映画「神様メール」あらすじ,ネタバレ,レビュー

レビュー･感想･解説･評価

監督としての長編デビュー作「トト・ザ・ヒーロー」でカンヌ国際映画祭カメラ・ドールを受賞するなど一躍脚光を浴びたジャコ・ヴァン・ドルマル監督によるファンタジックコメディ。第73回ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞にノミネートするなど各国の映画賞で受賞・ノミネートを果たしている。ドルマル監督は脚本も担当しているがインタビューによれば“共同脚本家が神様はブリュッセルに住んでいると思いついた。僕が神様に娘がいるとアイディアを出した”と語っている。

「トト・ザ・ヒーロー」、「八日目」ではドルマル監督の兄ピエール・ヴァン・ドルマルが撮影監督として名を連ね、その「八日目」では監督の娘アリス・ヴァン・ドルマルとジュリエット・ヴァン・ドルマルが出演している。そして本作では監督自身が…(後述)。

監督のその他の作品として「ミスター・ノーバディ」というSF映画があり同作でもカメオ出演するドルマル監督。

As always(フランス語では何と言う？)、キャストを紹介します♪まずは神様一家！

・“神様の娘は無名！”、ソ・ン・ナ神様の娘エアを演じるのは本作が映画出演3作品目となるピリ・グロワーヌ。「サンドラの週末」が映画デビュー作というピリ。今度レンタル屋さんで手に取ってみようっと！本作をご覧になるときっと他の出演作も見たくなりますよ！

・実に人間くさい神様…と言ってしまっては“男として嫌”ですが家庭内暴力＋人間達への暴力を振るう神様にブノワ・ポールヴールド。「ココ・アヴァン・シャネル」、「チャップリンからの贈りもの」、「ありふれた事件」など幅広く活躍するベルギー人俳優だ。“未来・過去は別にして”「ありふれた事件」の横暴な殺人犯が横暴な神様になりました！なんてイメージを思い浮かべると大変面白い。

・ママの女神様、見ていると暴力を振るわれまくって(特に言葉の暴力！)可哀想になってきますが演じるのは『Quand la mer monte...(原題)』、「セラフィーヌの庭」で二度セザール賞に輝いた女優ヨランド・モロー。2016年秋に「シークレット・オブ・モンスター」が公開。家政婦として登場するヨランドの一言でもまた激情が凍りつくサイコ・スリラー。皆さんが女神に何を求めるか、toikunが求めたモノはありませんでしたが、結果はそれ以上！想像できない事をしてくれています。

それではエア(＝ピリ・グロワーヌ)に導かれる(？)人間達を演じるキャストを！

・夫との結婚生活も長くなって気持ちは離れ…そんな主婦を演じるのは名女優カトリーヌ・ドヌーヴ。「インドシナ」でアカデミー主演女優賞にノミネートするなど様々な賞レースでの受賞・ノミネート歴には枚挙に暇がない。レオナルド・ディカプリオも出演している「百一夜」、「ポーラX」、「8人の女たち」でtoikunは彼女を見ました。そのウチにレビューします！

・余命54日と知らされて女の子として生きようと決めたコミカルな設定の、そして可哀想な設定の男の子ウィリーを演じるのは本作が映画デビュー作のロマン・ジェラン。このページにエアとウィリーのキス直前シーン画像を載せましたが結末はどうなるでしょうか？そしてウィリー少年の余命は…？

・他、使徒となる人間を演じるのは、スナイパーのフランソワにフランソワ・ダミアン(「その男ヴァン・ダム」、「ハートブレイカー」)、冒険家→会社員→ベンチに座る事を決意した男性ジャン＝クロードにディディエ・ドゥ・ネック(「トト・ザ・ヒーロー」、「八日目」)、左腕のない美女オーレリーにローラ・ヴェルリンデン(「ハンドルネームはベンX」、「ロフト.」)、セックス依存症の男性マルクにセルジュ・ラリヴィエール(「ミスター・ノーバディ」(チョイ役)、「シェフ！～三ツ星レストランの舞台裏へようこそ～」)。

・そしてエアに巻き込まれてしまうけれども…なホームレス男性ヴィクトールにマルコ・ロレンツィーニ(「ドルフ・ラングレン in レトログレイド2204」、アニメ映画「ルネッサンス」)。

・なお、ドルマル監督がiPhone手に持って車を運転しています。みなさんはそんなコトしちゃダメですよ！

5月27日公開まで後2ヶ月！ネタバレになってしまうのでレビューは限定的な表現にとどめますが、toikunは10点満点をつけました！これは何の誇張もありません、正直な感想。

キャラクターの人間性に惹かれるんです、特に神様＝ブノワ・ポールヴールドの。“神様の人間性”と言ってしまうと変ですが…。神様は一般的(？)なオヤジであってタバコとお酒が好き、テレビつけっ放しでソファーでイビキかいて寝る。奥さんが一番嫌う事ですよね！劇中に“神様は自分に似た人間を造った”と出てきます。となると神様が人間臭いのではなく寧ろ我々が神様臭いのでしょうか？そんな普通に神様臭い人間は超常現象を使えないので、人間臭い神様も使えま…！？

神様ポールヴールドが暴れる様は「13日の金曜日」のジェイソンか、「シャイニング」の主人公を演じたジャック・ニコルソンです、スプラッター映画！！！娘エアへの暴力…ってか放り投げちゃうのが面白いです。語弊を招きそうな表現ですが(苦笑)

“映画への愛”も多く描かれます。その中でピックアップするとジャン＝クロード・ヴァン・ダムはベルギー人俳優です。toikunは90年代に映画に目覚めてヴァン・ダムの作品も観まくりました。劇中で挙がる「ユニバーサル・ソルジャー」と「ダブル・インパクト」はモチロン。現状レビュー作は「サドン・デス」しかないのが悲しいですが、もし本作で気になったのなら「その男ヴァン・ダム」をご覧下さい。原題は『JCVD』、正にJean-Claude Van Damme。非常に面白いコメディ、製作されている事を知って“凄い観たい！”と思って鑑賞して大満足でした。

本作はフランス、ベルギー、ルクセンブルク合作映画。ベルギー人監督ジャコ・ヴァン・ドルマルのベルギー人俳優ジャン＝クロード・ヴァン・ダムに対する愛ですよね！嬉しくなっちゃいますネ☆

大学でフランス語は受講しましたが全く聞き取れないtoikunですが確かにイエス・キリストの事を“JC”と言っている模様…間違っていたら済みません。もし本作を翻訳された松浦美奈さんにお目にかかる事があったら“JC”に何か他の意味合いを込めたかどうか、聞いてみたいモノですが…。

蛇足となります。パンフレットには後援としてベルギー王国大使館と書かれています。先日、ベルギー国内での卑劣なテロに関しての報道が日本でも駆け巡りました。許されません。そのベルギーの首都ブリュッセルが本作の舞台です。

なお、公式サイトには年齢制限は書かれていませんので子供さんでも見られますが、映画には胸をはだけるシーンや黒モザイクで局部が隠されるシーンが出てきますので、お子さんと行かれる場合は適切なアドバイスをして頂けたらと思います。どぎついシーンはありませんがストリップ小屋のシーンが出てきます。

公式サイトはコチラから。

劇場公開は5月27日(金)より。TOHOシネマズ シャンテ他、全国で公開されます。5月と言えばもう暑い陽気でしょうが劇場に足を運んで更に暖かくなりましょう！そしてこのページで「神様メール」を観たいと思ったら、また劇場で観て面白かったら#神様メールというハッシュタグを付けてTwitterで呟いて映画を応援して下さい！

「トト・ザ・ヒーロー」はドラマとコメディのバランスが取れた良作品でした。本作はコメディ色がとてもとても強いですが本当に傑作！

シツコイようですが、エンドロールが流れきるまで席を立たずにご覧下さいね！

2016/03/25

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by toikun.