映画「ザ・ビーチ」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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東南アジアのタイ♥ヤク中の男に“ザ・ビーチ”という楽園を教えられたアメリカ人青年がフランス人カップルを誘って楽園へ向け旅立った。彼ら3人が訪れた“楽園”とは大麻畑が広がる島だった…。
その島では、大麻を売ればそれこそ売るほど金がある。だが自給自足でありプラスして誰かがケガをしても医者もいない。“楽園”に住民を増やしたくない現地民は医者さえ連れてこなかった。やがて、この島に築かれたやって来た人々たちの“コミュニティー”v.s.現地民の…。
「トレインスポッティング」で大ブレークしたダニー・ボイル監督が「普通じゃない」以来メガホンを取り、「仮面の男」以来2年ぶりの主演となる「タイタニック」のレオナルド・ディカプリオを主演に添えたスリラー。ティルダ・スウィントンが手に入れた楽園を離すまいとする姿に心惹かれる。
原作はアレックス・ガーランドの“ビーチ”で、その原作には主人公のアメリカ人青年はイギリス生まれの22才と書かれている。なお、2016年6月にガーランドの初監督作品となるSFスリラー「エクス・マキナ」が公開された。公開が終了してDVD化を待っている今だが、レンタル店が混みそうである。
「フィクサー」のアカデミー賞女優のティルダが声帯を痛め手術→静養というロックバンドの女性ボーカリストとして登場する「胸騒ぎのシチリア」が2016年11月公開。同作ではティルダ自らが発案して、声を殆ど出さない役にしたという。喋れないというワケではなく、元カレ(=レイフ・ファインズ(「英雄の証明」、「エレン・ターナン~ディケンズに愛された女~」))と口を聞きたくないので、身振り手振りで小声さえ出せないフリをする…と、極端にセリフが少ない主人公なティルダ。99.99999%の人がunimaginableな結末なのでドウゾ!
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ストーリー・ネタバレ
東南アジア・タイのバンコク。
アメリカ人青年リチャードは休暇でやってきていた。(アレックス・ガーランドの小説ではイギリス生まれ、22歳と書かれるが劇中にはその様な描写はない。)
大きな人々の群の喧噪を彼は楽しんでいた。そんなリチャードが滞在したホテルでダフィという男性に出会う。ドラッグ中毒で精神的におかしくなっていたダフィだが、リチャードに“ビーチ”について話をする。そこはこの世の天国のような素晴らしい楽園だという。次の日、リチャードは自分の部屋のドアにピンで留めてある地図を見つける。その地図は例の“ビーチ”の場所らしい。そこでリチャードはダフィの部屋を訪ねると彼は自殺をしたあとだった…。
楽園について半信半疑のリチャードだがダメ元で探すことを決意、同じホテルに滞在中のフランス人カップルのエチエンヌとフランソワーズを誘い楽園探しに出かける。地図に載る楽園のある島は孤島でありもちろんツアーなど出ていない。エチエンヌの手配でその島の隣の島まではなんとか来れた。そして泳いでやっとたどり着いた島はジャングル。そこを抜け出してみると眼前に広がるは大麻畑。浮かれる3人だったが、そこには銃を構えた男達がいた。なんとか見つからずにそこをやり過ごす3人。さらに歩を進めると滝にやってきたのだが遙か下に湖。どうしようかと悩み、リチャードとエチエンヌはケンカになるが、フランソワーズが勇気を出して飛び込み安全だとわかり2人も飛び込む。浮かれる3人の前にキーティが現れ3人の勇気に感服し自分たちの“コミュニティ”に案内した。
そこでは島にたどり着いた人々が共同生活をしていた。もちろん電気などなく、捕った魚などを食料として自給自足をしている。金は大麻を売って稼ぎ、日用品で足りなくなったものがあれば近くのパンガン島まで買い出しに出かける。そんな生活を女性リーダーのサルが仕切っていた。
リチャード達3人はすぐに受け容れられ、世界で一番美しい“ビーチ”に案内される。そこはまさに美しい以外の何物でもなかった。サッカー、ビーチバレーなど思い思いの娯楽を楽しむ人々。サルから、銃を持った男達は大麻を売る農民達で、互いに関わらない協定と、これ以上コミュニティの住民を増やさないと言う契約を結んでいるとリチャードは聞かされる。
島の生活は楽しいが何か足りない、そう考えていたリチャード。足りないのは恋人、リチャードはフランソワーズのことを気に入っていたのだ。しかし彼女にはエチエンヌがいる。キーティが“囁く”とおり上手くいかないのか?そう思っていたがフランソワーズもリチャードのことが気に入っていて、いつしか“ビーチ”で体を重ねる2人。このことをエチエンヌには内緒と言うことにしたが、彼は2人の中を薄々気づいていた。だが、フランソワーズの幸せを第一に考えるエチエンヌは2人の中を認めるのであった。
恋人もでき最高の生活を送っていたリチャードが、パンガン島への買い出しのためにサルについていくことになった。着いた島ではかつての喧噪が支配しており、島の生活とは天と地の差ほどの虚無感を感じるリチャード。そんな中、滞在中のホテルでサルに誘われて彼女と寝てしまうリチャードであった。
島に戻り再び素晴らしい日々を送るリチャード。しかしサルと寝たことがフランソワーズに知られて振られてしまう。
そしてコミュニティの“非情さ”も顔を出し始めた。鮫によって住民2人が大けがを負ったのだ。もちろん島には医者は居らず他の島へも怪我がひどくて運べないために、医者をこの島に呼んで欲しいと怪我人はサルに頼むが“楽園”のことがばれるために拒否される。怪我人の一人が死んで弔うコミュニティの人々。しかしクリストが重傷で虫の息ながら生きていた。しばらくは自分たちの寝る小屋にクリスとを置いておいたが、彼のうめき声などに嫌気がさした住民達はなんとクリストをジャングルに置き去りにしたのだ。心やさしいエチエンヌは一人、彼を看病してコミュニティを離れた。リチャードもクリストを見捨ててエチエンヌを置いてけぼりにした。そして、再び楽園の生活に戻る住民達。
そんなある日サルに呼び出されるリチャード。双眼鏡で隣の島を見てみるとそこにはこの“ビーチ”を目指す若者4人がいた。リチャードは彼らに地図のコピーを渡してしまっていたのだ。サルは、若者を監視するようにリチャードに命じ、来たら追い返すようにと言ってジャングルに置き去りにした。孤独感に次第に心を病んでいくリチャードは、大麻栽培の農民達の家に忍び込み銃をいじったり、コミュニティのみんなの食料を盗ったりする。そして住民達に見放されていく。
結末・ラスト
やがて例の若者達が島にやってきた。しかし彼らは農民達に殺されてしまった。正気に戻り危機を感じたリチャードはエチエンヌとフランソワーズに会い、この島を出ようと提案する。エチエンヌは足が壊疽しているクリストを置いて行けないと言うが、リチャードはエチエンヌが居ないところでクリストの口を塞ぎ…。
と、その時コミュニティの小屋へ農民達が乗り込んできた。若者達が地図を持っていたために“これ以上住民を増やさない”という約束を守らなかったと思われた為である。サルは、地図を渡したのはリチャードだと農民達に言うが、彼らは“楽園にいたければリチャードを撃て”と一発だけ弾丸のこもった銃をサルに渡す。やっと築いた楽園を去りたくないサルはリチャードを撃つ!だが弾は発射せず助かったリチャード。コミュニティを崩壊させる為の狂言を仕込んだ農民…。
これを見た住民達は一斉に楽園を後にした。この島にはサルだけが残ったのであった…。
現実社会に戻ったリチャードがメールをチェックをしていた。両親からのメールと共に来ていたのはフランソワーズからのメールで、島で撮ったコミュニティの写真と共に以下の文字が添えられていた。“PARALLEL UNIVERSE. Love, Françoise(パラレルな宇宙。愛を、フランソワーズ)”
“パラレルな宇宙”とはリチャードがフランソワーズを口説こうと語った言葉。これを見たリチャードはふっ微笑みを浮かべるのであった…。
レビュー・感想・解説・評価
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「シャロウ・グレイブ」、「トレインスポッティング」、「普通じゃない」のダニー・ボイル監督、アンドリュー・マクドナルド(製作)、ジョン・ホッジ(脚本)が4度目の手を組んだスリラー・ドラマ。
原作はアレックス・ガーランドの『ビーチ』でありアーティストハウスから出版(Amazonリンク)されている。
何時ものようにキャストを。
・主演は「タイタニック」の…と言うには古すぎる?2016年、「レヴェナント:蘇えりし者」で念願のオスカーを受賞したレオナルド・ディカプリオ。彼がリチャードを演じる。“意欲作”「太陽と月に背いて」、モノクローム映画「あのころ僕らは」が最近観て面白かった。前者は当時アイドルだったディカ君が男の人とキスを…等と話題になった実在の詩人を描いた作品。男性同士と言っても作品として綺麗に出来ているので拒否感はない。ディカ君ファンは“ソッチ”をキッカケにレンタル屋さんで手に取ってみても良いだろう。きっと作品の良さに惹かれるから…。
・リチャードと恋仲になってしまうフランス人女性に「8人の女たち」のヴィルジニー・ルドワイヤン。この移り気な女性は何を意図したものであろうか、原作を読んでみたら記述してみたいが映画を観ただけでは納得or共感しづらい人間性。
・フランス人青年エチエンヌに扮するはフランス人俳優ギヨーム・カネ。2016年7月2日はツール・ド・フランスが開幕する日なのだが、そのツール・ド・フランスを7連覇したランス・アームストロングを描いた「疑惑のチャンピオン」という映画が日本で公開される日でもあり、カネが実在のイタリア人医師役として出演している。彼の役どころである医師は究極のドーピングを施す医師…。
・ヤク中の男を演じて直ぐに死んでしまうがリチャードの妄想という形で度々姿を現す男性にロバート・カーライル。カーライルはボイル監督の「トレインスポッティング」のメインキャストだ。同作での活躍により「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ」で敵さんになるのだからいかに「トレインスポッティング」の影響力が映画界で大きいか分かる。
・コミュニティのリーダー、サル(≠猿)に扮するは「フィクサー」でアカデミー助演女優賞を受賞したティルダ・スウィントン。本作の翌年製作でトム・クルーズ主演の「バニラ・スカイ」、コーエン兄弟の映画で「フィクサー」でも共演したジョージ・クルーニーが主演の「バーン・アフター・リーディング」など。後者ではジョン・マルコヴィッチの妻だがジョージ・クルーニーと浮気…コーエン兄弟の映画らしい豪華な面々、例えばジョエル・コーエンの妻フランシス・マクドーマンドやブラッド・ピット、「セッション」のオスカーウィナーであるJ・K・シモンズが出演するなどオモシロイ。
前の感想…。
久しぶりのディカプリオ主演作品となる今作、脚本に惚れ込んだ彼は監督達の誘いもあり出演した。そんな彼は生き生きした現代の若者から、狂気に満ちる男まで好演している。内容はまあ現実離れした突飛なものだけど、現代人の不満、あこがれや現代社会への警鐘がそれと明に分からないように盛り込まれている脚本に共感した。劇中にはゲームを模したカットも盛り込まれ遊びが感じられる作品だ。
ディカ君の裸や情事のシーンが多数登場し、女性ファンにとっては複雑な心境だろう。だが、この作品でそんなものではない役者として良い演技を見せたと思った。
2000/05/21
本作は地元の映画館でtoikunが唯一観た事がある洋画。当時ディカ君が嫌いだったのに何故に観たのであろうか…本作しかチョイスがなかった?まぁその後地元では映画館がなくなってしまい、復活→なくなる→今年復活???な状況みたいだが。当時の感想など覚えていませんが今回のを…。
普通に良い映画と感じた2016年。「トレインスポッティング」と同じく若者を描いたものであり、まぁボイルらしいかな?ガーランドの原作に忠実かはこれから450ページの小説を読んでみようと思うのでお待ち下さいな!
“悪”である現地農民が何故コミュニティの樹立と20人オーバーの受け入れまで許したのかがイマイチワカラン。彼らが“チョットの人数ならOK☆”と言ったとはとても思えない。これマイナス点。
プラス点はティルダ・スウィントンのサルさん。何か共感しちゃう…。頭の良い彼女がリチャードが指摘したコミュニティ崩壊を理解できなかった点が興味深い。
サルの彼氏バッグス(=ラース・アレンツ=ハンセン)が、リチャードとサルの関係がある前からリチャードに突っかかってきた、サメを倒した武勇伝とか…この時点でサルの恋心がリチャードに向いていたかはtoikunは分からず疑問だったな。
本作、ダニー・ボイルがレオナルド・ディカプリオを主演に添えちゃった事で「トレインスポッティング」のユアン・マグレガーが怒って監督と仲違いして「トレインスポッティング」の続編が流れ…って曰く付きの映画だけど「トレインスポッティング」の続編正式決定☆facebookのファンサイトは英語であるがボイルファン、「トレインスポッティング」ファンはチェックしてみて!
…ボイル監督、「スラムドッグ$ミリオネア」でアカデミー監督賞を獲て、ロンドンオリンピックでも総監督してシェイクスピアフリークのケネス・ブラナーを朗読で使ったり「007/カジノ・ロワイヤル」、「007/慰めの報酬」などのダニエル・クレイグをボンドとして出しちゃったりスゴイ!だからユアン・マグレガーが戻ってきたのか…?分からないけど、彼も「スター・ウォーズ」出たしねぇ(汗)
さて、ちと宣伝。
あらすじ欄にも書いたけどアレックス・ガーランドの初監督作品「エクス・マキナ」が6月11日に公開される。製作は本作の製作もしたアンドリュー・マクドナルド。出演は今年アカデミー作品賞にノミネートした「ブルックリン」(7月1日公開)のドーナル・グリーソンと、「リリーのすべて」でアカデミー助演女優賞を受賞して「二ツ星の料理人」も公開されるアリシア・ヴィキャンデル。脚本はもちろんガーランド自身であり彼はアカデミー脚本賞にノミネートした。怖くて、そして、考えさせられるので是非劇場へ…。
そしてチョット上に書いたギヨーム・カネの出演作品である「疑惑のチャンピオン」は7月2日公開で脚本は本作脚本のジョン・ホッジ。
2016/05/02
2016/10/15
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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