映画「太陽と月に背いて」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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1870年代のフランス・パリ。男性詩人の元に青年から手紙が届きそこには実に魅力的な詩が認められていた。青年を田舎から呼び寄せると何と16歳。詩人は金がなく妻の実家に居候。そこに青年を住まわすも天真爛漫な青年に惹かれ何時しか禁断の恋に落ちて家を出てしまう詩人。2人の恋の行く末は…!?
レオナルド・ディカプリオがまだアイドル俳優時代だった頃の映画。彼とデヴィッド・シューリスの“男同士”のラブシーンに当時衝撃を受けたファンは多いだろう。
実在の詩人アルチュール・ランボーとポール・ヴェルレーヌの半生を描くこの意欲作はラブシーンには現れない“愛”がある…。
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説明:
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ストーリー・ネタバレ
とある女性イザベル・ランボーが中年詩人ポール・ヴェルレーヌを訪ねた。彼女の兄アルチュール・ランボーは死んでしまい、彼の残した“詩”を引き取りたいとポールに告げた。これは詩人アルチュール・ランボーとポール・ヴェルレーヌの男同士の禁断の恋の物語…。
1870年代のフランス・パリ。
自身が革命に関して動いていたという過去を持つ詩人ポール・ヴェルレーヌ。気鋭の詩人として名を売っていたものの裕福なわけではなく仕方が無く妻マチルドの実家に居候していたポール。その実家は教会、義父フルヴィルは牧師(or 神父、カトリックかプロテスタントどちらかワカラン…)であり厳格、妻は身重。そんなポールに一通の手紙が届いた、魅力的な詩と共に。手紙には21歳とある、青年から。ポールはその青年アルチュール・ランボーをパリに呼び寄せた…。
アルチュールがポールの家、いやポールが居候している家にやってきた。彼の実家はシャルルヴィルにある片田舎。ポールとマチルドそして義母との食事もそこそこに、2人でバーに出かけたポールとアルチュール。妻マチルドとの愛について語るポールだったが、アルチュールは“愛なんてまやかしの代物”と言うのであった。
ポールはアルチュールを“この家”に泊めることにした。だが夜遅くに主人フルヴィルが帰ってくるとアルチュールがしでかしたことに怒った。そしてポールに対しても勝手に泊めたことを怒り、また働かないことにも文句を言った。そしてアルチュールを追い出したと言うことも…。ポールは血相を変えてアルチュールを探しに出て行った。
雨降る街角で傘もささずにベンチで佇むアルチュールを見つけたポール。彼らは留まるべき家を探してそこで暫し過ごすことにした。偶に家に帰るポールはアルチュールを馬鹿にされたことにより身重の妻を床に叩きのめしてしまう。部屋に来た義父母に怖い顔をされポールは家を出てきてしまった。
“素晴らしい詩人になる為に何事も経験したい…”そう語るアルチュールを詩人仲間との詩の発表会に連れ出すポール。2人してやって来るものの天才肌のアルチュールは発表された詩を酷評、挙げ句、テーブルに上って朗読した作者に小便をかけてしまった。最初は窘めていたポールであったがその天真爛漫さに大笑いをして見ているのであった。
ポールとアルチュール、2人は住処で語り合った。“お互いがお互いを吸収してどうでも良くなったら別れよう。”そして何度も唇を重ねるポールとアルチュールであった…。
身重だった妻マチルドには息子が生まれていた。帰り着いたポールは愛するマチルドの“身体”を抱こうとするが拒否をされてしまう…そして土足のまま寝てしまうポールにマチルドが思った事とは…。
久しぶりに田舎に帰ったアルチュール。家には父と母、そして妹イザベルがいる。彼らに自分の不確かな行く末を話すアルチュールであった。
ポールは酒に関しての問題を抱えていた。妻マチルドはそれを気にかけるもののポール自身は余り気にしていない様子。その酒に飲まれて妻の長くて綺麗な髪の毛を燃やしてしまうポールがいた。
店にいる2人。ポールは妻の身体を愛していると告げる。またアルチュールのことを愛しているとも言うポールに、何時ものように“愛などまやかし”の持論を説くアルチュール。また“悔いることならするな”とも、妻の髪の毛を燃やしたことを悔いるポールに言うのであった。その後、アルチュールはナイフでポールの掌に傷を付けた。家に帰った2人は身体を重ねるのであった。
ベルギー・ブリュッセルに向け旅に出た2人。アルチュールは生まれて初めて海を見て大はしゃぎ。抱き合いキスをするアルチュールとポールであった。
とある夜。寝ていたアルチュールを置いてポールは宿を出ると妻マチルドの滞在するホテルへやって来た。義母と一緒に来ているという。久しぶりに愛し合うポールとマチルド。だがアルチュールはポールの後をつけてきていたのだ。宿を出るマチルドにチョッカイを出そうとするアルチュールだが彼女はそそくさと外に出る。そして宿に入りポールと話すアルチュール。ポールはマチルドと内通していたのだ。その手紙を読まれ、ポールはパリに帰るとアルチュールに告げるのであった。
フランスとベルギーの国境。列車を乗り換えなければならない。そこでパリとは逆の列車にアルチュールと乗りマチルドと義母を置いてけぼりにしてしまうポールがいた。
ポールとアルチュールの旅。船に乗り見えたのはグレートブリテン島、イギリスであった。
数ヶ月後のイギリス・ロンドン。詩を書くアルチュール・ランボー。詩がそうそう金になるでもなく2人は貧乏。働こうと言うポールに対してそれを拒絶するアルチュールがいた。アルチュールにはマチルドの弁護士から手紙が来ていた。その手紙には“ポールのアルチュールとの不貞を理由とする離婚の申し出”が書かれていた。
この頃、アルチュールはスランプに陥っていた。詩が書けない…幾分かアルチュールの気持ちはおかしなものになっていて、それがポールとの関係に悪影響を与えたのかも知れない。かつてはただ天真爛漫さから来る無邪気な言葉だと思っていたアルチュールの言葉に棘を感じるポール。そして魚を買ってきた姿をアルチュールに大笑いされたポールは大層怒りアルチュールから逃げ出した。心配になり追いかけるアルチュールが見たのはボートに乗りイギリスを離れようとするポール。アルチュールは泣き叫び謝るがその声は届…。
ベルギー・ブリュッセルで再び会うアルチュールとポール。今まで2年以上を過ごしてきた2人。ポールは街で拳銃を手に入れていた。話し合う…罵り合う2人。いや罵っているのはアルチュール、ポールは2人の関係を今までのように戻そうと…。だがアルチュールは“別れる”という言葉を口にする。ポールは拳銃をアルチュールの掲げる掌に向けて撃った!突き抜けずにアルチュールの左掌に留まった弾丸。
アルチュールは病院で治療となり、この“事件”のせいでポールは警察に捕まった。この当時、男同士が身体の関係を持つことは犯罪。“男色行為”によりポールは禁固2年を言い渡されるのであった。
この“2年間”。ポールは獄中でアルチュールの事を思ったのか…またアルチュールは何をか思い創作活動にふけった…。
結末・ラスト
そして2年後のドイツ・シュヴァルツヴァルトで再会したポールとアルチュール。変わらぬ愛を誓うポールの元を去ったアルチュールであった。
一人であての無い旅と旅先での滞在を続けるアルチュール。途中、足に怪我を追う。それが原因か辿り着き10年滞在したアビシニアで骨肉腫にかかったアルチュール。マルセイユの病院に行き右脚を手術で切り落とされてしまう。その後生家に辿り着いたアルチュールは妄想に襲われ、妹イザベルと生家を離れた後でその生涯に幕を下ろしたのだ…。
…ポール・ヴェルレーヌと会うイザベル・ランボー。イザベルは是非とも詩を送るようにとポールに告げてその場を後にした。そして酒場でポールがアブサンを酌み交わした相手は若き日の幻のアルチュール。アルチュールは“永遠”と“太陽を溶かし込んだ海”を見つけたという…。
レビュー・感想・解説・評価
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「僕を愛したふたつの国/ヨーロッパ ヨーロッパ」でアカデミー脚色賞にノミネートされる等、監督・脚本で自身の撮りたい映画に精力を傾けるアニエスカ・ホランドが描く男性同士の禁断のラブストーリー。
クリストファー・ハンプトンの同名小説及び戯曲をハンプトン自身が映画に向けて脚本を書いている。
以下、キャストうおう…。
・実在の天才詩人アルチュール・ランボーを演じるのは今やハリウッドの大スターレオナルド・ディカプリオ。今作の“前”では「ギルバート・グレイプ」でオスカー助演賞にノミネート、“後”では「アビエイター」、「ブラッド・ダイヤモンド」で、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」、「レヴェナント:蘇えりし者」でアカデミー主演男優賞にノミネート。製作も兼ねた「ウルフ・オブ・ウォールストリート」はアカデミー作品賞にもノミネートした。現在の所T's Theaterでは「クリッター3」(おバカ)、前述「ギルバート・グレイプ」、「ザ・ビーチ」(「トレインスポッティング」のダニー・ボイルの描く素晴らしいスリラー)、「あのころ僕らは」(意欲作)、「ギャング・オブ・ニューヨーク」(ダニエル・デイ=ルイスが素晴らしい!)をレビューしている。(ハァ、いい加減出演作を簡単に記述する方法を編み出したい…。)
・これまた実在の詩人ポール・ヴェルレーヌを演じるのは後にジャンジャン、ハリウッドメジャー作品にも出演するようになる英国人俳優デヴィッド・シューリス。“ウチ”では「D.N.A」(SF!)、「REDリターンズ」(老人たちのスゴいアクション)など。
・ポール・ヴェルレーヌの若き妻を演じるのはフランス人女優ロマーヌ・ボーランジェ。「百一夜」など。豊満な胸など美しいその姿を魅せてくれる。
・“年を取った方の”アルチュール・ランボーの妹を演じるのはフランス人女優ドミニク・ブラン。今作の前年製作「王妃マルゴ」でイザベル・アジャーニ演じる王妃の友人役であった。同作はとても大がかりであり見ていてそれが気持ち良い。
・なお今作の脚本家クリストファー・ハンプトンが判事として80分過ぎくらいに登場している。
はひゃーん。
toikunは工学部出身であり文学部じゃあないので今作の登場人物など知らない。それでも世界史でランボーってのは習った覚えがあるので知らないと言えば嘘になるか。WikiPediaを参照すると大体今作に描かれていることは“事実”であるようだ。
映画としての見所は当時の美形レオナルド・ディカプリオと男優デヴィッド・シューリスとのキスシーン及び身体を重ねるシーン…と言ってしまったら語弊がある?それ目当てでご覧になるファンは多いかと思われますが…ってか大部分じゃない!?…それでも文学作品として高次元なレベルにあると感じたtoikunは高い評価を付けた。きっと下心満載でご覧になった方も出来映えに舌を巻いたことであろう。
“変な見方”として“フランス人なのに英語…”って言ってしまって「レッド・オクトーバーを追え!」ヨロシクみたいな…って言って間違えたらアレですが、英語は変だよね!?ディカ君フラ語、書いてるし。ジュ・ヌ・コンプロンパ!
どちらの詩人も男性と女性両方イケるようで…何て下世話な話しはココまでにします。
劇中、妙に端折った所があり上のストーリー記述は間違いがありましょう。その端折った所を2~3分でも繋げてくれたら物語として分かりやすかったように思われますが如何でしょうか?
ドミニク・ブラン(1959年生まれ)がレオナルド・ディカプリオ(1974年生まれ)の妹役…っていう違和感を感じたらアレですし、当時20歳くらいのディカ君の14~15年以上の“変化”、違和感アリアリですが致し方ない所です。
「白い肌の異常な夜」はレイテッドRで男女のシーン、女性同士のキスシーンもありチョット性的にダメだったtoikun。スタンリー・キューブリックの遺作「アイズ・ワイド・シャット」も…だった。レビューはしていないが「ショーガール」は論外だったtoikun。でもね、今作は“綺麗”と感じてしまったのだ。
原題『Total Eclipse』は“皆既食”の意。誰もが思いつきそうな意味として“アルチュール・ランボー=太陽”、“ポール・ヴェルレーヌ=月”、互いが互いを完全に隠しちゃえるくらい大きな存在、そして正反対。
実在のアーティスト、芸術家…彼らを描いた作品にハマっているtoikun。「エレン・ターナン~ディケンズに愛された女~」のチャールズ・ディケンズは小説家、「アガサ 愛の失踪事件」のアガサ・クリスティはミステリー作家、本作のアルチュール・ランボーは詩人。どれも大層オモシロイ。
今作のレビュー、toikunと同じ大学、文学部だった女性に捧げます。彼女はtoikunの“大学時代の一目惚れ”。あぁシェイクスピア悲劇「英雄の証明」のレビューにも同じ事書きました。一生貴女がソレとして意識して見ることはないでしょうがね。FOREVER MINE!
「スカーレット・レター」をリレビューして思うところがあり、本作をご覧になり、“不倫という許されない“コト”がありながらも純愛に走った2人の物語”に共感された方にオススメします…フィクションだけれども…。
・1995年の「スカーレット・レター」。ナサニエル・ホーソーンの名文学作品『緋文字』を映画化した男女のフィクションの純愛映画。評価は最低映画賞ラジー賞の受賞・ノミネート多数…。リレビューして評価が5点→8点に上がったのは主演デミムーのイメージがtoikunの中でよいモノに変わっただけではない。
・「ピアノ・レッスン」。原作はないがアカデミー賞を複数部門で受賞、作品賞にもノミネートした事により?その評価の為かノベライズ化までされている。
本作「太陽と月に背いて」と同じ所はコスプレもの、つまり時代劇。どれも90年代の作品。3作品の舞台はヨーロッパ、アメリカ、ニュージーランドと異なっている…とまぁ特徴でしたが。是非レンタル店で手に取ってみよう!!!
2016/01/30
2016/05/17
2016/06/26
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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