映画「天国の約束」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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イタリア系の12歳の少年は街に映画館が出来て大はしゃぎ。開館セールで25セントで入館できるが父は鬼籍で家は生活保護。映画を見る為に25セントを稼ごうとするが…。
アル・パチーノ、メアリー・エリザベス・マストラントニオが助演に回った単館系佳作。
「ニュー・シネマ・パラダイス」をリスペクトしたような描写に“ノスタルジック'69”…←LOVE PSYCHEDELICOの歌の題名…。
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説明:
ストーリー・ネタバレ
アメリカ、南部フィラデルフィア。イタリア系移民が息づく街。大恐慌の最中だ。
今日は1933年8月26日、土曜日。街に映画館“ラ・パロマ”が開館する日だ。キャンペーンカーが“午後6時までは25セント”と伝えていた。
それを聞いた少年ジェンナーロ・スピリト。彼は名字を“スピリット(=精神)”とよくからかわれる。父は鬼籍で母ルイザは生活に困り家は生活保護を受けている。そして祖父のガエタノはそれはもう衰えて、毎日“今日死ぬ”と言う日々。ジェンナーロに対して“死んだら25セントをやる”と言うがジェンナーロはゲンナリだ。
少年ジェンナーロにはトゥリオというお友達がいた。彼らは教会での“些細なケンカ”を見て楽しむことが“遊び”。みな、お金が無かった。
ジェンナーロはラ・パロマに行きたかった。だから25セントを稼ごうとした、勿論母には頼めない。
物乞いのように歌を歌って3セントを貰う。
有り金:3セント
偶々見ていた叔母さんに取り上げられた。
有り金:0セント
そこでジェンナーロは食料品店に来た。店主から5セントを貰って生活保護チケットのない女性を家まで送り届けるように言われた。彼女は万引きをして走り去ったが5セントは貰った。
有り金:5セント
次に祖父ガエタノの主治医であるブルーナ先生に会ったジェンナーロ。10セントを貰って先生の家に言って灰の片付けを頼まれた。
有り金:15セント
先生の家には奥さんがいた。奥さんは先生が触れてくれない事=夜を求められない事をジェンナーロに不満げに語った。だけどジェンナーロには時間が無い。25セントで映画を見られるのは6時の回までだ。奥さんを邪険にすると奥さんは殴って、“誘って”きた。ジェンナーロは逃げ出した。
家に帰ると祖父ガエタノはいつも通り“死ぬ死ぬ”と言っていた。だが今日は話しを聞く事を条件に母ルイザから10セントを貰える。話しを聞くジェンナーロは祖父から思いがけない告白を聞く。ガエタノは“自身の初めて”がグエンドリーナという女性とだった。それはジェンナーロにとっての祖母と結婚直前。ガエタノは妻が初めての相手では無かった事とグエンドリーナを半ば騙した事を悔いていた。そしてジェンナーロに“会って謝って欲しい”と頼み彼女の住所を伝えた。
グエンドリーナの家。家には彼女の旦那や息子等家族がいた。ジェンナーロは“ガエタノ”の名前を告げた。食事の介添えを受ける程の状態グエンドリーナはジェンナーロに介添えを頼み、またキスまでも頼んだ。そうすれば祖父は赦される。…祖父は赦された。
家に帰り祖父ガエタノに伝えると共に母ルイザから10セントを貰った。
有り金:25セント
ジェンナーロはラ・パロマに急いだ!だが時既に6時4分。受付嬢に入場を断られた…。
季節は暑い暑い夏である。暗くなるまで街を彷徨うジェンナーロ。
結末・ラスト
家に帰ると何か様子がおかしい。叔父さんと叔母さんまで来ている。祖父ガエタノの状態が“いよいよ”だったのだ。ガエタノはジェンナーロに話しを聞いていて欲しいと頼んだ。何度か意識を…その度にジェンナーロは祖父を揺り動かす。だが祖父は逝った…。彼の手からこぼれたのは25セント硬貨。映画に行けなかったジェンナーロに対して、この25セントを足して深夜の回に行くように言っていたのだ。ジェンナーロは25セント硬貨を拾った。
有り金:50セント
深夜0時。日付は27日になっていた。ジェンナーロはラ・パロマに行き映画を見るのだった。
ジェンナーロが祖父と交わした“最期の約束”=“求めろ”の意味を知るのは、きっと大人になった時…。
レビュー・感想・解説・評価
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「ロンリー・ブラッド」や「フーズ・ザット・ガール」、「摩天楼を夢みて」、後の「パーフェクト・ストレンジャー」などのメガホンをとるジェームズ・フォーリーが糸を紡いで反物にしたヒューマンドラマの佳作。
トップクレジットであり主演となる少年を演じるのはジェリー・バローン。
フォーリーと「摩天楼を夢みて」で手を組み同作でアカデミー助演男優賞にノミネート、そして同年の「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」でもオスカー主演賞ノミネート、念願の初オスカーを手にしたアル・パチーノ。
少年の母親を演じたのは「訴訟」、「隣人」等のメアリー・エリザベス・マストラントニオ。彼女は「ハスラー2」でアカデミー助演女優賞にノミネートしており「スカーフェイス」でパチーノと共演している。同作は彼女の事実上のデビュー作だ。
なお、ジャンナーロ少年が大人として“語って”いるが、声をあてるのはこれまたtoikunが大好きなアレック・ボールドウィンである。アレックは「摩天楼を夢みて」で目も充てられない役ながら監督そしてパチーノと共演している。
冒頭のイントロダクションに「ニュー・シネマ・パラダイス」を挙げた。少年という事、映画が好きであるなどピッタリ。あぁ同作はイタリア映画だったな…。フォーリーが同作を意識していたかどうかは分からないが映画への愛を感じる作品に仕上がっている。
キャストとしての有名人はパチーノとメアリーだけ。それをイタリア系と思われる俳優たちが盛り上げる。パチーノもイタリア系移民の子供である。多分に民族にフォーカスをあてる。それが良かったかどうかを思うと今作を見ればお分かりであろう。
完璧な助演であるパチーノ。彼の“宙を見る”演技が今作でも見られる。それは盲目の元軍人を演じた「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」で顕著だった。盲目なのだから当然焦点は合わないのであるが。でもその“宙を見る”演技が光る。
何か後の戦争ものではあるが「ライフ・イズ・ビューティフル」にも続く陽気さがある。同作もイタリア映画だが、少しだけ人生を映画と歩んできたtoikunはイタリア=陽気というイメージがある。
単館系であり金がかかっていない作品。それでもこれだけ楽しめるのである。先日レビューした「月のひつじ」を思い出し、低予算映画バンザイ!
と共に先日やっとT's Theaterにレビューする事が出来た「訣別の街」にtoikunの座右の銘があるので未見の方は是非ご覧になって欲しい。
なお原題の『TOW BITS』、ケヴィン・コスナー監督・出演の「ワイルド・レンジ 最後の銃撃」でも出てきた“単位”。コレって原題のアメリカで使うのかな?“~グラン”とか良く耳にするけど…と変な映画で英語…。
2015/11/03
2016/01/04
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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