映画「ノーマ・ジーンとマリリン 」(1996)あらすじ,ネタバレ,レビュー
原題:
邦題:
原題訳:
製作年:
製作国:
上映時間:
ジャンル:
備考:
監督:
主演:
あらすじ
この映画にはtoikun以外のレビューはまだありません。
感想・レビューを書いてみませんか?投稿フォームはコチラ[下にあります]
ストーリー・ネタバレ
(ノーマ・ジーン・ベイカーはマリリン・モンローと改名をするが、ストーリーの説明上、有名になってからもノーマと評しているところがある。)
アメリカ。教会の式典に参加した人々の中に、全裸で出席したノーマ・ジーン・ベイカーがいた。他の出席者は可笑しな格好のノーマに一瞥をすることもなく神に祈った。普通ならば、裸の女性に一瞥ぐらいはするだろうが、彼らにはノーマが見えていたのであろうか…!?
若いノーマ・ジーンは、プールの監視台員の仕事をしているエディ・ジョーダンと恋仲にあった。真夜中のプールサイドでエディが、プール上の近くにモデル・エージェントがあると誘ったのだが、ノーマにはモデル以上の高い夢、それは女優として活躍するという夢があったのだ。またプールのデッキでエディに、“徴兵にて会場にいる兵士と結婚している…がどうでもいい相手”と打ち上げた。打ち明けた理由は、エディに惚れているからなのだろうか?ノーマが徐に水着を脱ぎ捨ててプールへと飛び込むと、欲望を押さえされなくなったエディも又プールに飛び込みノーマをきつく抱きしめるのであった。ノーマは抱きしめられながらこう言い放った“ずっと こうしていたい…。”
ダンスパーティーに参加したノーマとエディ。そこにはエロール・フリン、オーソン・ウェルズなど有名どころも顔を出していた。エディに徐にペンを借りて紙に書いたのは何であったのか…!?
そしてまた、そこにはエディの叔父で有名人のルイスがいた。自分の名前を売るために、少し強引にエディに頼み込んでルイスの楽屋を訪れたノーマ。ごく普通の挨拶の後に、握手の時に手渡したのは先ほどのメモ…いや、金か?そこら辺は分からないが、ルイスが受け取った“紙”をノーマは受け取りはせず、ルイスは上機嫌となっていた。
パーティの帰り。車でノーマを送るエディだが、ノーマが“離婚届が届いた”と話した。“21歳の独身女性”=ノーマ・ジーン。祝うべき事があるのはノーマだけではなく、エディもそれを口に出した。7年間のオプション契約でドラマの契約が出来たという、しかも20世紀フォックスと。“最期までやりきれば有名役者だ”と張り切るエディだが、エディの方からフロントガラスに顔を向けたノーマの表情には複雑なモノがあった…。
その直後にダンス会場に行き、踊りを踊るノーマとエディだが、再びエディが自分の吉報を口にすると、思わずノーマは“Fuck You!”と公衆の面前で罵って行ってしまったのであった。
車に戻っていたノーマに、戻って来たエディが、“女優、女優、と口先ばかりで語らずに、まずは演技の勉強をして見ろ!”と説教をかした。すると、ノーマの返し言葉は“女が演技力で映画にでエルト思う?”だった。続けて、こう言った。
“力のある男と寝て、契約を取るのよ”
皆が寝静まった後、ノーマがエディに泣いて電話をかけてきた。“ごめんなさい、お願いだから捨てないで…。”
とあるモデルのオーディションが開かれた。ノーマ・ジーンはワザと遅れてきたかのようにし、身体のプロポーションもアピールをした。合格をしたノーマが待たされた部屋ではラジオのジャック・ベニー・ショーがかかっていた。この番組で思い出したのは、自分を産んだ母親の罵りの言葉だった。母親には精神的病があり、しばらく入院することになったのだ。ノーマは私生児として育てられた。やがて、母親グラディスが戻って来た。この時の、どこへもムカせられない感情をオーディション最中に思い出していたノーマ・ジーンがいた。この時のプロデューサーは、才能はないから写真専門のプロダクションに入るように言われるのだった。
その昔のノーマが青年になった時。叔母と叔父との3人で暮らしていたノーマ・ジーンだったのだが、何を考えたのか、叔父がノーマにキスをしようとしたのだ。現れた叔母によって止められるモノの、この事で、一課に大きな亀裂が入ったことは確かだ。結果として、ノーマ・ジーンはロサンゼルス孤児院に預けられることになってしまった…。
孤児ではないのに孤児院に送られるたノーマ・ジーンの思いとは幾許のものだったであろうか…?また父に連絡を取ろうと電話をするが、会ってはくれなかった。ノーマが妄想の中でふけったのは、父の危篤を訊いた際、“電話して下さる”という仕返しを込めた思いだった。
この一連の妄想の最中にノーマが行っていたのは金髪に髪色を変えることであった。金髪後のノーマに初めて会ったノーマは、彼を一瞥しただけで、力のある副社長のパトロンとベッタリとしていた。
ノーマを部屋に連れ込んだエディ。リタ・ヘイワースなど有名女優が所属するジョニー・ハイドの事務所に紹介したのはエディの叔父貴テッドだった。テッドと寝たことにも触れたノーマに激怒するエディだが、この言葉で締めくくった。“貴方が一番好き。”
ジョニー・ハイドとレストランへと行くノーマ。映画界の実力者たちが沢山いた。“時期が来れば紹介する”と言われるのであった。
その日の深夜、ベッドに入る前に大量の薬を口に運ぶノーマがいた。睡眠薬に、ハイな気持ちになれるベンゼドリン。もらったと話したノーマだったが、それが“何時から飲み出したものか”は語ることはなかった…。
カラーカメラでのノーマのテストが行われた。だが重役たちの評判は彼女の花の形と髪の毛の色で不評だった。そしてスターらしくない“ノーマ・ジーン”という名前にも。
結果、何れ大スターとなる金髪のマリリン・モンローが誕生するのであった。
舞台の発声練習、ピアノの伴奏に合わせての練習。その晩に帰ると、寝ずにジョニー・ハイドが待っていた。
大スターとしての階段を上りつつあるノーマだが、彼女を敵視する女優は多かった。身体で仕事をとるとか、実力が伴っていないとかで。
そして、ノーマを大スターにさせるために奔走していたジョニー・ハイドが倒れ、帰らぬ人となった。葬儀場を訪れたノーマに対して、“彼女を追いだして”と思う女性は多かった…。
そして又時が経ち、ノーマが付き合っていたフレディは彼女に嫌気がさして彼女を振った。この頃だったろうか、ノーマ・ジーンにしか見られない“マリリン・モンロー”の幻影が見られるようになったのは。
前からの薬のやり過ぎで、“マリリン・モンロー”の幻影だけでなく、様々な症状が起こり始めるノーマ・ジーン。
だがしかし、着実にスターへの階段を上っていくノーマ。大リーガーのスター選手ジョー・ディマジオを知らなかったのは、それだけ女優街道に邁進してきたからだろう。この会食もあり、ノーマとディマジオの噂も広まり、結婚と言うことで多くのマスコミを集めるのであった。
だが、プロ野球選手と映画女優。道がまったく違っている。ディマジオのために食事をこしらえるノーマに“マリリン・モンロー”はイチャモンを付けるのであった。キッチンにやって来たディマジオに、ノーマが言わんとすべきイチャモンを代わりに言ってやる“マリリン・モンロー”だったが、それは勿論幻影、届くわけはなかった…。
そして、かの有名なマリリン・モンローのスカートが、地下鉄の風に舞い上がるシーンが撮られると、これは全米を虜にするのであった。
エディを前に、“精神安定剤が一番の友達”と語るノーマ・ジーン。これによって、“マリリン・モンロー”が現れるのであろう。
次にノーマは事務所を退職して自主製作プロを解説した。当時の女優としては非常に珍しいことであった。激演出家のストラスバーグを雇い、また数々の若手女優を参加させて演技力を高めるのが目的である。
自分のスター街道邁進のために数々の男性と浮名を流し、結婚と離婚を繰り返すノーマ・ジーン。そしていよいよ身体に変調をきたしたノーマ。誰の姿にも写らない“マリリン・モンロー”だけがノーマ・ジーンの本当の心を理解していたのかもしれない。
時が過ぎ、まともな精神科医をやっと受信したジーン。極力自分の勧める薬だけを飲むようにと言われるのだった。
また時は、アメリカ合衆国の大統領がジョン・F・ケネディになっていた。ノーマはケネディを使って再起を図ろうとするも、ケネディの弟ロバート・ケネディ司法長官のノーマに対する印象は、最初は良かったモノの、彼女の噂が耳に入ったのか、“もう大統領とは会わないでくれ”と言われてしまうのであった。ロバート・ケネディとも…。
結末・ラスト
どん底の夜。ノーマの邸宅をエディが訪ねた。彼女の話す、“フォックスが2倍の契約金を出す”と言うのは嘘か誠か?
かつて、水着のノーマは水着を剥いで裸になってプールに飛び込んだ。エディは彼女を追いかけて抱きしめた。今、ノーマが胸を開けるも、エディは何の関心も示さなかった。エディは大人になり、ノーマ・ジーン=マリリン・モンローは成長できなかったのである。いや“マリリン・モンロー”は成長したのかもしれないが…。
落ち込んだノーマは、かつてロバート・ケネディからもらった名刺に書いてあった電話番号に電話をした、助けを乞うために。だが、電話に出たのはケネディの部下であり、“もう一切の連絡をしないように”と言われる。
取り乱したノーマが掌に熱を感じると、マリリン・モンローが掌に熱いアイロンを押しつけていた。罵り合うノーマとマリリン。ノーマはグラス一杯の酒に有りっ丈の薬を溶かし込んでそれを口にした。
“あなたなんていない方がいい”、これを語ったのはノーマ・ジーンかマリリン・モンローか…!?発見されたノーマは、救急車で発作を起こすと、その障害に幕を閉じた。
例え悲惨な過去があろうとも、銀幕のスター、マリリン・モンローは人々の心の中で輝き続けるであろう…
レビュー・感想・解説・評価
感想・レビューを書いてみませんか?投稿フォームはコチラ[下にあります]リンクについて
~~~(矢印と破下線のリンク)は、T's Theaterでレビューしている映画作品や紹介している俳優等、全て内部リンクです。
本作の丁度20年前、劇場用長編映画として同英題で作られた、その20年後のテレビ映画。ノーマ・ジーンとマリリン・モンローが同じカットに出ることからファンタジックと言えなくもないジャンルだ。
メガホンを務めるのは「アイス・プリンセス」などのティム・ファイウェル。ファイウェルの作品を観るのは本作だけであり、2回目である。
作曲のクリストファー・ヤングはとても数多くの映画の作曲をしており、現在のところアカデミー賞には縁がないものの、T's Theaterのレビュー作品としては「ブラックサイト」、「シェイド」、「スピーシーズ 種の起源」などがある。ジャンルを見ると非常に多彩だ。
キャストを。
・クレジット順はノーマ・ジーン・ベイカーを演じるアシュレイ・ジャッドが先だ。「ダブル・ジョパディー」は本当に良く出来たスリラーだった。他に近年の「エンド・オブ・ホワイトハウス」では大統領夫人として登場しているが、命を落としている。映画デビュー作として「カフス!」など。
・ノーマ・ジーンにしか写らない“不憫?”な役どころのマリリン・モンローを演じるのはウディ・アレン監督作品「誘惑のアフロディーテ」でアカデミー助演女優賞を受賞したミラ・ソルヴィノ。toikunは彼女の作品は余り観たことがないのだが、2016年に公開された「エクスポーズ 暗闇の迷宮」で楽しませてくれた。映画としては奇想天外な映画ではあったが…。
・ノーマの恋人役を演じるジョシュ・チャールズ、「デンバーに死す時」ではノークレジットだったのねぇ、探すの難しそう(汗)。他に「ダーウィン・アワード」など。
・で、色好みの副社長として登場したのがロン・リフキン。「L.A.コンフィデンシャル」や「交渉人」では非常に活躍していたなぁ、悪役として。これらの作品は必見である。
・また、ノーマに発声練習を教える先生として登場するリンゼイ・クローズは「プレイス・イン・ザ・ハート」でアカデミー助演女優賞にノミネートしている実力派だ。他に「陪審員」や「Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼」など。
さて。
まず、場面としてマリリン・モンローのスカートがフワーッとめくれるシーンが出てくるのは映画ファンとしては嬉しいところだ。なかったら魅力半減だしね。時に、本作の20年前の同英題名では出てきたのだろうか?どっかでレンタルをやっていないかと興味津津のtoikunである。
ドラマ映画としては可もなく不可もなし。伝記映画としてどこまで忠実に描かれているかは分からないし。
そう言えば、ケビン・コスナーがケネディ大統領の側近を演じた「13デイズ」では、確か、マリリン・モンローの名前すら出てこなかったように思ったが、同作はとてもシリアスなサスペンスだったので致し方ないところか。
もう既に亡くなっているマリリン・モンロー。多くの伝記や映画で“セックス・アピール”が描かれている以上、それは間違いではないのであろうが、それに至る過程が、本作でも不十分なように思えた。
2017/05/25
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
ホームページ
コメント:
(コメントをどうぞ。)
T's Theaterへのお問い合わせフォームはコチラ(別ページで開きます)