映画「世界一キライなあなたに」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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イギリスの田舎町。失業中の26歳の女性ルーが就いた仕事は、脊髄損傷により四肢の動かせない若者ウィルの介護だった。勤務先はウィルと彼のご両親の住む古城、大富豪なのだ。
ウィルは怪我を負ってからは難しい性格となっていて笑うこともなくなっていたのだが、元々が明るい性格のルーと接する内に微笑みを取り戻すウィル。介護士と患者という関係よりは、親友のようになっていく2人。そして恋心も!?
だがこの“仕事は6ヶ月間”と最初に契約をしたルーとウィルの両親。こんなに仲良くなったルーとウィル、雇用期間は延長されないの?
実はこの“6ヶ月”と言う期間は、それが過ぎたらウィルが自分の命を絶とうと考えていた期間だった…。
それを知ったルーは“死ぬまでにやるべきコト=バケット・リスト”を作り、引きこもりだったウィルを外に連れ出し、“その計画”を変えさせようと考えるのだが…。
2012年に作家ジョジョ・モイーズにより発表され、世界で850万部以上も売上て大ベストセラーとなった『ミー・ビフォア・ユー 君と選んだ明日』(Amazonへのリンク)を、本作が劇場用長編映画監督デビュー作品となる、“演劇会のベテラン演出家”シーア・シェアイックが映画化したドラマ。
キャッチコピーにこうある。
“2016年、世界中で最もヒットしたラブストーリー!”
確かに本作はロマンスの映画でもある。女性ルーには彼氏がいるのだが、ウィルと関わっていく内に彼に惹かれていくルーがいて、その逆、ウィルもまたルーに惹かれるのだから。
だがしかし、本作の主たる題材はもっと重いところにある、それは“尊厳死”だ。
回復の見込みのない青年ウィル…名前には希望があるのにね…。果たしてウィルはどの様な決断をするのであろうか?
眉毛を極端に曲げてキュートな魅力を振る舞うのは「ターミネーター:新起動/ジェニシス」でサラ・コナーを演じたエミリア・クラーク、ルーという主人公の女性を演じる。
そしてもう一人の“顔や頭しか殆ど動かせない”、逆に言えばその表情だけで魅せる脊髄損傷を負った男性を演じるのは「ハンガー・ゲーム」シリーズなどのサム・クラフリン。
主人公2人だけに感情移入を出来るだけではなく、ジャネット・マクティアやチャールズ・ダンス演じるご両親の想いを考えると複雑だし、他にルーと一緒に介護をする男性介護士ネイサン(=スティーブン・ピーコック)にも“ウィルの友人”という立場もあり想いを重ねてしまう。そしてウィルの元を離れた元カノ、アリシア(=ヴァネッサ・カービー(「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」))の想いにも又…。
10月1日(土)より、新宿バルト9、梅田ブルク7他全国でロードショー。8月11日時点で公式サイトには、上映劇場情報がないが公開が近づけばアップされるであろう。
と、9月17日に公式サイトを確認したら公開劇場情報やキャストそれぞれの顔写真つき紹介など満載!キャンペーンもあり、プレゼントの中には劇中でエミリア・クラークが履いた“ミツバチのタイツ”も…。
また沢山の場面写真で映画が紹介されていて、キャストやスタッフの紹介はこれ以上ないくらい詳しいので是非公式サイトを訪れてみて下さい。
尊厳死が法律的に認められている国もあります。対して日本ではそれは認められていません。この様な、“チョット難しいコト”も考えさせてくれる良作品を是非劇場で。もちろんエミリア・クラークのキュートなお顔のラブロマンス要素も忘れないでね!
配給:ワーナー・ブラザース映画
なお、10月29日(土)より公開のフランス映画「92歳のパリジェンヌ」でも“安楽死”がチョットしたテーマになっている。92歳になり出来ないことが増えた女性が誕生日に“死を宣言”するお話。実話を基にした映画です、宜しかったらページを開いて、また、公式サイトに行ってみてください。
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ストーリー・ネタバレ
古城もあるイギリスのとある田舎町。
この街に住むルイーザ・クラーク=通称:ルーは26歳だ。大学でファッションを専攻したく、受検をして合格はしていたがクラーク家の台所事情によって大学進学が叶わなかった。今現在、父親バーナードは失業しているし、母親ジョージーはパート勤めに出て客と小意気な会話を交わせるような性格でもない。そしてルーの妹カトリーナは未婚の内に男児トーマスの母親となってしまったのだ。このクラーク家はルーがベイカリー店で働くことによって支えられている…が、突然ベイカリー店が廃業することになり失業するルー、退職金は6年も働いて僅か1ヶ月分の給料と同じであった…。
ルーには運動トレーナーをしている“運動オタク”パトリックという彼氏がいる。パトリックの薦めもあり職業センターへ通うことになったルーだった。
ルーは本当に根明な人物で、人をも明るく出来るのだが、チョット難しいコトが苦手…。職業センターで様々な職種を斡旋される中で、彼女が“私でも出来る!”と感じたのは、『自宅から家が近い身体障害者の介護』だった。しかも相手は古城に住んでいて大富豪だという。ルーの就職に一家全員が喜ぶが、幾ら古城の高貴な人物に会いに行く為とは言え、丸で1983年当時の様な正装をして訪れるのはどうかと思うが…幾らファッションセンスが奇抜なルーも反対するが、ソンナ服装で古城へと向かったルーだった。
古城でルーを出迎えたのはカミーラ・トレイナーという女性だった。カミーラと面接となるルー。カミーラから“人生のゴールは?”と聞かれるルーだが、そんな質問に答えを用意していたわけでもなく曖昧に返答。ルーはカミーラのご主人の介護だと思っていたが、彼女の31歳になる一人息子ウィルの介護だと聞かされる。
ウィル・トレイナー。2年前のウィルは、親友ルパートと共に事業を行っておりアリシアという彼女がいた。アリシアと愛を交わした後で会社に向かおうとしたウィルは、タクシーを拾おうとしたところで走ってきたバイクと衝突。脊髄を損傷してしまい、四肢が殆ど動かせず電動車イスに乗って移動する…という状態になってしまったのだ。
この面接の最中にウィルの父親スティーヴンは何処かへ行く為にルーに挨拶をして出かけていった。カミーラの提示したウィルの介護の仕事についての契約とはこうだ。
・この仕事の雇用主はウィルのご両親
・働く曜日は、月曜日~土曜日
・時間は8時~17時まで
・雇用期間は6ヶ月間
ここで初めてウィルに会うことを許されたルー。カミーラはルーにこう話した。
交流の仕方は貴女に任せる
出来れば、“雇用”という形ではなく“友人”に…
ウィルとの初対面となったルー。側には男性介護士のネイサンがいる。ルーを見たウィルは、気が狂ったように異様な声を上げて首を回し、それを見たルーはとても驚いた。だがそれはウィルの狂言であった。ウィルがこう言うことをする原因としては、2年前の事故により人生が狂い“性格が多少ねじ曲がった”からだ。
こうして、ルーは毎日ウィルの住む古城に通い介護をするという仕事を得た。
最初は気難しいウィル。話すことが大好きなルーが話しかけても“静かにしてくれないか”と返してしまう。また自分はファッションセンスは良い方だと思っているようだが、“少し変”なルーが毎日多少奇抜な服でウィルに会っても、彼は何の関心も示さなかった。
働き出してもう110日が経った。心を開かないウィルを思うと、“もう持たないかも”と妹カトリーナに呟くルーだったが、カトリーナはカトリーナで大学に戻って勉強したいと言いだし、結局はクラーク家を支える為に仕事を続けるしかないルーだった。
ある日、ウィルの古城を訪れた男女。女は2年前のウィルの彼女アリシアで、男はウィルの親友で事業を一緒に行っていたルパートだった。2人は婚約していると話すが、ウィルは顔色一つ帰ることはなかった。
その後、物音に気付いたルーがウィルのところへやって来ると、ウィルは、アリシアの写真が飾ってあった写真立てを床に叩きつけていた…。ウィルはアリシアとルパートの婚約に無関心ではなかったのだ。
“ウィルの感情”を感じ取ったルー。この事で、“ウィルの介護士”という“職業”から何かが変わったルー。
彼氏であるパトリックとの旅行を断って、ウィルの古城へ日参するルー。一度はウィルに“辞めたら?”と言われるものの、ルーを雇ったのはウィルの母親カミーラだ。
雇ったのは貴方の母親。お金が必要だから辞めない!
と言い返したのは強がりではなく、ウィルの事を“仕事だからではなく本当に思った”から…。
そのルーの強い意志=“Will”を耳にしたウィルは変わった。一緒に映画のDVDを観たのだ。それからルーとウィルの関係は、どこか恋人のような“感触”を感じる事が出来る関係となった。
だが、ある時ルーはウィルの父母であるスティーヴンとカミーラの会話を聞いてしまう。彼らは“6ヶ月経ったら、ウィルの意思を尊重して彼の望む“尊厳死”をさせてやろう”と話していた。勿論、父母とも尊厳死に関して意見が一致しているわけではなく、母カミーラは、息子の意志が変わればとは思っている。
それを聞いてしまったルー…。
自分は自殺防止の監視役…
しかし妹カトリーナに相談をしたルーは、ウィルに尊厳死の意志を変えてもらおうと、“死ぬまでにやりたいことリスト=The Bucket List(バケット・リスト)”を作り始める。事故以来2年間家に引きこもっている“ウィルを外に連れ出し、アレも、コレも、何でも好きなことをやってもらい、生への執着を湧かせよう!”
[ストーリーは導入のみ]
・ウィルの“やりたい事リスト”を作成するルーにはソレの経験がない
・ウィルに促されて様々な初体験をするルー
・またウィルはルーの誕生日に実家に招かれる
ウィルの顔には微笑みが溢れるが…
・何と言ってもルー(=エミリア・クラーク)のユーモラスで時に千差万別な表情
・そしてルーのファッションセンスにも☆
・登場人物がそれぞれ個性的で抱えている想いも違うので、次々と感情移入しちゃいます!
でもね、本作は“尊厳死”を考えさせる物語
・どの様な展開になるかは申しませんが、観終わった後に、考えて、考えて、考えまくって下さい…。
公式サイトをご覧になって公開日まで待ちましょう☆
レビュー・感想・解説・評価
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キャストはどうあれ、本作を日本を舞台にして描いたとしたら…。
とても楽しいラブストーリーと考えさせられるドラマである本作のメガホンをとるのは“演劇演出会のクイーン”とも言うべきか、シーア・シェアイック。彼女にとっての劇場用長編映画初監督作品。でも舞台演出の経験があるから十二分に魅せるドラマに仕上げてくれた。
原作と脚本執筆にはジャーナリストであり、作家のジョジョ・モイーズ。原作『ME BEFORE YOU』は2012年に出版された小説であり、世界40ヶ国以上で翻訳され850万部以上も売り上げた。日本では集英社文庫から『ミー・ビフォア・ユー 君と選んだ明日』(Amazonへのリンク)として刊行されている。
何時ものようにキャストを。
・女性としての魅力をタップリ披露して、下手したら違う方向のラブコメになっちゃいそうな程の輝きのあったルイーズという女性に扮したのは、「ターミネーター」シリーズの第5弾「ターミネーター:新起動/ジェニシス」でサラ・コナーを演じたエミリア・クラーク。他の出演作品に「ドム・ヘミングウェイ」などがある。テレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」で有名であり、日本でも本作でそれ以上に有名となるだろう。
・脊髄損傷という重い怪我を抱える男性ウィルを演じたのは、ジェニファー・ローレンス主演の人気シリーズ「ハンガー・ゲーム」に立て続けに出演するサム・クラフリン。他に「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」など。本作では設定上、動き回れる役ではなかったが、その表情で全てを伝えてくれた。
・気丈に振る舞う母親を演じたのは「アルバート氏の人生」と『Tumbleweeds(原題)』で2度アカデミー賞にノミネートしているジャネット・マクティア。「ベルベット・ゴールドマイン」では声のみだったのねぇ。他に「お気に召すまま」や「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」など。
・妻とは息子に対する考え方が異なっている、そんな父親を演じるのは、もはや名優の域、チャールズ・ダンスだ。本作の日本公開日は10月1日だが、前日の9月30日には名作小説『高慢と偏見』にゾンビ要素を加えてヒットした小説『高慢と偏見とゾンビ』を映画化した「高慢と偏見とゾンビ」でベネット家の父親を演じている。2日連続で日本公開初日作が出るチャールズ・ダンスはやはり「ラスト・アクション・ヒーロー」がお好きなtoikun。他にアイルランドの歴史を描いた「マイケル・コリンズ」も見逃せない。
・失業中…とチョット情けないルーの父親バーナードを演じるのはテレビシリーズ・舞台などでも活躍するブレンダン・コイル。映画出演作としては「ジェネラル 天国は血の匂い」や「推理作家ポー 最期の5日間」など。
・ルーが介護に就く前から、ウィルを介護していたネイサンにスティーブン・ピーコック。ドウェイン・ジョンソン主演の「ヘラクレス」など。彼の立場として本作を鑑賞するのも楽しみの一つだ。
・“お前は筋肉番付に出たいのか?”なんてジョークを言いたくなってしまったルーの彼氏パトリックを演じるのは、「ハリー・ポッターと賢者の石」など「ハリー・ポッター」シリーズのネビル・ロングボトム役として有名なマシュー・ルイス。他に映画作品として「ウェイストランド」など。
・自由奔放な妹カトリーナを演じたのはジェナ・コールマン。テレビシリーズ・テレビ映画で力をつけて映画では「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」に出演。お姉さんルイーザの良き友人という妹だ。
・そしてクラーク家の母親ジョージーを演じたサマンサ・スパイロだが「フロム・ヘル」や「サイキック/犯された脳髄」など。娘を思うところなどは今年の優秀作品「ブルックリン」のジェーン・ブレナンと印象が被ったtoikun。
・ウィルの元を離れてしまい、彼の友人と婚約をしてしまう女性アリシアに扮するヴァネッサ・カービーは、本作の約1週間後10月7日に先行公開される「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」では文豪F・スコット・フィッツジェラルドの統合失調症で病んでしまう妻ゼルダを演じている。ヴァネッサが主役級になるのもあと少しか。なお、「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」は「英国王のスピーチ」でアカデミー主演男優賞に輝いたコリン・ファースと「コールドマウンテン」や「スルース」などのジュード・ロウ初共演作品でtoikunは傑作と評した。
さて。
まず、色々と資料にはあるのだが、『世界一キライなあなたに - オリジナル・サウンドトラック』(Amazonへのリンク)は、イマジン・ドラゴンズ、X・アンバサダーズなどアメリカとイギリスの注目アーティストの楽曲がふんだんに使われているので要チェックだ。
そして原作はベストセラー小説というのも、足を運ばせるには十分だ。
感想として。
最初明るくて、脊髄損傷患者の介護に就くところで母親を前にして非常にヘビーとなる。それ以外に病気に関係するシーンがあり重いが、ルーという女性がまるで「プリティ・ウーマン」のジュリア・ロバーツと言ってしまっては大袈裟かもしれないが、それだけ変わっていく、とても魅力が溢れる。劇中にはファッションも大きなウェイトを占めているので、これもまた「プリティ・ウーマン」か。
そんなラブロマンスに、いずれ日本でも考えるべき時が来るであろう問題が同時並行的に進行するのが本作だ。一緒に観に行く人を問わない映画なのでお好きな方とドウゾ!
8月13日にはニコラス・スパークス原作小説の映画化「きみがくれた物語」、9月30日には前述した「高慢と偏見とゾンビ」、そして10月1日の本作と、原作の映画化作品、今週もヒットチャートを彩ってくれるだろう!
2016/08/11
2016/09/17
2016/10/16
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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