映画「ニュースの真相」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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2004年アメリカ。
現職の大統領ジョージ・W・ブッシュが再選を狙う大統領選挙が繰り広げられていた最中、三大テレビネットワークの1つCBSの番組『60ミニッツII』が選挙戦を左右する大スクープを放送した。ジョージ・W・ブッシュの軍歴詐称疑惑だ。
放送後にはプロデューサーで疑惑を調査したメアリー・メイプスや有名なアンカーマンのダン・ラザーは祝杯を挙げていた。
だが、ブロガーの指摘によりスクープに疑惑を持たれる事になった。その指摘により全米のメディアがスクープを検証しCBSニュースに対する批難は拡大。メアリー達は反証の報道をするものの収まらない。
やがてスクープを報じた取材チームはCBSの組織した調査委員会にかけられる事になった。取材チームは汚名を晴らす証拠を出せるのか?それともこれは魔女狩り裁判なのか?
そして、名アンカーのダン・ラザーは…?
何よりも先にコレを言いたい、“ロバート・レッドフォードはダン・ラザーに似すぎてる!”
メイクをした姿もだが、その声も。目を閉じると2000年前後にMDに録音して聞いていた『CBSイブニング・ニュース』のダン・ラザーの声が蘇ってきた。
こういう実在の人物を扱う映画は、大抵本人の映像・写真やら声やらが流れるものなのだが、オープニングの語りを聞いて、“これダン・ラザー本人でしょ”と何も疑う事無く思った。だが資料にはその記述はないし、直後に“ダン・ラザーとして登場したレッドフォード”の声を聞いて驚愕して、レッドフォードだったんだなと判断した。
それだけ似ている。
ただ映画はダン・ラザーではなくプロデューサーのメアリー・メイプスという人物が中心、主人公。演じるのはケイト・ブランシェット。“栄光”は一時しかなく大部分で苦悶の表情を見せる事になるが、結末で彼女は高らかに笑う事は出来るのだろうか?
ミステリー映画の要素もあり、家族ドラマの要素もある。家族ドラマとはメアリーと彼女の本当の家族のドラマ、そしてメアリーと父のようなダン・ラザーの擬似親子のドラマ。
劇中にこんな台詞のやり取りが出てくる。ダン・ラザーがいかにメアリーの事を思っているのか分かる。
“ダンは会社の保身の為ならばやらない”
“君(メアリー)の為ならやるよ”
本作は8月5日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほかにて全国順次公開。2016年10月26日現在、公式サイトの劇場情報では、まだ多くの映画館で公開をされています。
公式サイトには、判りやすい人物紹介やジャーナリスト手嶋龍一氏のコラムまであり盛り沢山なのでご覧下さい。
7月26日にKINOBOOKS(キノブックス)から発売された本作の原作本『大統領の疑惑』(Amazonへのリンク)をチェックしてみよう!
真実は闇に葬られる事もあり、真実が創り出されちゃう事もありますが、いろいろ圧力をかける奴らにゃ“FEA!”←意味は劇場で!
配給:キノフィルムズ
なおケイト・ブランシェットの日本最新公開作品として12月に「聖杯たちの騎士」が公開。監督は巨匠テレンス・マリックですよ!
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ストーリー・ネタバレ
2004年のアメリカ。
2期目を狙うアメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュと民主党の候補ジョン・ケリーの支持率は拮抗していた。ケリーの方が数%高いだけ。スキャンダラスな報道がされればあっという間に差が広がる。
2004年10月ワシントンD.C.。
アメリカの三大テレビネットワークのCBSの本社があるブラックロック。CBSの子会社CBSニュースの女傑プロデューサー、メアリー・メイプスは経験は20年。今、会っているのは弁護士のリチャード・ハイビー。この面会は弁護士の取材ではない、自分の弁護をして貰う為だ。名誉を取り戻す為にメアリーはCBSの内部調査委員会に弁護士と共に出席。では何故、メアリー・メイプスは弁護士を雇わなければいけなくなったのか?話は半年前に遡る…。
2004年4月ニューヨーク。
CBSニュースの社長アンドルー・ヘイワードがスピーチを行っている。伝説的なジャーナリストの為のパーティである。ヘイワードは誇らしげにジャーナリストを紹介する、その名はダン・ラザー。1962年にCBSニュースに入社後、1981年から『CBSイブニング・ニュース』のアンカーマンを務める男だ。彼の評価は高く、社長ヘイワードはダンの事を親友のように扱う。ダンはメアリーにとっては最高の仕事仲間であり、父親のような存在だ。その様な存在になったのは理由がある。
・メアリーの口答えを許さなかった
・メアリーが質問をすれば怒る
父親にその様に育てられたメアリーが、人に質問をする職業に就いたのはとても興味深い事である。
ダンはパーティが苦手なのか早々に切り上げるとメアリー等、気の利いた仲間と杯を交わす。このCBSニュースのチームには追っている疑惑があった。それはブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑である。ベトナム戦争が勃発していた当時、ベトナム出征を避ける為のコネによる入隊、6年の兵役義務中に1年程離隊、9ヶ月早い除隊…。実はメアリー達は4年前にも同じ疑惑を追っていたが確実な証拠が得られなかった為に報道できないでいた。もし証拠が得られて報道できていたらアル・ゴアが大統領になっていたかもしれない。2004年の今、その確実な証拠を持つという人物から連絡をもらうメアリー…だがしかし、これは…。
疑惑を追う取材チームはメアリーを筆頭に、フリージャーナリストのマイク、ベトナム帰還兵のロジャー、大学で教鞭を執るルーシーだ。メアリーとマイクは電話をくれた元中佐のビル・バーケットに会った。そして彼から、当時のキリアン中佐が残したという“キリアン文章”を受け取る。2人が文章を見ると軍歴詐称疑惑を確定できる内容が書かれていた。しかしそれはコピーであり原本ではない。ジャーナリストとして当然疑いを持つメアリーは原本の提出を求めるが叶わなかった。そしてバーケットは決して自分がソースである事を明かさないようにとメアリーに約束をさせた…。
番組のスケジュールが詰まるCBSニュース、枠が空いたのは9月8日、あと5日間しかない。ハリケーン中継に出ているダンを呼び戻したメアリー。チームで“キリアン文章”を信憑性を調べる。4人の文章鑑定専門科に“キリアン文章”の鑑定を依頼。
そして当時のブッシュの上官にも取材を試みる取材チーム。どうしても話しを聞きたいと18回も連絡を入れていた当時の将軍ホッジスに、19回目の電話で話す事が出来、証言を得た。
覚えはある
9月8日の『60ミニッツII』の放送にて“確実となった疑惑”を報道するアンカーマンのダン・ラザー。この放送は全米の注目を浴びていた。
バーで語り合う調査チームのメアリー、ルーシー、ロジャー、マイク、そしてダン・ラザーはこの事を誇りに思った…。もしかしたらこの報道により“放送界のピューリッツァー賞”と称されるピーボディ賞を受賞できるかもしれない。
スポットライトを浴びるスクープ!
しかし栄光は直ぐに地に落ちてしまう。保守派のブロガーが反証を挙げ始めたのだ。
これは当時の文章ではない
・当時のタイプライターにはTIMES NEW ROMANのフォントはなかった
111th
・肩文字=Superscript Characterである“th”もタイプライターにはなかった
そして
文章はMicrosoft WORDのデフォルト設定で記述できる…
報道機関もブロガーの反証を報道する。これを見たメアリーはWORDに“キリアン文章”を打ち込み印刷。バーケットに渡された“キリアン文章”と比べると、フォントから文字間隔、行間まで全く一緒であった…。
[ストーリーは導入のみ]
・反証への反証をする調査チーム
・軍歴詐称疑惑が焦点なのに、論点は文章の真偽のみに…
・“極左連中!”など様々に罵倒される…
・CBSは取材チームを調査委員会にかけることに…
最悪の時…
それはソース=情報提供者に会わせろと言われたとき…
・ダン・ラザーファンにはロバート・レッドフォードの一挙手一投足が見どころ(不謹慎ながら笑ってしまうカットもある)
・この一件や実在の登場人物達を全く知らない人はミステリー要素で手に汗握る
・そして、全ての人へ…
“メアリー・メイプスというジャーナリスト”の生き様を見よ!
T's Theaterのこのページで足りないと思った方、公式サイトでアナタが望む全てが分かる。
そして大手映画サイトさんで観る前の期待と、見た後の感想を書き込んでみよう!
自分の感想を反論されるのが怖い方、“FEA”と言ってみましょう!
8月5日に公開されて大ヒットだった本作、まだまだ上映中です!是非ご覧になって下さい☆
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「アメイジング・スパイダーマン」、「アメイジング・スパイダーマン2」等の脚本家ジェームズ・ヴァンダービルトの初監督作品となる本作。7月9日に公開される「インデペンデンス・デイ」の続編「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」の共同脚本執筆陣にも加わっているヴェンダーベルト。本作もまた彼の脚本だ。
主要キャストを例によって箇条書きで紹介する。
・「アビエイター」と「ブルージャスミン」で2度のアカデミー賞に輝いているオーストラリア出身女優ケイト・ブランシェットが主人公のメアリー・メイプスを演じる。「バベル」ではブラッド・ピットの奥さん役で「狂っちゃいないぜ!」ではブラピの奥さんアンジェリーナ・ジョリーと共演している。ケイトと関係のない蛇足をすると、アンジェリーナは同作で共演したビリー・ボブ・ソーントンと結婚する事になる。なお2016年12月にはクリスチャン・ベイル、ナタリー・ポートマンと言ったアカデミー賞俳優と豪華共演の「聖杯たちの騎士」が公開。
・何度も言おう、ソックリだと。正直観るまではおっかなびっくりだったtoikun。名優ロバート・レッドフォードが名アンカーマンのダン・ラザーを演じる。名作「スティング」ではポール・ニューマンとW主演で正にエンターテイナー♪だった。他に「スパイ・ゲーム」、「幸福の条件」など。また初監督作品の「普通の人々」でアカデミー監督賞を受賞して、以降「大いなる陰謀」など監督としても活躍。
・取材チームに加わった経緯は余り描かれなかったかな?教授→ジャーナリストのルーシー・スコットを演じるのは「17歳のカルテ」のエリザベス・モス。
・フリーのジャーナリストは辛いなぁ…マイクを演じるトファー・グレイスはアカデミー賞俳優が4人も出演したコメディ「グリフィン家のウエディングノート」が面白かった。他に「オーシャンズ12」など。
・とても印象に残る台詞を放つチーム内の“中佐”を演じるのは「バンテージ・ポイント」など大作にもよく出演しているデニス・クエイド。お兄ちゃんは俳優ランディ・クエイドで「インデペンデンス・デイ」で自己犠牲パイロットだった。
・“キリアン文章”を提供する物語のキーマン、バーケットに扮するのは名脇役のステイシー・キーチ。「シン・シティ」の続編「シン・シティ 復讐の女神」など。
・CBSニュースの社長として登場するのはもう10年以上前に確か『SCREEN誌』で(?)ジョン・F・ケネディ俳優(=ケネディを演じまくっている)だと見た記憶があるブルース・グリーンウッド。でもtoikunは「13デイズ」でしかケネディ役を観た事がない。去年末からアネット・ベニング狂になったtoikunは「華麗なる恋の舞台で」でアネットの浮気相手として登場したグリーンウッドを情けない貴族だと思った。他に「ランボー」、「ダブル・ジョパディー」など。
・大勢いる調査委員会の一人として登場するのはダーモット・マローニー。「アバウト・シュミット」ではネズミ講をジャック・ニコルソンに勧めていて面白かった。他に「ニキータ」のハリウッドリメイク作品「アサシン 暗・殺・者」では主人公の恋人役。
さて。
とーってもシリアスな映画。途中途中で“プッ”と笑わせてくれなければ重厚すぎて潰れちゃったかもしれない。本年4月に公開された「スポットライト 世紀のスクープ」はまだ未見だけれどもどちらが重いのだろうか…。
とても興味がある事がある。「スポットライト 世紀のスクープ」では田原総一朗氏がCMに出演していたが、本作ではジャーナリストがテレビCMに登場するのかと言う事。公式サイトには金平茂紀氏が登場しているのでCMは決まりか?
ともかく今年は報道映画が目立つ気がする。
感想ではなくて、蛇足する…ので皆さん、公式サイトをチェックしちゃって下さい。今観てビックリした、7月28日に本作の『特別上映会&トークセッション』が開かれるって!金平茂紀氏も登壇だって!一体何が語られるのか?要チェック!
蛇足。
上述したけれどもtoikunは2000年前後にTBSの深夜にやっていた『CBSイブニング・ニュース』をビデオに録画して、それをMDに入れて英語のリスニング練習として聞いていた。本作は2004年の事だから、この事件の事は知らなかった。記憶を辿ると、『CBSイブニング・ニュース』はダン・ラザーともう一人のアンカーマンがいて、交互に出演していた気がする。
思い出すのが、当時のクリントン大統領がモニカ・ルインスキーと関係を持ってしまって特別検察官ケネス・スターと大陪審でやりあったこと。で、ダン・ラザーの声で英単語・英熟語“Special prosecutor(特別検察官)”と“Grand Jury(大陪審)”を覚えた、懐かしい。
“That was not appropriate.(不適切な関係でした)”と謝ったのも今や昔か。
蛇足を纏めます。クリントン政権の副大統領がアル・ゴアでした。もし本作のCBSニュースの報道が認められていたらアル・ゴアが大統領になっていたかも知れないが、そうしたらきっと「不都合な真実」は存在しなかっただろう…。
2016/07/08
2016/07/09
2016/10/26
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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