映画「ルワンダの涙」あらすじ,ネタバレ,レビュー
原題:
邦題:
原題訳:
製作年:
製作国:
上映時間:
ジャンル:
監督:
主演:
あらすじ
この映画にはtoikun以外のレビューはまだありません。
1994年に起きたルワンダ虐殺。ルワンダで現地民を支援する青年と神父。彼らが運営する学校にツチ族の人たちが避難してきた。平和を監視する国連軍が撤退となる中で青年と神父が取った行動とは…。
感想・レビューを書いてみませんか?投稿フォームはコチラ[下にあります]
ストーリー・ネタバレ
これは実話に基づいたストーリー…。
1994年。30年余りに及ぶフツ族により迫害されてきたツチ族だったが欧米の圧力によりフツ族がツチ族との政権分担に合意し平和監視のために国連軍が置かれた。
この地では白人神父クリストファーが公立技術学校キガリを運営していた。白人青年のジョー・コナーはキガリに先生として務め子供たちに対し教鞭を執っていた。子供たちの多くはツチ族の子供たちだが学校で働く現地のフランソワはフツ族…子供たちを温かく見守っているように思えるが…。フランソワと車で買い出しに出かけたジョーは街中で検問をしているフツ族の男たちに出くわした。フランソワがフツ族の身分証を示したため彼らは通る事を許されたが前に停まっていた車が許されなかったのは運転手がツチ族だったから…。
ジョーは市場で取材をしているBBCのリポーターのレイチェルと再会して彼女から思い掛けない事を聞かされる。“ツチ族の取材をしていたらフツ族が乱入してナタでツチ族を皆殺しに…。”
クリストファーは神父としてキリスト教に関する事を行っていて現地の人たちも聖書を読みミサに参加するなどしていた。教壇に立つジョーをサポートするクリストファーは頼もしい。
ある時にクリストファーを訪ねたのはルワンダの議員である。彼の言動を“タヌキだよ”と駐留する国連軍大尉デロンに話すクリストファーはこの“状況”を受け容れているのか…。
このキガリにツチ族の少女マリーが通っていた陸上がとても好きでありしょっちょう走っている。そして年頃のせいかジョーを意識する素振りも見せる。ジョーとマリーの先生と生徒という平和な関係も情勢が続く事を許さなかった…。
大統領機が墜落してクーデターではないかという憶測が流れたのだ。国連軍は彼らが本拠とする学校を閉鎖するがツチ族の住民が押し寄せてきた。基地として使いたいデロン大尉であったが住民を思うクリストファー神父によって門扉が開けられツチ族の人たちが収容された。言葉が分からないジョーはフランソワに通訳を依頼するがツチ族はフランソワには話さない。フランソワが語るに理由は“ツチ族は昔のようにフツ族を奴隷にしたいから…”。フランソワは学校を後にした。
日が開けて学校には白人達も車で押し寄せたがそれを受け容れるクリストファー神父。クリストファーや元閣僚のングリンジラが訪れて大尉に国連軍の介入を求めるが、国連軍はあくまで平和監視のためという任務であり一軍人だえるデロン大尉が決断できる事ではなかった。クリストファー牧師は語った“彼らは皆ルワンダ人だ”。平常時の行いを使用と変わらずにキリスト教の行事を行うクリストファー神父だがジョーはそれよりも大切な事があるのではと考えるのだった。
ジョーはこの事を世界の人々に知らせるためにBBCのレイチェルに報道して貰う事を考え彼女を学校に来させるための協力をデロン大尉に頼むが忙しいからなのか大尉は断る。ジョーは一人車に乗るとレイチェルに会いに行った。車に乗るのはジョーとレイチェル、そしてカメラマン。フツ族の検問に出くわして車の外に出された3人が目撃したのはツチ族の男性が茂みに連れて行かれナタによりなぶり殺しにされるところ…。そしてそこには学校で働いていたフランソワがいて彼もまた手にナタを持っていた…。解放され凄惨たる現状をカメラに収めると3人は学校に到着した。レイチェルがデロン大尉に集団虐殺=ジェノサイドではないかと尋ね介入の義務も問うが大尉はこう語るしかなかった“無能と思われても命令に従うほかない…”。
学校はフツ族の民兵たちに囲まれている。彼らに銃を向け監視する国連軍…。話をするジョーとレイチェル、ジョーがルワンダに来た目的は“恵まれた子供時代の恩返し…”。発電機の不具合で突然停電するが妊婦の出産に立ち会うクリストファー神父の腕に新しい命が抱かれた、しかしその命も…。
出産を終えた女性のために自ら市販薬の買い出しに出かけたクリストファー神父だが、その薬を使う相手がツチ族かフツ族かまで尋ねる店主を神父は金で黙らせた。帰りにフツ族の検問所に来た神父もまたナタを持つフランソワを見る。そして死臭で気付いた民家に立ち入ると言葉に出せない光景が広がっており学校に戻った神父は肩を落とした。
そんなクリストファー神父が話しかけてきたデロン大尉に激怒する事が起きた。門扉の外では野良犬が殺された人々の死体を食べているのだがその犬たちを撃ち殺す事の説明をツチ族の人たちにして欲しいと頼んできた大尉。国連軍は相手が撃ってこないと撃ち返す事が出来ない、ならば犬たちは拳銃を撃ってきたのか?
国連軍としてフランス軍の増援がやって来たが彼らの目的はフランス人のみを国外へ脱出させる事。自分達のふがいなさに腹を立てているデロン大尉はせめてヨーロッパ人を脱出させろとやって来た部下に頼むと白人達は脱出できる事になった。BBCのレイチェルはトラックに乗って去って行ったがジョーは残った…。
残ったジョーが国連軍によって守られている学校から逃げ出すツチ族の人々に気付いた。外にはフツ族の民兵がいるのだが“国連軍が去れば学校は襲われ殺される”と思ったツチ族の人々が逃げていったのだ。直ぐさまナタを持った民兵によりツチ族に人々は…そしてクリストファー神父が取り上げた赤子と母親も…。絶望感を味わったジョーに対しクリストファー神父は“私たちも出て行こう…”と語った。
命令で国連軍は空港まで撤退する事になった。国連軍のために用意された車に乗るジョーの視線の先に生徒マリーがいた…。マリーの父親ローランドは残されるツチ族の意志として“フツ族にナタで殺されるよりは痛みが一瞬で済む銃殺を選ぶ、私たちを殺して行って下さい。”とデロン大尉に頼むが断られる。それを聞いた大尉の感情は…。
結末・ラスト
“一緒に去ろう”と言ったクリストファー神父は学校に残った。ジョーへの惜別の言葉は“何事にも全力を尽くせ…”。覆い縋るツチ族の人々を銃で威嚇すると国連軍は去って行った…。
クリストファー神父は残されたトラックに子供たちを乗せた、それにはマリーもいて安全なところに送り届けようとしたのだ。“また戻る”と約束した神父だがその直後に学校はフツ族の民兵に襲われた…。
神父が運転するトラックがフツ族に止められ、神父に薬を売った彼と旧知のジュリアスが話しかけた。車を降りた神父は荷台の子供たちから注意を逸らそうとする。これを見ていたマリーによって子供たちは草むらに逃がされると神父はジュリアスに撃たれて息絶えた…。
深夜の道なき道を逃げ去るマリー。この時に語られた国連スポークスマンの言葉は全く人々の心に響くモノではなかった…。
5年後。
学校で働くジョー・コナーを訪ねたマリー・ムタゴマがいた。何故逃げたのかと問いかけるマリーに“死ぬのが怖かった”と語るジョーがいた…。
1994年4月11日にキガリ技術学校で2500人以上の人たちが殺された。4月から7月にかけ80万人以上のルワンダ人が集団虐殺された…。
レビュー・感想・解説・評価
感想・レビューを書いてみませんか?投稿フォームはコチラ[下にあります]リンクについて
~~~(矢印と破下線のリンク)は、T's Theaterでレビューしている映画作品や紹介している俳優等、全て内部リンクです。
本作に出会った人は語り部として生きていくべきだろう、toikunも機会がある毎にこのT's Theaterで書き記したいが…。
Richard Alwyn(リチャード・アルウィン)とDavid Belton(デヴィッド・ベルトン)の原案を「メンフィス・ベル」や「ジャッカル」のマイケル・ケイトン=ジョーンズが映画化した“事実に基づいた”作品。と言っても何度もT's Theaterで述べている事だが“本当の真実はソコにいた人でなければ分からない”。本作はエンドロールの前に出てくるが虐殺を生きのびた多くの人たちが参加している。
キャストを。
・神父に扮するは「ミッドナイト・エクスプレス」と「エレファント・マン」で2度アカデミー賞にノミネートしているジョン・ハート。「ハリー・ポッターと賢者の石」とナレーションを務めた「パフューム ある人殺しの物語」をレビューしている。
・ケイトン=ジョーンズ監督の「氷の微笑2」にも出演するヒュー・ダンシーが青年ジョーを演じている。彼の妻は「レインメーカー」などのクレア・デインズ。本作ではダンシーを主演とすべきであろう。
・生徒マリーを演じたクレア=ホープ・アシティも主演とすべきか。彼女は他に「トゥモロー・ワールド」という出演作品も。
・無力さを痛感している大尉を好演するドミニク・ホルヴィッツは「スターリングラード」など。
・BBSのリポーターとして登場するのは「フォー・ウェディング」のニコラ・ウォーカー。とても強く感じる顔立ちが本作で演じる女性の無念さを際立たせている。
さて。
本作を“求めた”一番のきっかけは「ホテル・ルワンダ」を観てルワンダ虐殺を映画で知りたいと思ったから。遠因としては「太陽と月に背いて」でアルチュール・ランボー、「アガサ 愛の失踪事件」でアガサ・クリスティ、「エレン・ターナン~ディケンズに愛された女~」でチャールズ・ディケンズ…という実在の人物を描いた作品を観てきて“ノンフィクション”を観たかったから。
同じ虐殺を扱っているので「ホテル・ルワンダ」と同じ悲劇であり要点は同じ。違いは「ホテル・ルワンダ」は主人公が現地民のフツ族のホテルマンであるところであり視点が違っている。だがそのホテルマンを演じたのが同作の演技でアカデミー主演男優賞にノミネートしたドン・チードルなのだがチードルはアメリカ人俳優だしWikiPediaには“南アフリカの俳優を使って南アフリカで撮影”とある。対して本作はルワンダで撮影してエンドロール前に虐殺から逃れた人が携わっていると書かれる。これを観ちゃったせいか最後の最後でリアリティは本作に軍配を上げたくなった。おかしいと言われるかも知れないが。
映画として撮影手法など脚本のココが一筆だのは本作では感じなかった。その分淡々と描かれる事実に引き込まれ涙した。
前年に再レビューした「ラストキング・オブ・スコットランド」はウガンダの事実が描かれるが若手医師を演じたジェームズ・マカヴォイと本作のヒュー・ダンシーが同じ白人俳優という事もあり重なった。
何か本作を観た以上はT's Theaterで言っていかなきゃって思ったんだ。“政治的主張と野球の好きなチームの話はしないほうがよい”とあるので少しだけ。
小学生の子供たち、多分5年生以上に良いペアレントガイドが出来るのなら学校で見せるべき作品。toikunは小学生時代に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」とか「ホーム・アローン」を観てどれもオモシロかったが、どちらが為になるかと言えば断然本作。あの年代の子供たちに悪影響があったらいけないから本当に適切なアドバイスが必要だけど学校または家庭で観て欲しいな。
コレに付随して、もし子供たちに“何でこんなに国連軍は役に立ってないの?この時に日本人はどうしてたの?”なんて訪ねられた日には、ルワンダ虐殺当時小学生だったtoikunは何も言えない。そして“この言葉”で国連軍を批判的に扱う資格がある人は日本では少ないと思う。
批判を恐れています、行間をお読み下さい…。
2016/05/22
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
ホームページ
コメント:
(コメントをどうぞ。)
T's Theaterへのお問い合わせフォームはコチラ(別ページで開きます)