映画「エレン・ターナン~ディケンズに愛された女~」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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小説家チャールズ・ディケンズに愛された女エレン・ターナン。エレンは役者としてチャールズの主催する劇に参加するが傍目からは大根役者。だがチャールズに目をかけられる。やがてチャールズは妻と別れて“公然”とエレンと関係を持つ…。
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ストーリー・ネタバレ
1883年イギリス、マーゲイト。
学校で子供たちに劇を教えている女性ネリー。劇は故人となった小説家チャールズ・ディケンズの本を原作としたものでありネリーはかつて舞台女優であった。夫ジョージと子供を育んだネリーのチャールズに対する思いとは…。
遡る事10数年前のマンチェスター。
フランシス・ターナンと彼女の娘たちがこの街へやって来た。フランシスの娘エレン=ネリーは自身の小説を舞台化しているチャールズ・ディケンズの劇団の門をくぐった。チャールズには妻キャサリンとの間に本当に沢山の子供が居る。チャールズに“お披露目”されると稽古に入った。しかしネリーが最後の台詞を言うと“それは不要だな”とチャールズにカットされ、本番舞台では“その台詞なし”で幕が閉じると拍手喝采となった。
舞台後の打ち上げ。俳優たちや関係者などと踊り楽しむチャールズを横目に見ているのは彼の妻キャサリン。チャールズを見る目はどこか変…。
このマンチェスターの街は時代という事もあるのだろうか浮浪者が多く居た。働けるであろう成人男性から子供たちまで。チャールズは滅多にしない自身の作品の朗読を行って客から金を貰ってそれを寄付するなどしていた。ターナン家もそれに参加して勿論ネリーも…。
執筆も忙しい中でこなすチャールズは少し離れた地域で舞台に出演するネリーを観に行ったりした。家に招き入れたフランシスは娘ネリーが女優としてやっていけるかをチャールズに聞くのであった。“娘ネリーを守りたい…”
ある時、チャールズとネリーは身の上話をしていた。チャールズの父はチャールズが12歳の時に債務者刑務所に送られ、チャールズは靴墨工場で働いた。ネリーの父は商人の息子で借金を抱えたままネリーが7歳の時に死んだ。彼女の兄も幼い時に亡くなっている…。
妻子のあるチャールズとネリーの関係…。
ネリーの母フランシスはネリーに女優としての才能がない事に気付いていて、それでチャールズと引き合わせて何とか娘の将来を安泰に使用と考えたのだ。結婚をしているチャールズとの恋仲がどうなるのか、母フランシスは…。
ネリーの誕生日を家族全員で祝うターナン家、そこにチャールズの妻キャサリンが訪ねてきた。この時、世間ではチャールズとネリーの関係が噂になっていたのだ。“夫がネリーの為に用意した誕生日プレゼントが間違って自分のところに来た為に持ってきた…”そう言ってプレゼントを手渡すキャサリン。“夫には常に女が居る。夫にとって誰が最愛の人なのか誰も分からない…。夫を好きか…。”
キャサリンが去った後チャールズが誕生日を祝う為に現れネリーを思いもかけない場所へ誘った。それはチャールズのもう一人の情婦である未亡人のキャロラインの家…。さすがに耐えられなくなったネリーは外に出てチャールズと話すのだが、その“それぞれ”の想いとは…。
チャールズ・ディケンズの息子チャーリーが父とネリーが歩いているところに出くわしたが二言三言で帰宅すると母親キャサリンに新聞を読み聞かせた。それのは父チャールズが認めたキャサリンとの訣別の言葉が…。涙する母を慰める息子チャーリー…。
チャールズとの関係を清算するべきか…その時、チャールズは『大いなる遺産』を書き終えてネリーは結末に感動する。そして作中の登場人物の言葉にはチャールズのネリーに対する思いが込められていた…。“あなたは僕の人格の一部です…”
間もなくしてチャールズの子供を身籠もったネリー。しかしそれは死産に…。打ちひしがれるネリー。
だがイギリス・ロンドンへの汽車で事故は起こった。その汽車にはチャールズとネリーが向かい合わせで座っていたのだが突然汽車が脱線した。多くの重傷者が出て汽車関係者が男たちに協力を求めていた。チャールズはネリーの身を案じていたが、彼女は自分は大丈夫と言ってチャールズを促した。
結末・ラスト
事故では無事であったチャールズとネリー。しかし彼らの関係は…。
チャールズと出会った時はネリーは18歳であった。チャールズ・ディケンズの死を知ったネリーは“2人の関係”を知る聖職者ベナムに思い出を語った。
今、ネリーは夫ジョージと暮らしている。ジョージはネリーの過去の事も知っているが全てを受けとめてくれている。ネリーのやるべき事、それは偉大なる作家チャールズ・ディケンズを思い続ける事。女優としては大成できなかったが彼女は演出家としてチャールズ原作の舞台を見守っている…。
レビュー・感想・解説・評価
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イーサン・ホーク、グウィネス・パルトロー主演の「大いなる遺産」を観た事はあるのだが原作者チャールズ・ディケンズはこんな人だったのか!小説家チャールズ・ディケンズの半生…というには余りに短いが彼の人生、そして彼と関係があったエレン・ターナンを描いた映画であり原作はクレア・トマリンの“The Invisible Woman”である。原作、そして本作の原題であるその“The Invisible Woman”の本当の意味は何であろうか?“盲目の”という意味の“見えない”なら“Blind”だから“invisible”というなら他の人からその女性が見えない。“エレンとの関係が公にはチャールズの死まで伏せられていたという事実”を考えると原題訳としては“関係のあった女性”という意訳が相応しいか…?
監督を務めるのはもはや名優と行って良いだろうレイフ・ファインズであり「英雄の証明」に続く監督第2作目。同作はウィリアム・シェイクスピアの舞台を元にしたものだったので現状ファインズの監督作品でオリジナル脚本のものはないが、映画人・舞台人と感じる事が出来る。
キャストを。
・チャールズ・ディケンズを演じるのはレイフ・ファインズ。「シンドラーのリスト」と「イングリッシュ・ペイシェント」でアカデミー演技賞にノミネートしている。出演作品でレビューしているのは前述「英雄の証明」と「アベンジャーズ」←正し違う方…。2016年11月には音楽プロデューサーを演じた「胸騒ぎのシチリア」が公開されるが、元カノのロックバンド・ボーカリスト役にはティルダ・スウィントン。“愛”はどの様にして“胸騒ぎ”に…!?
・エレン=ネリーを演じたのは「博士と彼女のセオリー」でアカデミー主演女優賞にノミネートしたフェリシティ・ジョーンズ。「アウトバーン」(2016)というスーパーなカーアクション映画では病気で苦しむヒロイン役。
・ネリーの母親を演じるのはクリスティン・スコット・トーマス。「イングリッシュ・ペイシェント」でアカデミー主演女優賞にノミネート。「ミッション:インポッシブル」ではスパイチームの一人として出演したが序盤で…。
・聖職者ベナムに扮するは「ブラック・ダリア」などのジョン・カヴァナー。あぁ、もっと彼の作品が観たい!
・劇団脚本家としてチョイ役出演だったトム・ホランダー。以下に挙げる2作品はどちらもトム・クルーズ主演の作品だが「ワルキューレ」ではドイツ軍大佐役、「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」では名前はなかったがイギリス首相の役で目立っていた。
さて。
実は「英雄の証明」を観て“台詞がすごく文学的!”って思ったけどとても面白く感じたtoikun。ど~やら世間一般的には同作は余り人気がないようであるが…。それは良いとしてレイフ・ファインズに関して調べていて本作の存在を知った。ただ本作は日本未公開作品???でDVDが出ていないみたい。どうやって観られるのかなぁって調べたらAmazonのプレミアムビデオとか楽天SHOWTIMEのストリーミングで観られる事を知って初めてストリーミング配信というヤツを利用して観てみた。これ、回線速度が速くないとプチプチでしょ???ソレハ良いとして。
邦題の“ディケンズに愛された女”…チャールズ・ディケンズって台詞で“女が次から次へ”みたいなのがあったけど本作の描かれ方はまぁチャールズはネリーが好き。でも愛人の未亡人も出てきたし作品を忠実に表したものではないかも。
チャールズ・ディケンズ、天然・奔放…まぁファインズ自身が演じていても合っていたのではなかろうか?この人は達者だからねぇ…。ファインズにイメージは変わらなくてもチャールズ・ディケンズのイメージは変わった…っても「大いなる遺産」の原作者…ってイメージしかなかったのでこんな阿呆な面もあったのかと…。
一般ウケしそうか…本作を日本で公開していたら興行的に成功したか…と想像すると成功しなかったと思うけど。アカデミー衣装デザイン賞ノミネートでもね。
本作、きっと何処のBSでもCSでも手を出さない?ワカランが。英語に堪能な人は日本Amazonから英語版のDVDを買って観たりそれこそストリーミング配信で日本語字幕があるのでソッチで観てみて下さい。
フェリシティ・ジョーンズ、序盤の序盤の大根役者演技はオモシロイ☆だって“おめぇ、大根じゃね?”って思ったら、あぁソレ演技かぁ…だもん☆
2016/05/04
2016/10/15
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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