映画「ユージュアル・サスペクツ」あらすじ,ネタバレ,レビュー
原題:
邦題:
原題訳:
製作年:
製作国:
上映時間:
ジャンル:
監督:
主演:
あらすじ
1人の映画ファンの口コミ・レビューがあります。(クリックすると下方のユーザーレビューに移動)
面通しの為に何時もの5人の容疑者が集まった。彼らの中で生き残ったのは1人だけ。警察はその男におぞましい事件の話しを聞く。果たしてカイザー・ソゼとは何者なのか?
本作でアカデミー助演男優賞を受賞し後の「アメリカン・ビューティー」ではアカデミー主演男優賞に輝くことになるケヴィン・スペイシーの“あのシーン”には舌を巻かざるを得ない。
感想・レビューを書いてみませんか?投稿フォームはコチラ[下にあります]
説明:
ストーリー・ネタバレ
アメリカ・カリフォルニア州サンペドロの港で少なくとも十数人の男が殺されて、彼らの船が焼かれると言う事件があった。生き残ったのは僅かに2人で、1人は大やけどの重傷で入院中、もう一人は左半身が不自由なヴァーバル・キントだった。
ニューヨークにある関税局に勤めるクイヤン特別捜査官は事件の捜査のために、サンペドロ警察所に拘留されているキントを訪ねた。市長はもとより知事までもがキントの釈放を要請するなど何か大物が控えていそうなキントが釈放されるまであと2時間。クイヤンは真相を聞き出そうとし、キントは語り出す。
発端は6週間前のニューヨークで銃を積んだトラックの強奪事件が起こったことだった。犯人を絞りきれない警察は何時ものように前科のある怪しい5人の人間を引っ張った。2人でつるむマクマナスとフェンスター、爆破のプロであるホックニー、警官であったが過ちを犯して犯罪者になったものの堅気に戻りたいキートン、そして障害者で詐欺師のキントの誰も一癖も二癖もありそうな怪しい奴ら。
事件については何も語らない5人。一筋縄でいかない5人が拘置所という1箇所に集まったのだからなにも起こらないはずはなかった。マクマナスは実入りのいい“仕事”をしようと提案をしてきた。キートンだけは渋った。それは過去から知っているマクマナスがそれ程信頼に足る人物ではないし、恋人である弁護士のイーディと気質として暮らしていこうと決意していたからだ。だが、1度犯罪を犯すと犯罪者のレッテルを貼られることに嫌気がさしていて、キートンも参加することになる。
その“仕事”とは、悪者の警察官が警護する南米からやって来るの犯罪者からエメラルドを奪うことだった。かつて、警官はパトカーを使って犯罪者の乗るタクシーを警護すると言うことがあった。モチロン見返りは大金だ。だが内務調査局がそれを調べていて大勢の警官が捕まって、“この特別なタクシー”というのは無くなったハズであった。マクマナスは、レッドフットという男から頼まれて、14分署の警官からこのタクシーが復活をして、エメラルドを持つ男が乗るという話を聞きつけたので相棒のフェンスターや他の3人を誘ったのだ。
5人は首尾よく仕事をやってのけた。だがロサンゼルスにいるレットフットにエメラルドを受け渡さなければならない。最初、マクマナスはフェンスターと2人で行くと言い出したが、何時も連んでいる2人では逃げてしまうと考えたホックニーがいちゃもんを付けると5人でロサンゼルスへと行く事になった。その際、キートンは恋人イーディには何も告げなかった。自分の前歴を知っていても恋人として接してくれた彼女を裏切ってしまったのだから、今生の別れと彼女に目を向けてロサンゼルスへと向かった。
ロサンゼルス。レットフットに逢った5人はエメラルドと引き換えに大金を手にするが、レッドフットは更なる仕事を持ちかけてきた。テキサスの宝石屋がこのロサンゼルスに宝石の買い付けに来ているという。宝石屋はその場で鑑定をして現金払いをするので大金を持ち歩いている。レッドフットは用心棒付きの宝石屋を襲い、持っている金はやるから、宝石を持ってきて欲しいと頼んだ。乗り気のマクナマスとは反対にそこでも渋るキートンがいた、殺人事件になるかもしれないから…。
5人は地下駐車場で待ち伏せると予定通りに宝石屋が用心棒と共に現れた。だが予想外の抵抗を受けてしまい、マクマナスは仕方なく用心棒の2人を撃ち殺した。そして宝石屋からアタッシュケースを奪ったキートンだが、キントが宝石屋にとどめを刺した…。
だがこの仕事の成果は思ってもみないものであった。アタッシュケースに入っていたのは宝石ではなく麻薬であったのだ。事情を聞くために再びレッドフットに会った5人は彼を問い詰める。すると、レッドフットは、これはとある弁護士が持ちかけてきたヤマだと言った。そして5人はその弁護士、コバヤシと会うことになる5人。
ホテルの部屋でビリヤードをしていると静かに現れた弁護士を名乗るコバヤシ。そしてコバヤシは“カイザー・ソゼ”という男の名を口にした。その名前にビックリするキント以外の4人。カイザー・ソゼは悪者の中の悪者らしいのだ。詐欺にしか手を出さしてこなかったキントがその名を知らないのも無理はなかった。そして5人は、カイザー・ソゼに間接的に被害をおわせたというコバヤシ。5人がやってきた仕事の中に、カイザー・ソゼに損害を負わせるものがあったというのだ。そしてカイザー・ソゼは、「港にやってくる船を襲い、その船に積んであるライバル組織が取り引きに使うヤクを沈めて、金は自分のものにして良い」という仕事を“命令”したのだった。
コバヤシが残したバッグの中には、5人の全ての“情報”が入っていた。初めて踏んだヤマから家族構成に至るまで全て…。驚く5人だったが、その後、仕事をするか、しないかの選択を迫られる。フェンスターはカイザー・ソゼの名前にビビって姿を消してしまう。フェンスターの古くからの仲間であったマクマナスは怒るが、すぐさまフェンスターは見つかった、砂浜で、そして死体で。
残された4人は、自分の身を案じて、コバヤシを殺そうと考えた。コバヤシがカイザー・ソゼかも知れないからだ。コバヤシを襲う4人。だが、コバヤシは1歩も2歩も先を行っていて、手を出せなかった4人。コバヤシはキートンの“弱点”であるニューヨークに置いてきた彼女イーディを、とある弁護士の仕事で呼んでいたのだ。これでは手を出せるわけはない…。
結末・ラスト
仕方なく4人は“仕事”をすることになる。真夜中に港にあった船へと乗り込むキートン、マクマナス、ホックニー。キントはというと、障害者である彼の身を案じたキートンが外で待機するように言ったのだ。マクマナスは得意の拳銃で片っ端から敵を撃ち殺していき、キートンも刑事時代からの拳銃の腕で敵を倒していく。だが、船の外で車から大金を見つけたホックニーがやられてしまった…。船の中にはマクマナスとキートン。船の外にはキント。
マクマナスとキートンが船を探しても、一向に、沈めるはずのヤクがなかった。“脱出しよう”とマクマナスは行って、2人は別々に船の外へと出た。だが先に出たキートンの元へやって来たマクマナスは後頭部をナイフで刺されており倒れて息絶えてしまう。5人の“ユージュアル・サスペクツ”の中で今、生き残っているのはキートンとキント…。
やがて状況が怪しくなるとキントは物陰に隠れて見張る。するとてキートンも銃弾に倒れてしまった。虫の息で見上げるキートンの前に現れたのはキントであった。キント=カイザー・ソゼであり、キントの目的は、船に乗っている、自分の秘密を知る男の始末であったのだ。ここで始末できなければ、捕まっているこの男は敵組織に売られて、自分に破滅をもたらすと思ったカイザー・ソゼ…恐るべし…。
自分の秘密以外を語り終わったキントは釈放される。だがクイヤンは気づいたのだった。キント=カイザー・ソゼだと。船の生き残りの大やけどの男から得たカイザー・ソゼの似顔絵がFAXで署に届いたのはその時であったが、クイヤンはそれを見る前に気付いた。急いでキントを追うクイヤン!
(この辺で警官姿のクリストファー・マッカリーが住民2人と談笑している姿が映される=カメオ出演)
キントは警察署から出ると、“半身マヒ”はなくなっていた。キントはそれさえも装っていたのだ。4人の前でさえも。彼の出所を待っていたのは、キントが“コバヤシ”と語っていたイギリス人風の男だった。かくしてその男の車に乗ってカイザー・ソゼは行方をくらませた…。
レビュー・感想・解説・評価
感想・レビューを書いてみませんか?投稿フォームはコチラ[下にあります]リンクについて
~~~(矢印と破下線のリンク)は、T's Theaterでレビューしている映画作品や紹介している俳優等、全て内部リンクです。
「“カイザー・ソゼ”とは誰だ?」。1995年最大のミステリーを描いたこの作品。映画ファンならば知らないとは言わせない本作。
映画ファンの高い評価を得る本作のメガホンをとるのは後に「X-メン」なども手掛けることになるブライアン・シンガー。シンガー監督のレビュー作品としては如何にもハリウッド映画らしい“言語の移り変わり”を見せる「ワルキューレ」がある。
本作の脚本を執筆したのはラストでカメオ出演もしているクリストファー・マッカリー。本作でアカデミー脚本賞を受賞した。マッカリーは後に「ツーリスト」の脚本、ノークレジットながら「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」の執筆を行い、監督業にも進出し、その中の一つに「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」がある。
キャストを。
・メインキャストのクレジット順はウディ・アレン映画と同じファミリーネームのアルファベット順であったが、本作の主演と言えるのが元刑事を演じたガブリエル・バーン。2016年には月並みな表現となるが本当に素晴らしい家族の物語「母の残像」が公開。他にリュック・ベッソン監督作品で一世を風靡した「ニキータ」を余りスパンを開けずにハリウッドでリメイクした「アサシン 暗・殺・者」はリメイクだからと侮るべからずな非常によく出来た映画。
・本作で初めてのアカデミー賞を受賞したのはヴァーバル・キント、ヴァーバル=verbalという名前を笑われてしまう、それは“verbal communication”とか高校英語で習うのだが…なケヴィン・スペイシー。後年には「アメリカン・ビューティー」で今度はアカデミー主演男優賞を受賞する。「セブン」、「L.A.コンフィデンシャル」など話題作に立て続けに出演した90年代。火傷の特殊メイクを顔や身体に付けた「ペイ・フォワード 可能の王国」はtoikunが泣きたい時に観る映画だ。2016年にはアカデミー賞を2つ持つスペイシーが猫になってしまうコメディ映画「メン・イン・キャット」が公開。
・一応、本作のトップクレジットでは劇中で素晴らしい二挺拳銃捌きを魅せるボールドウィン兄弟の末弟スティーヴン・ボールドウィン。古くはオリバー・ストーン監督作品の「7月4日に生まれて」で兄のダニエル、ウィリアムと共演、同作の中では一番目立っていた。他にケヴィン・スペイシーと再共演した「ブラザーサンタ」ではカメオ的に出演して“兄がいること”に嘆いていた。
・クレジット順は低いのだがマクマナスの相棒のフェンスターを演じたという事でこの位置で紹介、プエルトリコに出自を持つ大好きな個性派俳優ベニチオ・デル・トロ。「007/消されたライセンス」にも出演するデル・トロだが、本作以降、大リーガーを演じた「ザ・ファン」、実在のアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキアの友人を演じた「バスキア」などで活躍をして「トラフィック」でとうとうアカデミー賞を受賞。アクション映画「シン・シティ」も面白かったが、近年2013年の「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」は観るべき映画だ。
・最後の“ユージュアル・サスペクツ”、爆弾魔のホックニーに扮するのはケヴィン・ポラック。古くは「ア・フュー・グッドメン」で海軍弁護士を演じて光っていた。他に「気まぐれな狂気」など。
・最後の最後でカイザー・ソゼだと気付いた関税局の捜査官に「ブロードウェイと銃弾」のオスカーノミニー、チャズ・パルミンテリ。本作より1年後の製作だがリメイク版の「悪魔のような女」の役どころを知っていると、本作は違った視点で観られる。他に「アナライズ・ミー」など。
・コバヤシさんは実はマグカップの製造業者だった(苦笑)…意外な真実が明かされるが“偽名コバヤシ”を演じたのはイギリスの名優で「父の祈りを」のオスカーノミニー、故ピート・ポスルスウェイト。日本のホラー映画「仄暗い水の底から」のハリウッドリメイク「ダーク・ウォーター」ではマンションの管理人を演じていた。
・忘れてはいけないサンペドロ署の刑事に扮するのは名脇役ダン・ヘダヤ。「誘う女」や「ザ・ハリケーン」など。
・本作ではノークレジットだがロスのギャングスター、レッドフットを演じたピーター・グリーンは脇役としてよく見る。「パルプ・フィクション」など。
さて、9年前の感想を。
アカデミー脚本賞を受賞するなどとても練られた脚本、そして演じる男達の妙演によって醸し出される“香ばしい匂い”にとても酔ってしまうこの作品である。また、スペーシーのオスカー受賞は役得とも言えなくもないが、それを引いても素晴らしい。なんとも非の付けようがない作品である。
この作品を見るのは何回目であろうか。T's Theaterに掲載しようと書いていた下書きの日付が5年前であった。しかし掲載は断念した。ストーリーを書くのが難しかったのである。遡れば10年前になろうか、この作品との出会いは。映画の良さを確信した、そんな作品である。
ちょっとディーテイルを言うと、ボールドウィンの2丁拳銃での撃ち殺すシーンは忘れられなかった。かっこいいのである。そしてラストの、スペーシーの足を映すシーンは、まさに映画史に残るシーンといえるのではないか。
5点満点(今は倍にして10点満点の評点)ではないのは、何故か?それは…気分的なものと解釈して欲しい。toikunのほんの気まぐれと。満点を付けても全く問題ない作品だ。
余談。1997年の「L.A.コンフィデンシャル」と良く対比をしてしまうtoikun。どちらも高い評価を得ている作品であるが、toikunの中では圧倒的に今作の方が美化されている。内容が全く違いながら比較するのも野暮、そういえばそうなのだが…。
2007/06/03
2016年のを。
「母の残像」というガブリエル・バーンが父親を演じる映画を観て、資料に未だに“「ユージュアル・サスペクツ」のガブリエル・バーン”て書かれていて、実に2016年から遡ること19年。それにケヴィン・スペイシーの「メン・イン・キャット」もあったもんだから“完璧にしてやろう”ともう一度観た。
別段映像としての新たな発見はなかったんだけど、どちらも今年再見となった「悪魔のような女」と「誘う女」があって、チャズ・パルミンテリとダン・ヘダヤの本作の印象がコロって変わった。ちょっと前に観た俳優の出演作品によって印象が変わるのって面白いよねぇ。興味深い映画の見方だ。
WikiPediaにはカイザー・ソゼ役にスコット・B・モーガンとあるが、あれは殆どシルエットだけの役だし、長髪から捉えられる印象としては「マスク・オブ・ゾロ」のアントニオ・バンデラスだよね(苦笑)
本作に興味を持った皆さん、「L.A.コンフィデンシャル」というジャンルの違った映画と見比べてみて下さいナ☆
2016/10/26
2016/11/17
by toikun.
映画ファンの口コミ・レビュー
No.1 ともちん さん
レビュー日時:投稿日時:2016/11/15 09:43:36
評価:9点/10点満点中(最低点1点)
★★★★★★★★★☆
おはようございます?ラストは本当にビックリしました。足が手が(笑)おもしろい作品ですね?もっと早く観ておけば良かったです?
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
ホームページ
コメント:
(コメントをどうぞ。)
T's Theaterへのお問い合わせフォームはコチラ(別ページで開きます)