映画「ボーイズ'ン・ザ・フッド」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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トレはアメリカ、ロサンゼルスの犯罪多発地帯に住む。彼は父親の教育のおかげで好青年に育った。しかし、周りの環境は最悪そのもの。麻薬や、銃がはびこっている。そんな状況の中でも親友のリッキーと仲良く過ごす。
何とかそれなりに平和にやっていたのだが運命は過酷だった。リッキーの身に…。
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説明:
ストーリー・ネタバレ
(オープニング)アメリカで黒人男性が殺される確率は20人に1人という。そして彼らに手を下すのは、大半が同じ黒人男性だということだ。
1984年、アメリカ、ロサンゼルスのサウス・セントラル地区。黒人たちが多く居住し、治安の良くないこの地区に、10歳の少年トレ・スタイルズが住んでいた。トレは、修士生として学んでいる母親リーヴァと共に住んでいて、父親のフューリアスとリーヴァは離婚したのかは分からないが別居していた。
毎晩銃声が聞こえるようなこの地区で、帰宅をすれば学校の宿題をして朝には登校の日々を送るトレたち子供たち。
彼らが登校途中、リッキーが“良いものが見たいか?”と言ったために皆で付いていくと、ロナルド・レーガンのポスターにぶち込まれた銃弾と、既に跡形もなくなった死体の後があったのだ。これがこのサウス・セントラルの日常だ。
学校に着くと、白人の歴史の教師が丁寧に教えるモノの、トレはちょっかいばかりを出す。そして、教師の代わりに授業をすると言うと、人間の祖先はアフリカから産まれたと皆に教えた。そのことは尊敬する父親が教えてくれたことだったからだ。それを馬鹿にする友人がいると思わず喧嘩になってしまうのであった。
教師からトレの母親リーヴァに電話があり、“かっとなってしまうところがある”と言われる母親。以前、母親と、友人たちとはケンカをしないという約束をしていたトレは、母親と離れて、父親フューリアスと住むことになった。
トレが父親の家で連むのは親友のリッキー、リッキーの腹違いの兄ダウボーイ、そしてトレが密かに思いを寄せるブランディたちだ。
フューリアスやトレが寝静まったある夜、家に泥棒が侵入してきた。それに気付いたフューリアス。こう言う言い方をするのもアレだが、フューリアスには泥棒が黒人だと分かっていた。銃を手にすると静かに泥棒に近づき発砲した。丁度トイレに起きていたトレは呆気にとられていた。銃弾は靴に命中していたが、“運の良いやつだ”と話すフューリアスは、きっと殺さないために足を狙ったのであろう。“殺せば良かった”という息子を咎める父親だった。
警察への通報から1時間が経ってやっとやって来た警官。黒人と白人のコンビだったが、黒人警官は“殺ってれば厄介なニガーが死んだものを”と汚いセリフを吐いた。同じ黒人として嫌気がさしたフューリアスだった。
翌朝、トレがリッキーやダウボーイの家に遊びに来た。向かいに入れた母親はフューリアスと違って子供たちに教育をしようとはしないのだ。だが、自分が産んだ子供であるリッキーへの扱いはダウボーイとは違って優しく接するという親にあるまじき人物であった。
トレ、リッキーたち4人はラグビーボールを持ってストリートに遊びに行った。すると、そこを根城とする青年ギャング団と出くわし、案の定、ボールを取られてしまったのだ。返せと反抗すると痛めつけられるダウボーイ。このままボールは返らないのか?いや、ちがった。トレのギャング団の見る目がひと味違ったのだ。それに何かを感じた彼らはボールをトレたちに帰すのだった。
トレとフューリアスの親子団欒の帰り、車に乗った彼らが見たのはダウボーイや友人が警察に連行されるところだった。どうも盗みを働いたらしいのだ。こんな言葉を言ってしまっては何だが、あの親にして、この子か…。
それから7年後の1991年。
ダウボーイの出所祝いのパーティが開かれていた。リッキーには彼女との間に男の子が産まれていた。そこへトレがやって来た。ダウボーイの母親に頼まれて、彼に軽く説教をするトレ。それを遠くで見ていた女子たちがいた。トレが余りにも活かしているので誰の彼女かを当てていたら、ブランディは怒ったのだった。
そうこうしているウチにブランディが行ってしまうと、トレは彼女を追いかけてパーティ会場を出た。途中、道の真ん中を歩いている少女が車に轢かれそうになるのを助けて、少女の母親に説教をする、これは確実に父親フューリアスの良い影響がしているのであろう。だがその後、ある車が洗われるとトレに散弾銃を突きつけて、脅しをかけて行ってしまった。今も昔も変わらないサウス・セントラル地区。
家に帰ったトレが、フューリアスにパーティの土産を持ってきた。そして伸びた髪の毛を切るように頼んだが、その会話の最中にトレは初めて父親に嘘をついた。もうセックスの経験があると。嘘だと知らないフューリアスはコンドームを付けろときつく叱った。
その後、トレの車にリッキーが乗り込み出掛けることになった。トレは、先の父親への嘘のことを告白したのだ。トレの恋人であるブランディは年を取っても、コンドームを付けてもセックスをやらしてくれないという。それ以上に、トレは父親になることが怖いのだという。大笑いするリッキー。話しは変わって、リッキーに、大学からアメフトのスカウトの話しが来たという。
高校のアメフトで大学に向けての練習の日々のリッキー、“カトリック教徒だから結婚するまではセックスをしたくない”というブランディを何とか説得したいトレ、相変わらずやんちゃをやっているダウボーイ、皆人それぞれだ。
ある晩、リッキーに目をつけた大学のスカウトのクランプがリッキーの家へとやって来た。過去のリッキーのハイスピードのランニングを褒めるクランプ。クランプは何としてでも自分の大学にリッキーを入れたいものの、スカウトした選手が全て活躍できる程大学のアメフト界は甘くはない。そこで、リッキーが活躍できなかった時のために、彼の勉強の出来具合を聞いた。リッキーは、将来はトレと経営学を学びたいと答えた。
アメフトでは超高校級でも、リッキーは学力が付いていない。10点満点にして6点と言ったところだ。その為、クランプは次のテストで結果を示して欲しいと話した。10月の進学テストで、1600点満点中700点という課題…。
この話題の時、丁度赤子が部屋に入ってきた。弟か?と尋ねるクランプだが、“息子です。”と正直に答えたリッキー。幼い赤子のためにもどうしても大学に進学してアメフトで活躍して、将来はプロとならなければならないリッキー。スカウトが帰った後、リッキーの母親は“お前だけは一人前になると思っていた”と語ったが、それが母親の言葉として正しいかどうかは論じるものでも無いだろう。
そして肝心のリッキーの進学学力テストが始まった。親友のトレや他の学生たちも勿論テストを受けたのだが、彼らのテスト結果は…!?
ある日、フューリアスが社会見学と称して、トレとリッキーを、空き地へと連れてきた。この空き地は売り地なのだが、やってきた老人が言うには、“ここの土地の値段を下げているのはいかがわしい若者たちだよ”と話した。そしてまたフューリアスも、白人の住む土地と、黒人の住む土地の違いを話し、トレとリッキーに“黒人と白人の根本たる差”を教え付けるのであった。
またある晩、トレやリッキー、ダウボーイたちが車で街を徘徊していると、ギャング団と喧嘩になった。ダウボーイはこんなことをしても意味が無いと去る者の、ギャング団たちはマシンガンを持ち出してぶっ放した!トレたちも含め、一目散に退散をするその場にいた黒人たち。だが、トレとリッキーが乗る車がパトカーに止められた。そして黒人の警官が例の発砲事件をトレのせいではないかと決めつけ、喉元に拳銃を突きつけたのだ。
何とかこの場は収まったものの、トレはブランディの家に行くと、怒りをあらわにし、涙まで見せるのであった。トレの偽りのない心境を知ったブランディは、この晩、初めてトレと身体を重ねるのであった。
フューリアスとリーヴァがレストランで会食を持った。話題はトレとブランディの同棲に関してだ。リーヴァはまだ同棲に早いと消極的以前に否定的だが、フューリアスは、トレと暮らしてきて、息子が大人として責任を果たせると感じていたので同棲に賛成をした。結局は、2人の意見は一致することはなかった。
昼間、リッキーたちの家の前。とあるギャング団がダウボーイたちを見ていたが、ダウボーイが追い払った。家の中にいたリッキーはテレビCMで流れた従軍のCMを見て、心に何か思ったらしい。ダウボーイと兄弟ゲンカをした後に買い物に出掛けたリッキー。丁度直ぐ後に、リッキー宛てに試験結果の郵便通知が届いた。
トレと道で会ったリッキーは、CMに感化されて“軍隊に入りたい”と話した。だがトレは、従軍経験のある父親フューリアスから、“黒人が兵隊になるものではない”と言われていたので当然反対をした。
トレとリッキーの買い物が終わり、外に出ると、ダウボーイたちを見ていたギャング団たちと遭遇してしまった。車の無い2人は家々の隙間をぬって逃げ出していく!銃声に気付いたダウボーイたちはギャング団を追い返そうと車を走らせる。一方、トレとリッキーは、このまま2人でいては同時に殺られてしまうと別行動を取ることにした。
離れた道を行くトレとリッキー。だがトレが振り返るとリッキーの後ろにはギャング団の車がいて拳銃を構えていた!逃げるリッキー!叫んでリッキーの方に向かうトレ!!!だが、ギャング団の拳銃によりリッキーは背後から何発もの銃弾を浴びて倒れてしまった…。
ダウボーイたちが駆け付けるも、既にリッキーの命の灯火は消えていた…。リッキーを家に連れ帰るダウボーイたち。リッキーの母親は取り乱し、こうまで叫んだ。“ダウボーイ、お前がリッキーを殺したのよ!”
トレは自宅へと戻ると拳銃を身につけた。父親フューリアスは“仇を討つならオレを殺してから行け!”と話す。すると、トレは泣きながら拳銃を父親に差し出すのであった。だがブランディがやって来た時フューリアスが目を離した瞬間に、トレはダウボーイたちの車に乗って行ってしまった!
結末・ラスト
ダウボーイはライフル銃のような大きな銃で武装…だがある程度車が走ったところでトレは車を降りると言ったのだ。そのままトレを降ろしたダウボーイは彼の事を考えてのことだったのだろう。
リッキーの家では、母親がテスト結果が1600満点中710点という合格点を見て涙を流していた…。
街を走るダウボーイたちはリッキーを殺したギャング団を見つけると制裁を加えた、それ勿論、“死”…。家に戻ったトレが何も手を下さなかったことを悟ったフューリアスだった。
翌朝。珍しく早起きをしたダウボーイがトレと話し込んだ。“車を降りたのは正解だった。一生後悔しただろう。”トレは、唯一の弟を失ったダウボーイにこう言った、“まだ弟(自分)がいるさ”…。
翌日のリッキーの葬式にダウボーイは参列した。だがしかし、2週間後には彼が殺されるのであった。
秋にはトレはジョージア州の黒人大学へ進学したという。そしてまた、彼女であるブランディも近くの女子大へと進学を果たした。
INCREASE THE PEACE(平和を広めよう)
レビュー・感想・解説・評価
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19年ぶりの鑑賞。もう一度観ようと思った理由は、後の「ザ・エージェント」でオスカーを受賞したキューバ・グッティング・ジュニアだが、近年、「グローリー/明日への行進」で弁護士役だったかでチョイ役ながら良い役だったし、本作のリッキーを演じたモリス・チェストナットが気になっていて、最初に気になったのが「暴走特急」でセガールの娘役として今はスター女優のキャサリン・ハイグルにボコボコにされちゃったのを覚えていて、それからチェストナットを観る機会は多分なかったのだが、近年の「タイム・トゥ・ラン」という中々の秀作に出ていて、彼にも興味を持ったから、チェストナットの過去作を把握しようと思って手に取ってみた。
まずは1998年の、チャッチイ映画レビューを。
ロスの黒人居住地域であり、犯罪多発地域のサウス・セントラルを舞台にアメリカの現実を描く社会派ドラマ。トレを演じるのはキューバ・グッティング・ジュニア。父親役にラリー(今はローレンス)・フィッシュバーン。母親にはアンジェラ・バセット。リッキーの兄でアイス・キューブ。これがデビュー作だそうだ。そして監督のジョン・シングルトンが手紙を届ける男の役で出ています。
まあキャストで見てくれてもいいんだが、黒人社会が重く描かれている。トレやリッキーの青春を描くが、どうしても現実が暗い影を落とす。悲しい気持ちになる。改めて社会に問題定義をする作品だ。心から平和に感謝し、また平和を守り、また平和を広めようと思わせる秀作だ。
1998/08/21
さて2017年、キャストやスタッフ紹介から。
本作の監督と脚本でアカデミー賞にノミネートされたジョン・シングルトン。後にはスタイリッシュな黒人俳優サミュエル・L・ジャクソンを主演に添えた「シャフト」の監督・製作などをしている。本作の出来、見事というしかない。
青年時代を演じたキャストを。
・トップクレジットではなかったが、本作の主人公と言って良いのがキューバ・グッティング・ジュニア。先に挙げた「グローリー/明日への行進」もあるが、黒人をど真ん中に添えた「大統領の執事の涙」にも出演している。前述「グローリー/明日への行進」の弁護士、本当に凛々しかった。
・クレジットとしてトップに上がったのがローレンス・フィッシュバーン。当時はまだラリー・フィッシュバーン名義だ。彼の一番有名な役どころはやはり「マトリックス」のモーフィアスだろうねぇ。グラサンカッコイイ。他に「訴訟」などレビュってます。
・トレの母親で、父親と別居をしているのは不仲のため?治安のため?まぁ母親役に「TINA ティナ」のアカデミー主演賞ノミニーのアンジェラ・バセット。「Mr.&Mrs.スミス」(声のみの出演)、映画としては悲運な運命を辿った「ザ・クリミナル 合衆国の陰謀」、大ヒットアクション映画「エンド・オブ・ホワイトハウス」などレビューしてます。
・厳つい顔のお兄ちゃんを演じたアイス・キューブ、「アナコンダ」や「スリー・キングス」は観たことあるがレビューしていません、ごめんなさい。
さーて。
近年さぁ、インターネットが発展して、“日本人で良かった~”とかTwitterやFacebookで呟かれるけど、批判を恐れずに言うと、toikunも日本に日本人として生まれて良かったと思う。自分の軟弱な性格だと、アメリカ何かじゃあ生きていけないもの。劇中にあった、警官が首元に銃を突きつけるシーン、あの後何もなかったけど、toikunだったら自殺をかんがえるだろうマジで。
でも、アメリカ人て強いよねぇ…って変な風に話を展開するとアカデミー賞を受賞した「ミリオンダラー・ベイビー」の生活保護の母ちゃんを演じるマーゴ・マーティンデイルもいるんだから、まぁ、いろいろですよねぇ。。。
とーってもお強い全米ライフル協会、現大統領のトランプさんは敵か味方か。とまぁ、風刺になっちゃったけど。
映画としては本当に良く出来ている。フィッシュバーン父ちゃん強いしね。グッディング・ジュニア兄ちゃんは悪に走らなかったし。
あぁ、教育ですよ、今日行く。アメリカも、日本も、世界も、ね。
最期。toikunの家庭は離婚したんだけど、母親に引き取られた。父親など名前すら何もかも知らない。もし本作のローレンス・フィッシュバーンの様な父親がいたらと思うと、toikunの人生もきっと良い風に変わったことであろう。
2017/05/27
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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