な遊び」というとても怖い作品では兄ちゃんマコーレー(怖い男児)、弟ロリー・カルキン(写真だけ)、妹クィン・カルキン(妹役)が出演している。
・ちょっと表現したくないような行為を行ったミスター・ローズを演じるは「マルコムX」等よく見るデルロイ・リンドー。「ディアボロス/悪魔の扉」の出演は…宗教の人だ!貧乏な身なりとは裏腹に金持ちで“悪魔の弁護人”に弁護を依頼…。「ディアボロス/悪魔の扉」でも本作でもチョット気持ち悪い役柄だったが「ゲット・ショーティ」という映画製作コメディではマトモだよ!ギャンだけれども…☆
・看護婦エドナを演じたジェーン・アレクサンダーは「ボクサー」、「大統領の陰謀」、「クレイマー、クレイマー」、「テスタメント」での4度のオスカーノミニー。
・もう一人の看護婦アンジェラを演じたのはキャシー・ベイカー。先日リレビューしたアンディ・ガルシア主演の「ジェニファー8」では予想の出来ないラストが彼女によって繰り広げられていた。他に「コールドマウンテン」など。
・出番は少ないがウォリーの母を演じていたケイト・ネリガンは「サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方」でアカデミー助演女優賞にノミネートしている。「ウディ・アレンの影と霧」や「逃亡者」でトミー・リー・ジョーンズの当たり役となったジェラード保安官の“次の事件:”「追跡者」で女性上司を演じていた。
・ケイトよりも小さな役であり顔のアップは数カットしかなかったがキャンディの父を演じていたJ・K・シモンズはとうとう「セッション」でアカデミー賞を受賞するまでになった。名作「ジャッカルの日」のリメーク作品「ジャッカル」ではFBI捜査官の一人…それでも今作よりは目立っていたかな。後の「スパイダーマン」、「スパイダーマン2」でトビー・マグワイアと共演したときにtoikunは彼に“気付いた”けれども、すごい怒りまくってる編集長だった。他に「ボディ・バンク」など。「オータム・イン・ニューヨーク」でもリチャード・ギアと共演をしているがまぁだ下積みなシモンズさん as 外科医。
・青年兵士を演じたポール・ラッドは「アントマン」でタイニーなヒーローを演じるまでに!
今作を見るキッカケとなったのが「第四の核」というフレデリック・フォーサイス原作の映画を先日見たから。若いマイケル・ケインとピアース・ブロスナン共演作であり「ジャッカルの日」、「ジャッカル」の原作を執筆したフォーサイスの原作を映画化した良作スパイ・スリラーだった。そ・し・て遠因として「ジェニファー8」でキャシー・ベイカーを見たこともあったけれど。
toikunは和やかな環境と和やかなフェイスであるマグワイアを見てホッコリした。“口にもしたくない事実”には目を瞑りたかったけれども“ソレ”の映像描写はないし他のファンの感じ方としてはマイルドなものになる…かな?父ちゃんミスター・ローズがローズ・ローズの堕胎場面で逃げ出しちゃったのは何を思ったのか…?想像するだに恐ろしい事。そして娘を思って自分で自分を刺した…って、原作を知らないし多分映画を理解できていないtoikunは“ムシが良すぎ…”と嫌悪感だけだった。
この事はサイドにあるモノで“メインストリート”にあるのは自由になった時に見えたルール…、ごめんなさい。実際の家に貼ってあった“サイダーハウス・ルール”も含めて意図がわからなかったtoikun。ムリヤリ意味を見出そうとするなら“従う必要のないルールがある”とか“ルールに従うだけでなく自分の路を行け”なのかな?
演技が目を引いたのはやはりマイケル・ケインのある種コメディともジャンルをカテゴライズして良いような軽やかなトコロ。エーテル中毒になったりするところは重いモノとして受けとめるべきなんだろうけど、卒業証書を偽造しちゃったりする様々な場面で笑みがこぼれてしまう。このセンス・オブ・ヒューマー、やはりジェームズ・ボンドとして見たかった。
DVDで鑑賞した今作だが付録としてメイキング『The Making Of An American Classic』というのが収録されていた。その中からいくつか紹介する。
・監督ハルストレムは脚本を担当できるのは原作者であるジョン・アーヴィングしかいないと思った。ハルストレムは子供と作品を撮ることを好きだ。“サイダーハウス・ルール”とはおしきせの規則の象徴である。規則によっては異議を唱えることが大切だ。
・名作「シャイニング」等の原作者スティーヴン・キングが原作者の立場から“映画化されると作品が切り刻まれる”なんて趣旨のことを言っていた。“撮影に参加して一日が終わると、スタッフと他にもう仕事はしたくない…”など。またキングはアーヴィングの才能を高く買っている。
・マイケル・ケインはジョーン・アーヴィングの小説を殆ど読んでいるという。監督がハルストレムだと聞いたから出演したくなった。
・作家メル・ギュソーが語るにニュー・イングランドはアーヴィングの生活を基に書かれている。
メイキング・インタビューを見てもワカラン…。ルールに異議を唱えるなんて誰もルールに従ってないのにねぇ…。ルールは紙に書かれているだけであって農夫達は字を読めない、つまり従えとすら言ってないのに…。
まだまだ映画を見足りないtoikun。原作なんてましてだよ。興味を持って原作を見たなんて今のところ「ザ・バニシング-消失-」のティム・クラベー原作だけだもの。もう良い年だけれども修行が必要です!
アナタは何を感じましたか?
2016/03/02
2016/06/03
2016/07/09
2016/10/09
by toikun.
映画ファンの口コミ・レビュー
No.1 ともちん さん
レビュー日時:投稿日時:2016/10/27 21:16:15
評価:5点/10点満点中(最低点1点)
★★★★★☆☆☆☆☆
こんばんは~やっと観たって感じです(笑)アカデミー賞とかもあって期待大で観ました。うーんガッカリ!何か根本的な問題は置いてかれてるような?感動を押し付けられてるような映画だと思ったのは初めてですね。私がひねくれてるかも?です(笑)
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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