映画「ザ・ファン」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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ギル・レナードは熱狂的なサンフランシスコ・ジャイアンツのファン。ナイフをセールスしている彼だが、性格は威圧的で妻とも離婚間近、息子とは少ししか会えない。
そんなジャイアンツにボビー・レイバーンが移籍してくる。屈指の強打者の彼をギルは大歓迎。だが、開幕戦こそホームランを打った彼だがスランプが続く。
苛立つギルは、不振の原因が同じチームのプリモとの背番号問題だと気づく。そしてなんとギルはプリモを刺殺してしまう。この後ボビーはスランプを脱出するのだが…。
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説明:
ストーリー・ネタバレ
アメリカ西海岸。
全米4大スポーツの内、プロの野球、大リーグのチーム、サンフランシスコ・ジャイアンツが本拠地を置いている。
この地に、昔からのジャイアンツの熱狂的なファン、ギル・レナードがいた。父が創立したナイフの販売会社R&G刃物社でセールスマンをしているギル。会社自体は亡くなった父親の友人ギャリティが経営しており、ギルは只のナイフのセールスマンだ。ギルは、個人の自宅、会社の重役、そして大手ナイフ販売チェーン店に、自社のナイフの売り込みに行くが、怒りやすいギルの性格が災いして営業成績は最悪だった。ギャリティは“今月末”という猶予を与えた、それまでに営業成績を上げなければクビにすると…。
ギル・レナードは会社ではうだつが上がらず、家庭生活もうまくはいっていなかった。妻エレンとは別居中で、一人息子のリッチーはエレンに引き取られていて、法律が定める僅かな時間しか息子と会えないでいた。それだけでも癇癪持ちのギルには堪らないのに、エレンには彼氏のティムがいて、エレンの家に一緒に住んで、リッチーには父親面をしているのだ。
そんなギルが待ち望む大リーグの開幕戦がやって来た。今年はブレーブスでセンターのポジションを守っていた強打者のボビー・レイバーンが4000万ドルという大金でジャイアンツにやって来たのだ。普通のファンならば期待しないハズはないし、ギルは“普通のファン”ではない、それ以上だ。
妻エレンの家に行き、帰宅時間を守る約束で息子リッチーをAT&Tパークへと連れてきた。ダフ屋に200ドルを払って入場したギルとリッチー。後数時間で開幕、みなソワソワしている。それはボビーのエージェントのマニーもであるし、地元AMラジオ局のレポーター、ジュエルもだった。ジュエルはスーパースターのボビーにインタビューしたいと、マニーに頼むが、“コチラは選ぶ側”、ラジオ局など相手にしなかった。
いよいよ開幕だ。アメリカ国歌の星条旗が歌手により歌われて試合が始まった。初っ端から相手チームがフライを上げて外野のボビーと、ジャイアンツに昔からいる強打者プリモが交錯してしまう。ヘタをすれば4000万ドルがパーになる一件だった。
ギルの待ち望む開幕戦だが、気になることがある。それはナイフのセールスの為に球場を抜け出さなければならない。息子リッチーにその事を言って、一人球場に残して出ようとすると、ボビー・レイバーンが満塁ホームランを放った!だがギルはその瞬間を見ることが出来ずに、盛り上がる周りをヨソに外に出た。そして車を飛ばしてアポを取った会社に行くと、僅かに遅れて相手はいなかった。秘書によれば球場に開幕戦を観に行ったと言う。ギルは秘書を怒鳴り散らして球場へと戻った。
しかし球場にはリッチーの姿はなかった。一人置いてけぼりにされたリッチーを見かねた老夫婦が、リッチーをエレンの家に届けたのだ。ギルはリッチーへの罪滅ぼしの為にやって来るが、エレンに激怒され、警察を呼ぶとまで言われる。だが愛する息子リッチーに愛を誓って、その場を後にした。
先の取引会社のことで、とうとうギル・レナードは会社を解雇されてしまった、父親が創業したナイフの製造&セールスの会社を。アパートに戻り昼間なのにボケッとしているギルに、エレンの弁護士が“接近禁止令状”を持ってきた。これで息子リッチーには法的に会うことが出来なくなったギル。
だがしかし、ギルはリッチーが入っているリトルリーグ=少年野球の試合を観に来た。ギルの姿を見て警告するティムだったが、ギルは逆にバットを振りかざして脅した。そして自分も野球をやって来た経験で、リッチーに教えようとするギルだが、現れたエレンによって阻まれてしまい、自宅へ大人しく帰るしかなかった…。
ギルの今の楽しみは、応援するサンフランシスコ・ジャイアンツのボビー・レイバーンの活躍を観ることだ。だが開幕戦のホームラン以来、ボビーはスランプに陥っていた。実はソレには開幕戦でのプリモとの接触という直接の原因があったのだが、心理的なスランプの原因としては、ボビーが昔からつけてきた11番という背番号をプリモがつけているからだった。プリモはボビーが今つける33番の背番号と自身の11番の背番号を交換する為に大金を仄めかすのであった。打てない4000万ドルのスラッガーにファンは厳しくブーイングの嵐。だがギルはまだ期待していた。
休日のボビー。離れて暮らす一人息子のショーンと久しぶりに会って静かに過ごすことになったのだが、エージェントのマニーがそれを許さなかった。AMラジオ局のジュエルのインタビューを受けろと言ってきたのだ。ジュエルのインタビューを受けるボビー。彼女は意外にもスランプのスラッガーに対して優しかった…。
今のジャイアンツの状況は、プリモが一番手の打者で、ボビーは二番手以下の評価であった。11番の背番号をつけて活躍するホアン・プリモに地元のファンは大きな声援を送る。ボビーにとっては耐えがたい屈辱であり、それはボビーを応援するギルにとっても…。
ギルはストーカーの様にボビーを監視する様になった。何処で調べたか、海辺のボビーの別荘を覗いているギル。ボビーは息子ショーンと、スランプを忘れて親子としての時間を大切にしていた。
ギルのストーカーとしての行為はエスカレートし、ジャイアンツの選手がプライベートで訪れるバーにまでやって来ていた。そこにボビーと、彼と背番号11を争うプリモが現れて、2人はトイレでケンカとなってしまった。大したことにはならなかったが、ボビーとプリモのケンカをトイレの個室で見ていたギルがいた…。
ジュエルがDJを務めるラジオ番組で電話で“共演”するギルとボビー。ボビーの活躍を願う一心で、彼にキツイ言葉を言ってしまうギル。そして彼は“とある事を”思いつくのであった。
プリモがよく訪れるサウナ施設を訪れたギル。ギルはプリモに“ボビーの為のチームプレー”を説くが、プリモが聞くハズもない。格闘となったギルとプリモ、ギルはプリモを刺殺してしまった。そして彼の右腕には“11”という背番号と同じ番号の入れ墨が彫られており、それを見たギルはナイフを持ち…。
プリモが殺害されて、彼の追悼の試合が開かれた。ボビーは今までと同じように33番の背番号をつけて、選手皆は小さな11番の番号をユニホームにつけて試合に臨んだ。この日、久しぶりにボビーに良い当たりが出るが運悪くヒットにはならず、ファンはボビーのことを“プリモ殺し”と揶揄した。
だがこの日が転換点になったボビー。次々とヒットやホームランを量産する様になったのだ。こうなった理由が分からないボビーは正直にインタビューで語るが、それをテレビで見ていたギルは激怒した。なぜならば、“オレがプリモを殺したからお前にツキが回ってきたんだろう?”と思っていたから。
再び、海辺のボビーの家にストーキングをしに来たギル。この時、たまたまボビーの息子ショーンが海で溺れてしまい、通りがかりを装ったギルはカーリーという偽名を名乗り、彼によってショーンは助けられた。ギルに感謝するボビーだが、モチロンこれが初対面でもなく初めての会話でもない。大スターのボビーは一般人のギルのことを覚えてはいなかったのだ。少しの間息子を助けてくれたギルを歓迎するボビー。ギルは少年時代の夢であった、地元ジャイアンツのユニフォーム=ボビーのユニフォームを着ることを許される。そして草野球をしようとした時、ギルは“プリモの死”の事を語った。ボビーは一瞬で理解した、“この男がプリモを殺した”のだと。気付かれない様に距離を取り家に入ろうとするボビーだった。
しかし夜更けにボビーは気付いた、ギル=カーリーがボビーの高級車を駆って息子ショーンを連れ出してしまったことを。ボビーは車のギルに電話を入れるが、彼は“ファンに感謝しろ”と言い、続けて自分の家の冷凍庫を見ろと言ったギル。その中にはギルがプリモの腕から切り取った11番と書かれた刺青があった…。
ボビーは直ぐさま警察に連絡を入れた。一方、ギルは12歳の頃の少年野球のチームメイト、クープのところへとやって来ていた、ショーンを連れて。クープは真夜中に突然見知らぬ子供と訪れたギルを警戒している。そしてギルとボビーの電話を聞くクープ。ギルは“自分の為に試合でホームランを打て!”とボビーに要求した!
電話後。深夜に、ピッチャーがギル、バッターはショーン、キャッチャーがクープという3人で草野球をすることになった。ギルの異常性からショーンを守る為に、ショーンを逃がしたクープ。しかしクープは、彼のことを友人だと思っていたギルによって殴り殺されてしまった…。ボビーは直ぐにショーンを追って、彼を確保した。
ギルが、ボビーにホームランを打つ様に要求した試合。球場のジュエルやマニーも状況を知っており、そこにギルから電話が掛かってきた。子供を盾にするギル。ギルとショーンの居場所は分からず、警察は懸命に探している。
結末・ラスト
事情を知らない相手チームはボビーを敬遠したりする。また雨が強くなり、コールドゲームになりかける。一度雨で中断した試合も再開されて、8回、最後と思われる彼の打席となった。大雨の中でボビーはホームランの為に大振りをすると、フェンスは越えなかったモノの長打となった。ボビーはランニングホームランを狙って三塁ベースを回った!ホームベースにヘッドスライディングをしたボビー、明らかにセーフだが、主審はアウトをコールした!
言い争う主審とボビー!だがこの主審がギルだった!気付いたボビーはチームメイトを呼びギルを囲む。だが息子ショーンがどこかに捉えられている為に手は出せない。大雨の中でナイフを握るギル。彼の昔からの望み通り、球場で大きなカメラに写り有名となったギル。彼がナイフを振りかぶると、囲んでいた警官達がギルを撃ち殺した…。そしてショーンは、警察の手によって無事に発見された。そこにはプロ野球選手を夢見たリトルリーグのギル・レナードの“昔の勇姿”が飾ってあった…。
ボビーは息子ショーンと抱き合い、彼らの危機は去るのであった…。
レビュー・感想・解説・評価
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18年ぶりの鑑賞、まずは前の感想・レビュー。
ピーター・エイブラハムズの原作を映画化。ロバート・デニーロがギル、ウェズリー・スナイプスがボビーを演じる。
デニーロはホント演技の幅が広く、何でもものにしている感じがするほど怖い。特にあのニヤリと笑った顔はすごい。スナイプスも大リーガーがはまっていた。
演出としてスローモーションを多用、雨のシーンもいい。また、しばしば流れるロック音楽がとても間が良くよかった。ストーカー的ファン心理を描いた秀作である。
1998/09/21
Peter Abrahams(ピーター・エイブラハムズ)の原作小説『ザ・ファン (Hayakawa Novels)』(Amazonへ飛びます)を、2012年に自ら命を絶ち、その事が日本でもワイドショーや夕方のニュースで報じられたトニー・スコットが監督したスリラー映画。彼の兄リドリー・スコットも著名な監督だ。トニーの監督作品としては、「トップガン」、「デイズ・オブ・サンダー」、「ラスト・ボーイスカウト」、「エネミー・オブ・アメリカ」、「スパイ・ゲーム」をレビューしている。
恐い音楽を聴かせてくれる本作の作曲は「ライオン・キング」でアカデミー作曲賞を受賞したハンス・ジマー。「レインマン」などアカデミー作曲賞ノミネート作品は数多いジマー。
何時もの様にキャストを。
・十八番の様な恐い野球ファンに扮するのはロバート・デ・ニーロ。「ゴッドファーザーPART II」と「レイジング・ブル」でアカデミー賞を受賞している。他に「レナードの朝」などノミネート作品は多い。キャリアの長い彼の作品は多く見ているが、「ジャッキー・ブラウン」、「バックドラフト」、「コップランド」、「グッド・シェパード」、「グリフィン家のウエディングノート」や「リベンジ・マッチ」をオススメするかな…って多すぎでした。
・大リーガーがとても似合うウェズリー・スナイプス。この当時は肉体派俳優として活躍していたなぁ。「デモリションマン」でシルヴェスター・スタローンと闘ったり。他に日本が激怒したという「ライジング・サン」や、大ヒットした「逃亡者」(1993)のスピンオフの「追跡者」で“逃亡者”を演じていた。後は「ブレイド」シリーズが余りにも有名か…。
・ラジオ局の女性に扮するのは意外にもアカデミー賞のノミネートすらまだないエレン・バーキン。ジョニー・デップと本作のベニチオ・デル・トロが共演したブラックコメディ「ラスベガスをやっつけろ」、そしてオールスターキャストのリメイク第3弾「オーシャンズ13」では悪役アル・パチーノの秘書として登場。
・「ザ・エージェント」でトム・クルーズが演じた様なスポーツエージェントを演じるジョン・レグイザモは癖のある脇役俳優だ。「エグゼクティブ・デシジョン」や、デ・ニーロとアル・パチーノ共演の「ボーダー」、まだまだ下積みの「ダイ・ハード2」など。
・殺されてしまった、如何にも劇中で“他国の人”と描かれるスラッガーのプリモを演じるのは、「ユージュアル・サスペクツ」で一気にブレイクしたベニチオ・デル・トロ。実在の芸術家バスキアを描いた「バスキア」ではバスキア(=ジェフリー・ライト)の友人役として中々良い演技を魅せてくれた。他に「シン・シティ」。そしてtoikunがとても気に入った人間ドラマ「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」では「007/慰めの報酬」のマチュー・アマルリックと共演、差別用語の意味は無く、“インディアン”を演じていた。
・他に未だ下積み時代のジャック・ブラックが序盤5分くらいのラジオ局の職員として登場している。ブラックの下積みは「デッドマン・ウォーキング」という名作や、ティム・バートン監督作品「マーズ・アタック!」、名作「ジャッカルの日」のリメイク「ジャッカル」、「エネミー・オブ・アメリカ」など、多くの作品で観ている。有名になった後に観たのは「ホリデイ」や「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」だなぁ。What else?
・なお、チームメイトの1人を演じるジョン・クルックはメジャーリーガーだった。
最初にへ~んな感想言っちゃうけど、マイケル・ダグラス主演の「フォーリング・ダウン」を本作を観た後に凄く観たくなった。「フォーリング・ダウン」って2016年の5月か6月にテレ東でやっていたんだよ。久しぶりに観てみようと思っていたんだけど忙しくて録画できなかった(汗)
あのダグラスの、スポーツ刈り?角刈り?で、ワイシャツ&眼鏡のイカれっプリが、本作のデ・ニーロと被っちゃったtoikun。
そういやWikiPediaには、ギル・レナードには最初はトミー・リー・ジョーンズが内定していたとか。あぁ、確かに彼でも魅せてくれただろうなぁ、十分に想像・創造できるし。
しかし、そして、やはり、ベストはデ・ニーロでしょう!こんなに恐いファンは彼意外には無理!
ちょっと偶には苦言を。
スリラー要素以外は物語として弱かったかな。ギルとボビー以外のキャラが余りに弱すぎ、それは紅一点と言っていいエレン・バーキンさんのジャーナリストも。デル・トロさん、もーっと見たかったなぁ…あくまで“移民”として描かれるデル・トロさん。いつもかよー。
さぁ「フォーリング・ダウン」を観て、マイケル・ダグラスとロバート・デ・ニーロを比べて、「ラストベガス」でも観てみるか(苦笑)
2016/08/05
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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