映画「7月4日に生まれて」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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男は1947年7月4日に生まれてベトナム戦争に志願して従軍。被弾し半身麻痺で車イス生活となる。世論の反戦を訴える言葉に最初は反発する男だが次第に彼も反戦を訴えて活動し本を著す。そして1976年の民主党党大会で全米が注目する中で講演を行う男の姿があった。
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説明:
「ボディガード」の大柄な男
ストーリー・ネタバレ
1956年。アメリカの独立記念日である7月4日が誕生日であるロン・“ロニー”・コーヴィックは9才というワンパク盛りを友人たちと一緒に戦争ごっこをして楽しんでいた。独立記念日のパレードには家族と共に星条旗を振って国を守った傷痍軍人を称えていた…。
時にベトナム戦争にアメリカが兵士を派遣していた1960年代。高校3年生になったロニーは学校に来た海兵隊のリクルーターに心を弾ませてベトナムで祖国のために海兵隊兵士として活躍しようという夢を見ていた。部活動でレスリングをしていたロニーだったが期待された勝利を得ることが出来なかったのがロニーの“祖国のために従軍する”という思いを強くさせたのかもしれない。やがて従軍の時は来てガールフレンドのドナとも離ればなれになることになった。せめてもとプロムに友人とやって来ていたドナを訪ねてダンスを踊るロニー。これが人生で最後の自分の足で起って踊れるダンスとなるとは…。
ベトナム。戦況はアメリカ軍やその敵である北軍両者に極めて劣悪なものであった。その状況下にあってもアメリカからやって来た若い兵士達は志を折るまいと懸命に頑張る。しかし誤って武装をしていない村人を殺害してしまったり、またロニーは戦友を誤射して殺してしまったりしてしまった。急な敵襲だったのであるから仕方が無かったかもしれない。その敵襲でロニーは被弾をして野戦病院に運ばれた。激しい敵襲により運ばれた兵士たちは少なくなくロニーはその容態で後の順番となり、医師が彼を診察した時には脊髄をやられて動けないことが分かるだけであった。キズも次第に癒えてきたロニーが医師から聞いた自分の症状は“胸から下が麻痺した状態”つまりもう2度と歩けないだろうというもの。持ち前の向上心と行動力そして負けん気で“歩いてやる”と気合いを入れて両手に松葉杖を持ち奮闘するるロニーだったが、倒れて太股の骨が露出してしまうという事故が起こってしまった。アメリカ市民の声が反戦へと傾く中で戦費は削られており正に劣悪な入院生活を強いられまた一生を車イスと共におくらなければならないというロニーの精神は…。
1969年。故郷のニューヨーク州マサーピークアにある実家に戻ったロニーは反戦運動を忌み嫌っていた。“自分は祖国のためにやってきたのに”と言うロニーは反戦を唱えるかつての友人たちにまで厳しい言葉を浴びせてしまう。そしてシラキュース大学に通っているドナと再会したロニー。彼女は大学で反戦運動をしていると言った。車イスのロニーがドナに連れられて大学に足を踏み入れるとそこには平和を唱える学生ばかり。そして開かれた反戦集会は警察により“潰され”た。警棒を持ち学生たちを打ちのめす警官たちを見たロニーの思いとは…。
強くなる一方の“反戦”という言葉と思うように動かない身体、そしてその身体を憂うように向ける他人の眼差しがロニーを酒浸りにした。そしてそんなロニーを叱る保守的な母親におよそかけてはいけない言葉までかけてしまうロニーは両親から家から出て行くように言われてしまうのであった。ロニーは家族からも世間の目からも浮いていた…。
そんなロニー・コーヴィックがメキシコのヴィラ・ドゥルセにやって来たのは1970年のことであった。ベトナム戦争に従軍した傷痍軍人が集まるこのビーチでロニーは自信と同じく半身麻痺で車イス生活を送るチャーリーと出会う。彼に促されるままに女性を買うロニー。例え身体が思うようにならなくても…。国から支給される金に任せて悪辣な事をやっていたロニーとチャーリーだったがこのビーチを追い出されてしまった。“俺の方が酷い環境にいた”というチャーリーの言葉に反発するロニー。2人はステップのど真ん中でケンカをしてしまい袂を分かつのであった…。
何時からか酒が身体から完全に抜けていたロニーがやって来たのはロニーがベトナムで誤射して殺してしまった兵士ビリー・ウィルソンの墓の前だった。彼のTombstone=墓石を眺めるロニーの思い…。そしてロニーはジョージア州にあるウィルソン家を訪ねた。そこにはビリー・ウィルソンの妻と幼い子供、そしてビリーの父と母が住んでいた。ビリーのことを懐かしむ家族であったが彼の死の真相は知らされていない。何時しかロニーはビリー・ウィルソンの死の真相=自分が誤って手にかけてしまったことを涙で告白していた。妻は許せるものではないと言ったが母は許すのであった。ママ・ウィルソンの“それを抱えていた貴方も辛かったでしょう?”と言う言葉を聞いたロニーは…。
そして時が経ち共和党のリチャード・ニクソンが大統領を務めていた1972年。ロニーは反戦運動に星条旗を片手に参加していた。一緒に歩みを進める人たちの中には従軍して同じく車イス生活となった軍人たちがいた。“もう一期大統領を!”そう声を大にして訴えるニクソンの支持者が集まる共和党党大会に乱入したロニー等は反戦を訴え大きな話題となった。外に追い出されても声高に反戦を訴えるロニーが逮捕されたのは1971年に初めて逮捕されて以来何度目であろうか…。
結末・ラスト
そして1976年、ニューヨーク市で開かれた民主党党大会にはスーツを着るロニー・コーヴィックの姿があった。執筆活動で有名になっていたロニーの講演に多くの人が集まった。非常に長い道のりだと語るロニー。この党大会は全米に中継されて、かつてロニーを追い出した家族たちが期待の眼差しでテレビを覗いている。
満場の拍手で迎える聴衆たちを前に左手でピースをして登壇するロニー・コーヴィックの勇姿はベトナムでの彼のソレよりも勇ましいモノであった…
レビュー・感想・解説・評価
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9年ぶり鑑賞、そしてリレビュー。
ロン・コーヴィックの自伝を元に彼と監督であるオリバー・ストーンが脚本を書いた戦争ドラマ。ストーンは「ミッドナイト・エクスプレス」でアカデミー脚色賞、戦争映画「プラトーン」で監督賞、そして今作でも監督賞を受賞した。なおWikiPediaに因ればストーンもコーヴィックもカメオ出演しているがtoikunは姿を確認は出来なかった。一応、上の方に彼ら2人を記述してはいるが…。
先日ストーン監督作品「ナチュラル・ボーン・キラーズ」を観たのだが原案クエンティン・タランティーノがストーンのストーリー改変に激怒したとか…。
・世界でNo.1スターだと思うトム・クルーズがロニー・コーヴィックを演じて自身初めてアカデミー賞にノミネートする。後に「ザ・エージェント」と「マグノリア」でもノミネートしているクルーズ。今作がアイドル俳優であったトム・クルーズの転換点になったという声もある。…まぁスターなんだが2000年代に某宗教…ってなってスゴかったですが2015年のアクション映画「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」では素晴らしいアクションを魅せてくれた。
・ロニーの恋人役…いやそれぞれ想いは寄せているが恋人ではないかな…なドナを演じるのは「告発」、「愛に迷った時」、「フェノミナン」などのキーラ・セジウィック。
・車イスのチャーリーを演じたウィレム・デフォーはストーンの「プラトーン」と「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」でアカデミー助演賞にノミネートしている。「バスキア」や大ヒットシリーズ「スパイダーマン」(「スパイダーマン2」はカメオ)、「インサイド・マン」など。
・高校にリクルートしに来るヘイズ特務曹長を演じたトム・ベレンジャーもストーンの「プラトーン」に出演しオスカー助演賞にノミネート。「メジャーリーグ」の“キャッチャー”なベレンジャーは「トレーニング デイ」では小さな役だと思ったが…。
・パパ・コーヴィックを演じるレイモンド・J・バリーはよく見る俳優さんで「サドン・デス」、「デッドマン・ウォーキング」、「トレーニング デイ」など。
・上のカメオ欄に記述したジョン・C・マッギンリーはまだこの頃は駆け出しであったのであろう。「ザ・ロック」の軍人に、「バーニング・クロス」では警察の上司。他に「アイデンティティー」や「気まぐれな狂気」、「セブン」など。
・toikunが大好きなアレック・ボールドウィンという俳優がいるが、そのボールドウィン兄弟の次男ダニエル(B級映画専門)、三男ウィリアム(「バックドラフト」や「フェア・ゲーム」)、四男スティーヴン(「ユージュアル・サスペクツ」、「ブラザーサンタ」)が出演。大きなクレジットではスティーヴンのみでありダニエルとウィリアムはスティーヴンよりももっと小さな役どころ。どこで彼らの姿が見られるかは上に記述しているので見て欲しい。
・メガネをかけた医師を演じたボブ・ガントンは「ショーシャンクの空に」の刑務所長。「ジェニファー8」や「黙秘」、「アルゴ」など。
・ロニーが殺してしまった兵士の妻には「I SHOT ANDY WARHOL」のリリ・テイラー。
・ビリヤード場の太った男は「ボディガード」でやたらとケヴィン・コスナー演じるボディガードに対抗心を燃やしていた。
・ロニーがメキシコで会った元兵士の一人に今作の製作年1989年が劇場用長編映画にデビューした年であるトム・サイズモア。ハリウッドでの赤狩りを描いた「真実の瞬間(とき)」、「ハレーダビッドソン&マルボロマン」、「スリー・リバーズ」、「プライベート・ライアン」、「エネミー・オブ・アメリカ」など。
(2007年記述)オスカーを取ったりノミネートしたりと何かと評価の高かった作品。toikunにはその良さがあまりよくわからなかった。よって6点となった。なんというか、日本人であるtoikunには反戦運動など理解しがたいのである。戦争することが理解できないし。言葉が違うかな。反戦運動は理解が出来るが理解が出来ないのは戦争すること。違う国の人だったなら違う感じ方をするのであろう。時にイラク復興の時代…。
(2007年記述)社会的なことはこれくらいにしておこう。映画。カットカット切れ目がちょっと荒いかな?それともソレわざと?って思えるところがいくつか。気になっただけ。クルーズのオスカーノミニーとしての演技はというとまだまだ若いかな。もうちょっと修行が必要と感じた。社会的な作品で評価が高いだけにアカデミーとしてもノミネートさせたのであろう。
(2007年記述)toikunの周りの環境が、ロニーが反戦運動する前の周りの環境に重なった。
2007/03/11
さて。以下2016年の記述。
日本でもデモとか起こってますが…。政治的なことを口にすると色々と怖いので“右寄りのtoikun”とだけ言っておきますが、オリバー・ストーンは政権批判を多くしていると言うけれども今作を穿って見方をすると“批判をしすぎてコミュニスト寄になってない?”って思ってしまった。ってーとハリウッドの問題作…ってtoikunは呼んでいるけど「真実の瞬間(とき)」ってのが挙がるよね?(あぁ、レビューが政治色強くなっちゃうよ…。)
フィクション映画「マーシャル・ロー」では戒厳令下でアメリカ軍人がアラブ人を片っ端から逮捕しちゃって、次第にそれに対するデモが起こる。で、テロ首謀者は自分たちの為にデモしてくれる人たちを対象にテロを起こそうとしている。こんなのも見ると色々と考えさせられるよねぇ。
何度も逮捕されているというロン・コーヴィック。果たして彼の原作がどれほど“ベトナム帰り”のオリバー・ストーンによって忠実に描かれているのか本を買って読んでみようかな?まぁその原作自体がコーヴィックを通しているのでどれほど真実なのかはアレですが、そんなことを言っていたら見られないしなぁ…。
政治は話さないよ!
いやぁ、こんなにボールドウィン兄弟を見られる映画って無いんじゃない?ダニエル、ウィリアム、スティーヴンが同じカメラに写ることはないけれどもさ。すっごい似てる兄弟だけれど今作を見てみると骨格とか色々違うよね!ムフフ☆
こんな“社会的”な映画だけれどチャラけてボールドウィン兄弟で締めてもイイよね!
最後の最後。「パニック・フライト」で覚えた英語フレーズ“shove it up your ass”だけれどもコーヴィック(=トム・クルーズ)の足が折れた後の病室で看護師マーヴィン(=コーキー・フォード)と口論するシーンでマーヴィンが言っていた。ふぅ、やっと意識せずに聞き取れるようになったぞ!
2016/02/22
2016/05/29
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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