映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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アメリカ。共産党に入党している映画脚本家のダルトン・トランボが議会の下院非米活動委員会(HUAC=The House Committee on Un-American Activities)にかけられて、共産党員の友人達を売るように言われるが、彼は持論を展開して、侮辱罪を認められて服役する事になった。
出所しても、“ブラックリスト”に名前がある為に“ダルトン・トランボ”の名前で執筆活動を行う事ができないトランボ。家族を養う為に執筆した脚本を友人に渡し、友人の脚本として世に出た映画。その映画を「ローマの休日」と言う。ご存じの通り「ローマの休日」はアカデミー脚本賞を受賞して友人にオスカー像が行き、友人はトランボに渡そうとするが彼は受け取らなかった。
トランボは脚本執筆に更に精を出し、それを偽名や友人の作品として世に出していく…。
仲間内での秘密だったトランボの執筆活動が、“公然の秘密”となり、やがてトランボの名で…。
本年のアカデミー賞で主演男優賞にノミネートしたブライアン・クランストンが実在の共産党員であり名脚本家のダルトン・トランボを演じたノンフィクション・ドラマ。
「真実の瞬間(とき)」に関しても大いに語りたいし、それが書かれる下方のレビュー欄を観て頂きたいので、ここでの紹介以上。
「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」の公式サイトはコチラ。すごく良く出来た公式サイトであり、本作を観る上で全ての知識が分かる。映画を1500円で鑑賞できる“ムビチケ”に関する記述もあるので是非ご覧下さい。
本作の公開は7月22日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。
なお、本作の原作『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 ハリウッド映画の名作を残した脚本家の伝記小説』(Amazonのリンク)が発売中なので手に取ってみよう!
政治的立場に右や左はあるだろうが、本作はどちらの方も気分を害する事なく鑑賞できる。お友達と是非、劇場へ足を運んでみて下さい☆
あぁ、エリア・カザンを描いた映画が作られないかな…ボソッ…。
配給:東北新社
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(しばしば劇中で愛称の“デューク”と呼ばれる)

通称エディ

ストーリー・ネタバレ
アメリカ。
1930年代には数千人の市民が共産党に入党したと言われる。映画の脚本家ダルトン・トランボは1943年に入党した。
1947年、カリフォルニア州ロサンゼルス。
ダルトン・トランボは長湯をしてアイデアを練るのが日課のようだ。時に風呂場にタイプライターを持ち込み執筆するのだが。
この時代のトランボは既に有名な脚本家である。友人であるエドワード・G・ロビンソンの撮影現場に脚本家として赴くトランボ、皆に頼りにされている。
この頃は、共産党員という事はデメリットだったのか?売れっ子脚本家のトランボは裕福であり、仲間からは“金持ちの共産主義者”とからかわれても咎めるものなどいなかった。
ある時、トランボは妻のクレオと一緒にニュース映画を観に行った。映画にはトランボが映っており、共産党員としての持論を語っている。上映が終わり帰宅しようとしたトランボに、なみなみ入ったコーラのコップを投げつける男がいた…。状況が掴めるのか掴めないのか、娘は父トランボにこう聞いた。
“Dad, are you a Communist?”
“パパって共産党員なの?”
娘は母も共産党員かを尋ねる。トランボは信念のある共産党員だが彼の妻クレオは共産党員ではない。さらに娘は父トランボにこう聞いた。
“私も共産党員なの?”
トランボはこう問うた。
学校の給食の時間にご飯を持ってきていない友達がいたら、お前はどうする?
“私のを分けてあげる!”
トランボは“ちびっ子コミュ”と言って娘をからかった。どんな政治信条があろうが親子が子を思う気持ちは“1つ”なのだろう。
ある場所で開かれている“Motion Picture Alliance”。“Duke(デューク=公爵)”と敬意を込めて呼ばれる大映画スターのジョン・ウェインが共産党員の映画関係者について批判的に語っていた。会場に入る事が出来ない共産党員のトランボや仲間達は会が終わるのを待った。手には作成した冊子(=共産党の理想や、今の映画業界の富の分配についての不満がある)を携えている。ジョン・ウェインに手渡そうとするトランボ達、デュークはそれを受け取りはするが、直ぐに破り去った…。
やはり、この年代では、“体制には共産党は理解されていない…”。
映画製作会社MGM=メトロ・ゴールドウィン・メイヤーを訪ねたトランボは三年契約を提示された。ただプロデューサーのメイヤーには“赤の様な発言をしないように”と念を押されるトランボ。“聞く人がいなけらばいいだけさ”とジョークを言ってサインをした。
だが帰宅したトランボが庭で家族や友人帯人団欒をしていると、見慣れる黒塗りの車が数台現れた。非米活動委員会の男たちであり、トランボに“非米活動委員会への召喚状”を手渡して去って行った…。公開の非米活動委員会に召喚されたのはトランボを含めて彼の友人の映画関係者合計19名…。
1947年9月。
後の1981年に大統領になった俳優ロナルド・レーガンもまた共産党への批判を語り、共産党員への風当たりは厳しいと言わざるを得ない。非米活動委員会に召喚される事になっているトランボ達は対策を考えるが、トランボは決して屈しない事を決意している。それは彼の一番の友人であるアーレンもだ。
公開の非米活動委員会。トランボは委員長の質問には的確には答えずに持論を展開して退席を命じられてしまった…。トランボはその後親友アーレンの病=肺癌を患っている事を知るのだった。
非米活動委員会の判断を前に、女性映画コラムニストのヘッダ・ホッパーがメトロ・ゴールドウィン・メイヤーのメイヤーを訪ね、脅しをかけて来た、昔馴染みのメイヤーに対して。それは“先に契約したトランボとの三年契約を破棄し、また他の共産党員の映画人を解雇せよ”という脅した。非米活動委員会で証言をしなかった10人を“ハリウッド・テン”と呼ぶのだが、ヘッダの脅しに屈したMGMはトランボを含む“ハリウッド・テン”を全員解雇した…。
1949年6月、ダルトン・トランボは侮辱罪により有罪となってしまった…。
ある日、トランボは友人バディ・ロスが新しく作った映画製作会社ロス・ピクチャーズの事務所にいた。バディに脚本執筆を頼まれるトランボだが、彼は“ブラックリスト”に載っていて、“ブラックリスト”に載る人物を起用すると大いなる圧力をかけられてしまうのだ。
ならば偽名で書けばいい。
トランボは久しぶりに脚本を執筆して娘ニコラを連れてバーに行くと、友人の脚本家イアン・マクレラン・ハンターに会って、執筆した脚本を見せた。イアンは金の配分について“50:50”で十分と話すが、トランボはそれ以下の執筆料で脚本を渡した。イアンもまた実力派の脚本家。彼をしてトランボのこの脚本は素晴らしいらしい。ただ、題名は駄作だと感じるイアンだし、それはトランボの娘ニコラもそうだった。結局、題名はイアンによって『ローマの休日』とつけられた。
トランボ、そして友人アーレンは裁判を受けなければならない。裁判には金が掛かるので、友人の俳優エディはゴッホの絵を売ってトランボに金を渡していた、少し前に。この時はエディとトランボは友人と呼べるものであったのだが…。
50年6月、トランボはケンタッキー州にあるアシュランド刑務所に収容されるのだった。刑務所で上映される映画を観るトランボの気分とは一体…!?
このトランボの刑務所生活の中、トランボに金を渡した友人エディは非米活動委員会に召喚され、トランボが共産党員である事を吐いてしまった…。それを刑務所で聞いたトランボの気持ちはどうであったか…。
“顔が仕事道具であるエディ”はトランボのように偽名で仕事など出来ない。デュークはエディを称えるが、コラムニストのヘッダは尚も厳しかった…。
51年4月に出所したダルトン・トランボは迎えに来ていた妻クレオと抱き合った。自宅に帰宅するが大黒柱のトランボが収入を得られなかった為に家は売りに出されていた。
妻クレオ、長女ニコラ、長男クリス、そして次女ミッツィとの生活を立て直す為に、ダルトン・トランボは身を粉にして働く事になるのだが…。
[ストーリーは導入のみ]
・ダルトン・トランボに手を差し伸べた映画会社の社長フランク・キング。
・そしてトランボを思う人は増えていき…。
・脚本執筆に没頭する余り家族との関係は…。
そして
アカデミー脚本賞受賞!(偽名の人が)
オスカー像を受け取るのは代理人…。
家族の為に、そして良い映画を創る為に執筆するダルトン・トランボに待ち受ける結末とは!?
“赤狩り”を描いた映画であり本作はノンフィクション。
同じく“赤狩り”が描かれるフィクション映画「真実の瞬間(とき)」という映画があるが、共通点として“友の裏切り”がある。
どちらの映画も言いたい事は同じだと思う。しかし「真実の瞬間(とき)」は終始暗い。しかし本日は明るい描写も多いのでそれ程重たくならずに観られるぞ!
注目はダルトン・トランボの最後の演説だ!
レビュー・感想・解説・評価
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よみうりランドの試写会に参加した本作。まず珍しくチョットした感想から述べちゃう。劇中でトランボはやたらめったらウイスキーを飲んでいるのだが、その品名が『シーバスリーガル』と『ディンプル』だという。試写会が終わって参加者に配っていたよ~、toikunはアル中なのでスルーしましたが…。
ノンフィクションの本作のメガホンをとるのはジェイ・ローチ監督。ローチが参加した映画作品として「オースティン・パワーズ:デラックス」(監督)、「ミート・ザ・ペアレンツ」(製作・監督)をレビューしているがどちらもプチ下品な良作品コメディ。何か意外だなぁ…。
では、キャストを紹介する。
・主人公ダルトン・トランボを演じるのは本作の演技でアカデミー主演男優賞にノミネートしたブライアン・クランストン。クランストンにとって初ノミネート作品。相手がレオナルド・ディカプリオだっただけに、可哀想だったなぁ。他の出演作品は、アカデミー作品賞にノミネートした「プライベート・ライアン」とアカデミー作品賞を受賞した「アルゴ」など。
・トランボの奥さん役に「運命の女」でアカデミー賞にノミネートしたダイアン・レイン。コンピュータースリラーの「ブラックサイト」では主人公のFBI捜査官、怖かったなぁ。他に1983年のヤングアクター総出演映画「アウトサイダー」はフランシス・フォード・コッポラ監督作品。
・すげぇコミュニストを毛嫌いするコラムニストに「クィーン」でエリザベス女王を演じたアカデミー主演女優賞を受賞したヘレン・ミレン。お爺さま、お婆さまのアクションシリーズ「RED/レッド」、「REDリターンズ」では引退したMI6スパイとして過激なアクションを魅せる。
・アメリカのアイコンと言えるスター俳優のジョン・ウェインを演じたのはデヴィッド・ジェームズ・エリオット。toikunはデュークを知らないが、似ているとは思わなかったな…。
・カーク・ダグラスを演じたディーン・オゴーマンは本当にパパ・ダグラスに似ていたよねぇ。マイケル・ダグラスに何かがあったら、またオゴーマンが演じるんじゃないかと思ってしまう。「ホビット 思いがけない冒険」シリーズ等の俳優。
・トランボの長女ニコラの青年期を演じたのはダコタ・ファニングの妹…と言うのは止めたいなぁ…なエル・ファニング。ブラッド・ピットとケイト・ブランシェットが共演した「バベル」では2人の娘役だった。他にtoikunがとても大好きな動物もの「きいてほしいの、あたしのこと ウィン・ディキシーのいた夏」など。彼女の公開待機作の数が凄すぎ…。
・名監督オットー・プレミンジャー役にドイツ人俳優のクリスチャン・ベルケルを持ってきたのは正解だったよね。本作で一番コミカルだったんだじゃないかな?「ワルキューレ」という戦争映画ではトム・クルーズと一心同体的な思いを持っていた。
・そして、横暴な太っちょ(太いのはいつも)映画会社社長を演じたのは個性派俳優のジョン・グッドマン。前述「アルゴ」もあるが、toikunはテレビ映画「死を処方する男 ジャック・ケヴォーキアンの真実」で苦悩するアル・パチーノと共に安楽死を行っていた役が印象的だった。他に古いコメディ「パンチライン」など。
さて。
本作は映画宣伝の為に観たわけではないので、公開前につき結末に触れるような発言は勿論しないが、出来るだけ言いたい事を言っちゃうよ!
宣伝の為の記事ではtoikunは映画ライター。他は批評家…もどきorz。
こう言うことを余り言いたくはないのだが、本作の公開が近づくにつれて「真実の瞬間(とき)」のアクセス数が増えているという事実があった。その理由が分からなかったtoikun。でもね映画.comさんかな?で本作「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」の紹介を見て、“赤狩り関係かな?”って納得して、本作を観たくなったのだ。
このトランボっておっさんの執筆の姿勢が面白いよ~!お風呂、冷めちゃうんじゃない?んで、タバコは吸うわ、ウイスキーはちょくちょく口にするは。本作のトランボとウイスキーの“関係”、事実を調べたわけではないが、本作では“先に呑まれてはいない”、つまりアル中とは描かれていない。toikunはアル中だから、アレ程口にしたらパソコンなんて打てないよ。…トランボはアルコールに便りはしたが、“家族の為に仕事をする”という事を忘れなかった。
家族関係に深く触れるとネタバレになるので止めるが、夫婦関係、親子関係がキチンと掘り下げられて描かれるので、これは政治的主張がどうあれ共感できると思う。
言いたい事を言う前に蛇足するよ。本作では“パンチングボール”が登場。先日レビューしたダンスと音楽が絶妙に融合したエンタメ映画「ハートビート」では“サンドバッグ”が登場して、本作も「ハートビート」でも怒りをぶつけていて、こんな共通点に触れたかったんだ、アホみたいなtoikun…。
さて「真実の瞬間(とき)」に触れます。
本作と「真実の瞬間(とき)」の大きな違いは主人公が共産党員であるかどうか。「真実の瞬間(とき)」のロバート・デ・ニーロは数回共産党の集会に出席しただけで、主張も何もなかったかのように思う。ただ、どちらも非米活動委員会に召喚され、証言を拒否して、友達を売らなかったのが同じ。
と、T's Theaterの常連さんには“耳タコ”だろうが、また「アメリカン・プレジデント」(リチャード・ドレイファス出演)や前述「真実の瞬間(とき)」に記述した事と同じ事を書く。
「エデンの東」の監督エリア・カザンのアカデミー名誉賞授賞式の時が異様だった、コレまでになくね。これ、カザンが仲間を売っちゃったから。プレゼンターとして登壇したのが「真実の瞬間(とき)」に出演したマーティン・スコセッシとデ・ニーロだったの。当時、何を喋っていたのか分からなかったし、「真実の瞬間(とき)」を観ていてなかったから、2人が登壇した理由が分からなかった。で、いざ受賞となったときに、称える人と、怒る人という全く正反対に分かれた。
で、よくよく覚えているリチャード・ドレイファスさんが腕組みして立たなかったので、弊サイトの各ページで記述しまくり…。
推測になる。恐らく現在のアメリカにおいて共産党は少数政党であり、別にドレイファスや、カザンを称えなかった人が共産党員なワケではない。
彼らが受け容れられなかったのは、エリア・カザンが友人を売ってしまったからだ。
この点において、本作「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」の最後の方で胸を打つ台詞が語られるので、エリア・カザンの事実も思い浮かべて欲しい。
と・と・と、折角エリア・カザンの名前を出したので、このページに追記するが先日鑑賞した「ブルーに生まれついて」という実在のジャズ・トランペット奏者チェット・ベイカーを描いたドラマで、エリア・カザンの“名前だけ”出てきた。同作の時代的には1950年代~60年代だから出てきて当然の名前だが、カザンへの批判云々の話は出なかったように思う。
さて。エリア・カザンを歴史上の人物として描いた映画ってあるのかなぁ?toikunは知らないのだが。
どの様に描かれるのか非常に興味がある右寄りのtoikunでした☆
2016/07/10
2016/07/27
2016/10/01
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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