映画「第四の核」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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ソ連KGB少佐が密命を帯びて英国に降り立ち英国人に化け仲間から調達した物質で核の起爆装置を作製。英国諜報組織MI5の諜報員はソ連の動きを察知して男の正体を掴んで近づく。核を爆発させようとする男とそれを防ごうとする諜報員、そして英国とソ連の高官の思惑が…。
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ストーリー・ネタバレ
1963年。イギリス諜報機関MI-5の高官キム・フィルビーはソ連に亡命した。1968年にはアメリカ、イギリス、ソヴィエト連邦の三国が核拡散停止協定に調印した。この協定には4つの秘密協定が含まれていたがその内で今も有効なのはたった1つである…。
東西冷戦下の時代。
ソ連に亡命したキム・フィルビーは高官の“意図”により殺された。ソ連の情報機関・秘密警察であるKGBの非合法活動局に属しているバレリー・ペトロフスキー少佐がKGB議長ゴボルシンに“謁見”した。ゴボルシンはペトロフスキーに密命を与えた。その密命が書かれた文章を見たペトロフスキーは同じKGB局員を情報が漏れないように殺し、ジェームズ・“ジム”・エドワード・ロスという偽名を名乗ってイギリスの土を踏んだ…。この成功すれば大いなる昇進を約束される“密命”とは一体…?
イギリスの諜報機関の1つであるMI-5に属する諜報員ジョン・プレストン。彼は新卒でこのMI-5に入局したわけではなく“中途入局”であり生え抜きならではの昇進は約束されない立場。だがイギリス、そして西側諸国の平和のために活動しているのだが、MI-5の病弱の長官バーナード・ヘミングスの信頼は厚いモノの、次期長官の座を約束されているブライアン・ハースコート=スミスからは“プレストンは予測できない動きをする男”と見なされており看過されていなかった。だがプレストンはいつも通り飄々とブライアン長官代理を受け流すのであった…。
プレストンがイギリス政府高官の男を調査した結果、その男ジョージ・ベレンソンは南アフリカに情報を流していることが分かった。密かにMI-5の実権を握ろうとするナイジェル・アーヴィンはプレストンを連れてベレンソンの邸宅にやって来ると、プレストンがベレンソンから盗んだ機密文書を手に彼を詰問するアーヴィン。ベレンソンは南アにソ連のスパイが居ることを知らずに自分の信念で情報を流したことが分かった。アーヴィンはベレンソンに“今まで通りの地位でいたくば言われるまま情報を流せ”と脅して取り込むのであった。
ソ連ではKGBの更なる高位…つまり議長の座を狙う男、KGB副議長エフゲーニ・カルポフが同じKGBながら別の局の高官ボリソフ将軍と面会。ゴボルシン議長がペトロフスキー少佐に与えた密命を知らない彼ら。何とか強硬派であるゴボルシン議長を出し抜くためにボリソフから手がかりを得たカルポフは“行動”を開始した。イギリスからの亡命者フィルビーがゴボルシン議長の手によって殺されたことを知るカルポフは、クリロフ教授を訪ねて彼の息子の男色をネタに脅してペトロフスキー少佐の帯びた密命に近づく。
クリロフ教授から得た証拠を持ち再びボリソフ将軍を訪ねたカルポフ。カルポフはゴボルシン議長の様な“酷く暗い冷戦”を推し進める強硬派ではない。西側諸国とある程度協調して国を運営していこうというのがカルポフの考えなのだ。イギリスでアメリカの原爆が爆発すればソ連は厳しい立場に追いやられるし、ペトロフスキー少佐がイギリスに逮捕されれば協定違反で冷戦復活。考えたカルポフはゴボルシン議長を告発しようとボリソフに持ちかけるが強大な権力を手にする議長に逆らうわけにはいかないとボリソフは協力を拒否した。カルポフの次の一手とは…!?
イギリスに潜入したペトロフスキーはアメリカ軍のベイウォーターズ空軍基地がある地域に期間限定で部屋を借りた。ジェームズ・ロスという偽名の男には妻が居るとう設定でありその妻は後からやって来ると告げた。この家の隣にはアメリカ軍兵士の滞在する家もある。そしてこのアメリカ軍の基地には原爆があるというのは住民全てが知る事実である…。ペトロフスキーはソ連本国に“巣作り完了”というメッセージを送った…。
プレストンが気に入らないブライアン長官代理はプレストンをC5(=空港、海港担当)の職員に左遷した。そのプレストンが新しい職場で死んだ船員を調べるとポロニウムという物質を見つける。科学技術技官を訪ねたプレストンは技官から“ポロニウムとリチウムを合わせると原爆の起爆装置が作れる”という事を知らされる。この“今そこにある危機”でプレストンが思った事とは…。だがしかし上官であるブライアン長官代理はプレストンを呼びつけて“MI-5に返り咲くための妄想の産物”だと決めつけ無期限停職を言い渡した。
怒りをぶつける先を分からないプレストンは黒人女性に対して差別的嘲笑をしていた若い白人男性を伸して帰宅すると久しぶりに息子と団欒の時間を過ごすが、その停職中のプレストンをアーヴィンが訪ねて彼を“前線”に送り戻した。ポロニウムも含めて様々な物質が“原爆の起爆”に必要であることを知るプレストン。
イギリス潜入中のペトロフスキー少佐は身分を疑われることのないように隣家の空軍兵士とも“ソレナリ”に歓談する。そして裏で次々と“密命”=“原爆爆破”の為の起爆装置を作るために物質・機材を手に入れていくペトロフスキーはソ連の研究所からやってきた女性イリーナ・ワシリエーブナを“妻”として滞在先に迎えた。イリーナの持ってきてくれた機材で起爆装置は完成した。その起爆装置のタイマーは2時間…つまりスイッチを押せば2時間は猶予があるという事。だがイリーナはカルポフの手の者でありこの“起爆装置”に“仕掛け”をしたのだ。そのカルポフの裏を行ったのがゴボルシン議長であり、原爆爆破を防ごうと動くイリーナを“殺せ”とペトロフスキーにメッセージが送られたのだ。ソレを見たペトロフスキーはイリーナを殺害していよいよ与えられた密命を実行するときに…。
自由な捜査権を取り戻したプレストンは英国に密入国した男ウィンクラーを後をつけるとペトロフスキー少佐に行き着いた。“丸でスパイのように”姿を消したペトロフスキーが原爆爆破の実行犯だと感づいたプレストンはペトロフスキーを発見して彼のアジトであるベイウォーターズ空軍基地近くの家を突き止めた。そしてその事を英国上層部に報告すると上層部はコマンドー部隊派遣を決断した。
結末・ラスト
そして夜9時にラジオから流れる起爆装置起動の合図を聞いたペトロフスキーは起爆装置のスイッチを入れようとする!だが殺したイリーナの不審な動きに気付いたペトロフスキーは起動の前に装置を開けると“2時間の猶予はなく直ぐに爆破される”嬢タイであった。これではペトロフスキー自身が危険だし例え爆発しても原爆の誘爆は出来ない!とそこでイギリスコマンドー部隊とプレストンが突入した!対峙するプレストンとペトロフスキー!プレストンは証拠を残すためにペトロフスキーの逮捕しようとするが…ナイジェル・アーヴィンの思惑で動くコマンドー部隊によりペトロフスキーの命の灯火は…。
全てを悟ったプレストンがナイジェル・アーヴィンの所に行くとそこにはソ連のKGB第一副議長エフゲーニ・カルポフの姿もあった。アーヴィンとカルポフそれぞれが自身の国での力を求めた結果が“コレ”だったのだ。プレストンは2人を罵って立ち去ると彼を迎えたのは彼の息子であった。
プレストンの休息は束の間のモノとなるのか、将又ナイジェル・アーヴィンによって永遠の休息となるのであろうか…!?
レビュー・感想・解説・評価
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まず初めに。007シリーズではジェームズ・ボンドはMI6の一員だけれども今作ではMI5が出てきます。それぞれの違いについてコチラのWikiPediaに違いが書かれているのでドウゾ。
処女作“ジャッカルの日”は「ジャッカルの日」としてフレッド・ジンネマン監督によって映画化されたフレデリック・フォーサイスの同名小説“第四の核”を映画化した作品。今作のクレジットを見るとフレデリック・フォーサイス自身が脚本を担当しているのが分かる。WikiPediaを見るとジョージ・アクセルロッドとリチャード・バーリッジの名が脚本欄にあるがT's Theaterでは彼らに“余計なクレジット”があったので今作の脚本はフレデリック・フォーサイスのみを挙げている。なおフォーサイスはラジオ番組の声をあてているという情報もあるが…!?
007=ジェームズ・ボンド映画の様な凄まじいアクションはないもののワクワクするのは同じスパイスリラーである今作のメガホンをとるは「ジャック・ルビー」や「ブルーヒート」の監督、故ジョン・マッケンジー。“フレデリック・フォーサイスの原作”と聞くだけで心が躍ってしまう映画を素晴らしく仕上げてくれた。
・英国諜報組織MI-5のジョン・プレストンを演じるのは「ハンナとその姉妹」、「サイダーハウス・ルール」で2度のアカデミー賞受賞歴があるイギリスの名優マイケル・ケイン。自身が出演した「探偵スルース」のリメーク作品「スルース SLEUTH 探偵」にも出演、“役柄を入れ替えた”のはとても興味深く見られた。またtoikunの心の名作密室劇「デストラップ/死の罠」は結末の分からない極上ミステリースリラー。蛇足だが同作で「スーパーマン」の故クリストファー・リーヴと男性同士のキスを…。他に「グランド・イリュージョン」。
・ソ連からやって来たKGBスパイを演じるのは5代目ジェームズ・ボンドとして知られるピアース・ブロスナン。「007/ゴールデンアイ」、「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」、「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ」、「007/ダイ・アナザー・デイ」の全4作品007シリーズに出演する彼はアイルランドとアメリカの二重国籍を持つ。アイルランド…と言うと「マイケル・コリンズ」を挙げたいのだが製作時期が丁度「007/ゴールデンアイ」に被ったのであろう、007のイメージもあるのか出演はならなかった。彼の出演作品に関してはソレナリにレビューしているので彼のページからお越し下さい。なお、今までtoikunが見た彼の出演作で一番古い作品は「殺人調書101」だったが今作を見て“一番古い作品”の記録更新となった。(「殺人調書101」レビューしたいけどレンタルが無いみたいでビデオで買うと7000円!手が出ない…。好きなのに…。)
主演の2人以外に…。
・「ネットワーク」のオスカーノミニー、ネッド・ビーティが小ぶりな役だったがソ連のKGB高官を演じる。他に「キスへのプレリュード」でメグ・ライアンのパパだったり、「ザ・シューター/極大射程」の議員など。
・ソ連からのペトロフスキー少佐への刺客と言って良い女性を演じたのは「ザ・パッケージ/暴かれた陰謀」等のジョアンナ・キャシディ。
・他にイギリスやアイルランドの重鎮ジュリアン・グローヴァー、マイケル・ガフ、レイ・マカナリー、イアン・リチャードソンなどが英ソそれぞれの脇を素晴らしく固める。
前述したがtoikunにとってのピアース・ブロスナン出演作品として最古となった今作。当時はブロスナンはハンサム俳優としてしか見られていなかったというのは有名な話しだが中々どうして!ほぼ表情を崩すこと無く厳格に任務遂行を試みて好感が持てた。ただこのペトロフスキー少佐の“性格”というのがイマイチ理解できなかったtoikun。彼の隣家のアメリカ兵夫人に求められるところでの苦悩描写に何の意味があるのか分からなかったのだ。どう想像しても、創造しても合わない性格。007では女好きスパイだったブロスナンが苦悩…って苦笑いを浮かべるだけだった。
マイケル・ケインの演技とは言うと順当申し分なし。ラスト描写も含めてシリーズ作品となってもおかしくなかったであろう。
「ジャッカルの日」が143分という長時間をタップリかけて“ジャッカル”という男の怖さを描いていたが、今作では1つの単純なスリラー要素ではなくどうすればもっと怖いものに出来たであろうか?等と物思いにふけるが…。
話題を逸らしてみる。
マイケル・ケインがジェームズ・ボンドを演じていたら新旧ボンドの対決だったのにね!ケインの年齢を考えるとジョージ・レーゼンビーかロジャー・ムーアの時にジェームズ・ボンドとしてキャスティングされてもおかしくなかった。候補に挙がったかは知らないが“イメージ固定が…”と嫌がる俳優も多いしどうだったのだろう?
で、今作に話題を戻すと何故かマイケル・ケイン・ボンドを想像できるから面白いですね~☆
細かいところにケチつけるが、“冷戦が復活する…”とか言ってるけどこの時も冷戦下でしょ?高校の時は理系なクセして世界史Bを思いっきり勉強してセンター試験で85点獲得!→得点調整で88点!なtoikunのケチな疑問。(なおtoikunと同じクラスの彼は100点を獲り“得点調整がされないジャン…”と嘆いていた…。)
蛇足となるがフレデリック・フォーサイス脚本の「ジャッカルの日」はハリウッドで「ジャッカル」としてリメークされている…厳密にリメーク作品と呼ぶには問題があるようだが…。そして蛇足+興味を引く点として
そして蛇足+興味を引く点として。「ジャッカルの日」、「ジャッカル」両作品ともテロリスト・“ジャッカル”が潜伏する手段として男色男子をターゲットとした。今作でペトロフスキー少佐は、男色男子に秘密を見られるが彼に近づいて殺し秘密を守った。“どちらの立場で見るか”によってテロリストだったりエージェントだったりスパイだったり表現が変わるのでそれは良いとして、もしかしたらフレデリック・フォーサイスの作品では多くのテロリストが…もしくは関係者が男色男子との何らの関わりがあるのかもしれない。原作読んでみようかな?(映画としてこの3作品とも“彼ら”を好意的に描いているかというと全くソウではないが…。)
2016/02/29
2016/07/09
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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