映画「オータム・イン・ニューヨーク」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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レストランの経営者兼料理長のウィルは女性と深い関係にはなれずに直ぐ別れるという事を繰り返してきた。そして出会った若い女性シャーロット。彼女は昔関係のあった女性の娘だと知ったウィルは初めて深い関係を意識するものの、シャーロットは余命を告げられる程の病気を抱えていることを知る。一度は別れるウィルであったが…。
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ストーリー・ネタバレ
紅葉のニューヨークの公園を若い女性リンと歩いているのは40代後半から50代という見た目のウィル・キーン。彼女であるリンはこの先にあるウィルとの深い関係をモチロン望んでいたのだが立ち止まったウィルは突然に別れを切り出した。まるで別れを切り出すために公園にやってきた様に…。ウィルの視線の先にはボートを一人で漕ぐ女性がいたが、この時ウィルが意識をすることはなかった…。
ウィル・キーンの職業はレストランの経営者であり料理長だ。“経営者”という立場ながらも暇を見ては厨房に立つウィルは料理に対しては厳しいものがあった。ただウィルは女性関係となると、この歳になっても結婚をすることはなく、別れては新しい女性を見つけて付き合い、付き合っては別れるの繰り返し。この点では“甘い”というべきなのか?
ある時、自身の使用人で友人のジョンと共にレストランの客に挨拶をしようと入ってきたウィル。パーティも開かれる本日のレストランでウィルの視線の先にいたのはシャーロット・フィールディング。友人たちが彼女の誕生日祝いをしていたのだ。ウィルはシャーロットの名前はまだ知らないものの視線の先で気にしながら昔関係のあったエリコとレストラン・バーにいると、老いた女性が親しげに話しかけてきた。誰だか分からなかったウィルだが彼女はドロレス・タルリッジと名乗った。思い出したように“ドリー!”と笑顔になるウィルだが、こんなにも年上の女性と関係を持ったわけではない。いや、彼が若い時にはあったのかもしれないが。
ドリーに導かれてやって来た席には、先ほど視線の先で意識をしていたシャーロットがいた。シャーロットもまたウィルを意識していたのは彼の視線に気付いていたからなのか…。この時、ドリーから“特別な”紹介を受けたウィル。ドリーの紹介の言葉とは“私の孫”という言葉。これを聞いたウィルは直ぐに“まさか、ケイティの娘?”と聞き返した。“そう”と返答するドリーとウィル、そしてケイティの関係はと言うと、昔、ウィルはケイティと付き合っており母親であるドリーとは顔見知りだったのだ。友人サイモンが“シャーロットは22歳でキスはまだ”と話すと…何もなく戻ったウィルだったが、シャーロットは友人でも分かる程に胸が高鳴っていた。そして祖母ドリーから“お母さんの友人よ”と言われた彼女は、昔母親が付き合った男性だとウィルのことを意識した。ただ視線の先のウィルはエリコと仲良くこの場を後にする瞬間であったが…。
こんなウィルであったが、ある日ジョンや彼の妻と一緒に公園を歩いておだてられると“小娘だよ”と言い返していた。
またある日の朝。家にいるシャーロットに誰かからか電話がかかってきて、友人だと思ったシャーロットが“何なの?ボケ!”とカマすと電話口で答えたのはウィルだった。“誰からなのか当ててみて”と言ったウィル、直ぐにシャーロットは彼からだと当てた。あのバースデイ・パーティの夜に、ドリーから“シャーロットには帽子を作る才能がある”と聞いていたウィルは、彼女に“一緒にパーティに行く女性の帽子を作って欲しい”と頼んだ。サイズはゴムで調整すると言うことで頼むウィルに、シャーロットは口癖の“ワオ!”を連発して喜ぶのであった。
大雨の降る日にシャーロットは大きな包みを抱えてウィルのレストランを訪れた。“遅刻だ”と少し怒った風に語るウィル。直ぐに謝るシャーロットだったが、ウィルは30分は彼女が遅れるとふんでおりそれをふいにしていしまったシャーロット。届けた帽子をシャーロットに被ってと頼んだウィル。ウィルは女性にすっぽかされたと話したが実はこれは彼の巡らした策略だった。女性とパーティに行く予定など立てていないウィル…いや、シャーロットのためには立てていたかも…で、シャーロットと近づく為に帽子の作成を依頼したのだ。彼女に素晴らしいドレスを着せると2人はダンス・パーティ会場へとやって来て踊るのだった。そんな2人を視線に入れていた女性がいた。この女性はウィルがシャーロットから離れると彼女に話しかけてきた。ウィルを知っているそうでお互いに自己紹介をして女性はリサと名乗った。そこにウィルが戻ってくると同時にリサは挨拶があると行ってしまった。“誰?”と訪ねるウィルに“リサなんとかさん”と答えたシャーロットだが、リサと聞いてハッとするウィル。何故顔も知らない女性の名を聞いてハッとするのであろうか…。その後は会場の外を歩いてキスをする二人がいた。
ウィルの自宅にて身体を重ねた二人。朝になりシャーロットが目を覚ますとウィルは手作り料理でもてなした。そしてその時の会話にいつも通りの“これ以上の関係にはならないようにしよう”という言葉を栞として差し込んだウィル。そして“未来はない”という言葉も。だがシャーロットは思いもかけない言葉でその栞を抜いてしまったのだ。彼女は“今まで生きていたことが不思議なくらいの病気なの”と話した…。
ジョンがバーテンダーとしてもてなす酒場にて酔いつぶれるウィル。シャーロットに関する全てを打ち明けたウィルに、ジョンは“深入りしたことが間違いだ”と諭した。しかしそれとは意味が逆の“君には彼女しか見えない”とも。
ウィルはシャーロットが祖母ドリーと一緒に住む自宅を訪れた。シャーロットが上階から降りて来る前、久しぶりにケイティの写真を見たウィルは彼女についてドリーと共に昔を語った。そしてまたドリーから“深入りは止めて、病気なのよ”と言われてしまう。降りてきたシャーロットと出かけるウィル。
彼女は自分の病気にある意味達観しているようでウィルが女性に求めてきた“深入りしない”を普通に体験できると話したが、“酷いな”と言葉を返したウィルだった。秋の公園は紅葉した木々で彩られている、地面でさえも。その中を歩くウィルとシャーロット。戻る事も進むことも出来ない様な状況のウィルを見て、シャーロットはウィルの腕時計を彼の腕から外して“忘れた頃に返すわ”と笑みを浮かべた。
ウィルと一緒に手料理を作り、そして訪れたジョンたち友人に振る舞って幸せそうなシャーロット。“アナタのお友達にアナタより好かれたい”というセリフを語る彼女の思いとは…。そして、ある時はしゃいでいると急にシャーロットが倒れた。病院に連れて行ったウィルは、シャーロットの主治医シブリーから“神経芽細胞腫”という言葉を聞いた。シブリーが言うには少しだけだが手術による完治の可能性もあるようだが、シャーロットが手術をしないという書類にサインをしたことを告げられたウィル。そしてシャーロットの余命が1年であることも。シャーロットが元気になった後で一緒にいる時に、自分のメールボックスを漁るウィルが見つけたのはネイティブ・アメリカン美術館という刻印のあるリサ・タイラーという女性からの手紙であった。シャーロットのことはモチロン心配だがリサの勤め先の美術館へと足を運んでみるウィル。書き置きを残そうとしたが止めるのだった。
ハロウィン。ジョンの自宅で盛大に行われたパーティに出かけていったウィルとシャーロット。そこへウィルの元カノであるリンが訪ねてくると、シャーロットが子供たちと戯れている間に身体の関係を持つウィルとリン。帰りの車では感づいたことを話すシャーロット。関係していないと嘘をついたウィルに怒ったシャーロットは車を降りるがウィルは追いかける。しかし、彼女と自分が手に負えないウィルはそっとその場を立ち去るのであった、別れの言葉を告げた後に…。
泣きながら帰宅をしたシャーロットに、彼女の母親ケイティの昔話をした祖母ドリー。ウィルのことを好きだったケイティは思いを打ち明けたそうだ。だがその晩にウィルはミリーという女の子を妊娠させてしまったという。ミリーはケイティの友人でもある。“家族だから忠告して欲しかった”と言ったシャーロット。ドリーは孫娘を思っていたつもりで生きてきたが、この家族にも少しだけ不協和音が気付かないうちに反響していたのだろう…。
連絡も寄越さないウィルに、ジョンが直接会って事情を聞いていた。“昔に戻るか?”なんて荒れるウィルがいた。
ウィルとシャーロット。別々の時が流れる中で、リサ・タイラーがウィルの家を訪ねた。リサはウィルとミリーの娘だったのだ。彼女は妊娠を契機に顔さえ知らない父親に会いたくなって八方手を尽くして探し出してダンス・パーティでも父親と踊るシャーロットを見ていたのだ。長いこと会わなかったとは言え娘リサの妊娠を喜ぶウィル。姿をくらましてしまったけれども親だと認めるリサ。ただ会った時に父親は“許してくれ”と乞うかと思ったが、ウィルはその言葉を口にはしなかった、ただ“そう思っている”と伝えるだけ。涙がこみ上げたリサは去って行った、ウィルからの電話は許可をしたが…。
突然にウィルはシャーロットを訪ねた。まだ怒っているシャーロットに“愛させてくれ”と語るウィル。二人の関係は元の鞘に収まったのだった。
季節は冬を向かえると二人はスケートへと出かけていった。氷の色は紅葉とは違いたった一色であるがこれもいいものである。時が経つのを忘れ戯れる二人だったがシャーロットがまた倒れた。シブリーが言うには腫瘍が成長してしまい、シャーロットは持って数週間だという。秋には1年と言っていたのに話が違うと食い下がるウィルだったがこればっかりはどうしようもない。ウィルは、シャーロトが拒否した手術が可能な医師を全米中の病院にあたって探し出そうとした。彼は娘リサにもその協力を求めたのだ。そして彼女によって手術が出来る有能な医師がオハイオ州クリーブランドの病院に見つかったという。早速その外科医トム・グランディを訪ねたウィルは、シャーロットのカルテを見せて手術を頼んだ。グランディ医師は最悪の時は呼んで欲しいと手術を引き受けた。
結末・ラスト
ニューヨークにも雪が積もる程に冬という季節が進んだ時。ウィルが外科医を探していたことを知ったシャーロットは、彼にあたった。希望など持たせて欲しくはないのであろう。仲直りをしたウィルとシャーロット。彼女は手術承諾のサインをした。そしてクリスマスを迎えようとした矢先にシャーロットは倒れた。危ない状況であるためにグランディ医師がニューヨークへと呼ばれた。ウィルは少しだけ意識を取り戻したシャーロットを労った。
シャーロットの手術が終わった。ウィル、ドリー、リサ、ジョン夫婦、サイモン、シャノンたちが視線を向けた先にいたグランディ医師は悔しさで手術帽を床に叩きつけていた…。
シャーロットが弔われた後で、ウィルの家に届けられたのはかつてシャーロットがウィルの腕から抜き取った彼の腕時計であった。涙を浮かべるウィル・キーンにかつてのプレイボーイの面影はもう見えなかった…。
春。ボートに乗っているウィルの腕に抱かれた赤子はリサの子供であり、彼の目の前には娘のリサがいた。彼らの家族としての暦は、やっと一枚がめくれようとしていた…。
レビュー・感想・解説・評価
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“この世のラブストーリー、結末は二つ”なんて考えちゃうセリフも劇中に登場する本作は悲しい結末のラブ・ストーリー。悲しみの結末は突然に…。
本作のメガホンをとるのは「ラストエンペラー」や「沈黙の要塞」などで俳優としても活躍をするジョアン・チェン。中国生まれのジョアンにとって「シュウシュウの季節」に次ぐ2作品目の劇場用長編映画監督作品だ。
そして本作の脚本執筆を担当したのは「アンダーワールド 覚醒」、「ブラックサイト」などの脚本などで知られ、『Ask Me Anything(原題)』で監督デビュー&小説家として同名書籍も出版したアリソン・バーネット。「ブラックサイト」がとてもよく出来たスリラーだったので彼が脚本なのを知って期待をしていたtoikun。
キャストを。
・主人公のプレイボーイを演じるのはロマンティック映画がよく似合うリチャード・ギア。「プリティ・ウーマン」や「プリティ・ブライド」なんてゲイリー・マーシャル作品はお手のもの。ギアには「真実の行方」の様な極上スリラーや「ジャッカル」の様なアクション映画はもしかしたら“必要ない”のかもしれない。本作を観てそう確信したtoikunがいた。
・悲しい結末を向かえる女性シャーロットに扮するはtoikunが“大好き”と公言しながら余り作品を観ることのないウィノナ・ライダー。「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」と「若草物語」のオスカーノミニーも2016年10月の誕生日で45歳を迎える。シェール、クリスティーナ・リッチと共演した「恋する人魚たち」は懐かしい。レビュー作品は「ダーウィン・アワード」と「ルーカスの初恋メモリー」。この眼力の強さと潤んだ目にファンは弱いのだ…。
・お婆ちゃんのドリーに扮するは2014年に亡くなったプライムタイム・エミー賞女優のエレイン・ストリッチ。先日はウディ・アレン監督作品「おいしい生活」をレビューしたが、本作ではそのウディ・アレンの名前が語られている。
・友人で使用人のジョンを演じるのは「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」の公開が2016年の春にされたアンソニー・ラパーリア。「依頼人」や「ジャンゴ 繋がれざる者」など。
・ウィルのまさかの娘!を演じるヴェラ・ファーミガは「マイレージ、マイライフ」でアカデミー賞にノミネート!「15ミニッツ」の目撃者や「ザ・クリミナル 合衆国の陰謀」のCIA職員などが印象的。
・外科医として登場するのはこれまたまさかのJ・K・シモンズ。ご存じ「セッション」のアカデミー賞俳優も「ジャッカル」、「サイダーハウス・ルール」何かじゃあまだ下積み。「スパイダーマン」、「スパイダーマン2」の怒りまくりの編集長もビックリだ。「バーン・アフター・リーディング」なんてコーエン兄弟作品にも☆
・主治医として登場するメアリー・ベス・ハートは「天使のくれた時間」では端役だったなぁ。近年の「ブラックサイト」ではお婆ちゃんとして登場。
さて。
季節も秋になったのでDVDを手に取ってみたのが3日前。少し忙しくて記事にすることが出来なかった。toikunの評点としてはごく普通の評価となったが、希有なキャラや展開だが普通に感情移入が出来、悲しい結末が嬉しい将来で良い風にサンドイッチをされて暖かい気持ちを持つことが出来た。
“Autumn in New York”なんて題名だけど季節が移りゆく。紅葉は見事だよねぇ、どう撮影をしたのだろうか。そしてこの題名があるからこそ、そして病人だからこそのイベント毎に際立つ色彩を帯びた行事に引き込まれることが出来る。
リチャード・ギアとウィノナ・ライダーという超一流のハリウッド俳優を用いた作品だけにちゃちな演出・セットなどは見せられることはなく、全て及第点に達していた、だがtoikun的には及第点レベルで落ち着いたと言う事であり、ただ、それだけ…。
昔話。ウィノナ・ライダーのあだな・ニックネームが“ノニー”であることを知った大学生当時、彼女を好きだったこともあり使いまくったtoikun。ちな、大学の演劇サークルの名前が“ノニー”だったので“ウィノナ・ライダーからとったんですか?”って聞いたんだけど“誰?”って顔をされてorzだった(汗)あぁ、大学がバレる…(大汗)
みなさん、秋には本作、宜しいんじゃないでしょうか!?“So what are you going to do next?”って聞いて欲しぃ…。
2016/10/09
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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