映画「スネーク・アイズ」(1998)あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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ボクシング・世界ヘビー級のチャンピオンを決める一戦で久しぶりに再会した親友。一人は悪徳刑事で一人は国防総省に勤めて愛国心の塊。この会場に国防長官がやってきて男は護衛に為にやって来たのだが、長官は狙撃されて死亡…。
果たして犯人とは!?
「ミッション:インポッシブル」のブライアン・デ・パルマが魅せる手に汗握る“演出”に引き込まれる!
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説明:
ストーリー・ネタバレ
ハリケーン嵐が直撃しつつあるアメリカ、ニュージャージー州アトランティック・シティー。
平刑事のリチャード・“リック”・サントロは悪徳警官であり、賄賂をもらったり悪人…特に自分よりも弱い小悪党から金を巻き上げたりをしょっちゅうしていた。そんなリックが古くからの友人で今は国防省に勤めるケヴィン・ダン中佐の招きでバンクアトランティック・センターのアリーナで行われるボクシング・ヘビー級タイトルマッチにやってきた。
リックとは違いまじめで通っていたケヴィン。今回は国防長官チャールズ・カークランドの警護でこの地へとやってきたのだ。リックとケヴィンは隣に座り、後ろに国防長官が座り試合が始まった。ケヴィンはリングの相向かいに座った試合をちっとも見ていない女性が気になり席を立つと女の隣に立って話を聞くが、女が逃げるとケヴィンは彼女を追っていってしまった。
ケヴィンが去って空いた席にはブロンドの女性がやってきて、何か長官と話し始めた。試合も佳境に入った矢先、挑戦者ホセ・パシフィコ・ルイーズのパンチがチャンピオンのリンカーン・タイラーをとらえてタイラーはノックダウン!と、その時に銃声が聞こえ長官は凶弾に倒れた。二発目の銃弾はブロンドの女性をもかすめた。この時、リックは何故かダウンした後に銃声を聞いてリングから顔だけ上げたタイラーと目が合った…。その後、制止するリックを振り切り逃げてしまう女。他の観客達も驚いてアリーナから逃げようとして大混乱となる会場。リックはすぐにアリーナを封鎖するように他の警官に命令する!
ほどなくしてケヴィンが姿を現した。彼は国防長官狙撃犯を射殺したのだ。犯人のポケットからは動機が書かれたメモが発見され、狙撃事件はこの犯人の単独犯だと見られた。ケヴィンは、不審な女性が気になって席を離れ、その事により長官を守れなかったという自責の念にかられた事をリックに打ち明け、リックは親友を慰めた。
リックはダウン後に何故直ぐ起きられたのかを“元”チャンピオン、タイラーの所に聞きに行った。リックは防犯室で様々な角度にあるカメラからとらえられた試合をビデオで確認して、挑戦者の最後のパンチは当たっていないことが分かったのだ。これは完全な八百長試合だったのだ。タイラーはギャンブルで多額の借金があると言い、“それをチャラにする代わりに負けて欲しい”と頼まれたのだ。
ケヴィンはと言うと長官と話していたブロンドの女性を追っていた。リックも彼女を追う。その女性ジュリアは何かから必死に逃げていたがリックがやっと彼女を見つけた。そしてジュリアから話を聞くと、国防長官の死は、政府が調達しようとしている軍需産業のパウエル社が開発している防衛システム“エアガード”に関連しているらしい。ジュリアが働いているのはそのパウエル社であり、彼女の話によると、社長のギルバート・パウエルたちは業績を上げるために強引に実験データをねじ曲げて“システムが完全なものである”と見せかけているらしい。それを知ったジュリアは国防長官に伝えるためにE-mailでコンタクトを取り、ボクシングの試合があるアリーナに来てもらったのだ。しかもそれにケヴィンが関わっていると告げるジュリア。親友であるケヴィンが悪事を働いている事を信じられない、信じたくないリック。確証を得るためにジュリアを強引に見つからない場所に隠してカメラ室に行く。
技術者の一人が配備した彼しかまだ配備の事実を知らない最新のカメラによって録られたビデオには、狙撃犯が映っており、狙撃犯の横には目隠しとなる壁があり、到底知らなければ後ろからは位置を把握できないのだが、その“後ろの位置”でケヴィンが銃を構えていた姿が写っていた…。“どうして彼が銃を?長官を狙撃する犯人を知っていた?”、この事がリックを疑心暗鬼にさせるのだった。
そこへケヴィンが現れると全てを語り始めた。“長官はただ闇雲に国防費の削減しか考えてなく、それでは兵士の安全が保たれない。そのために多少欠陥はあるがパウエル社のシステムを採用したい。欠陥はあとで直せるから。”と言った。リックの目的はギルバート・パウエルから賄賂を貰うためではなく、兵士たちを守るためにあったのだ。それは、その昔、不備な防衛システムによりケヴィンが乗った潜水艦がミサイルの直撃を受け、ケヴィンは大多数の兵士を守るために少数の兵士を切り捨てた苦い経験から来ていた。
全てを指揮していたのはケヴィン・ダン中佐。彼が殺し屋を雇いパーティを組んで長官を狙撃させた。狙撃した人物には最初から死んでもらうつもりだった。ケヴィンが気を取られて試合中に追った女性も、タイラーにダウンしろと八百長の指示を送った男もケヴィンの仲間だった。刑事として思ったよりも優秀だったリックが目を付けた彼らの口から事件の発覚を恐れたケヴィンは、その女も男も殺害していたのだ!
そして、古くから知る悪徳刑事のリックを買収しようとするケヴィン。今までだったらケヴィンは金を受け取って事件を闇に葬っていただろう。だが、正義漢で通っていた親友の裏切りと、その親友が自分に銃口を向けたことにより正義感が芽生えたのかは分からないが、100万ドルという大金まで持ちかけてきたケヴィンの金を受け取らず、ジュリアの居場所を問われても言わなかったリック。ケヴィンはそんな彼を人目の着かないところに連れていき、これまた買収したヘビー級ボクサーのタイラーに殴らせ、ボコボコになってしまったリック…。
結末・ラスト
しばらく気を失っていた彼だが、目を覚ますとケヴィン達は周りにいない。ジュリアの様子が気になる。あばらも折れているボロボロの身体を引きずりながら彼女が隠れている場所まで急ぐ。だが、これはジュリアの居場所を知るためのケヴィンの罠だった。リックのスーツの背中には発信機が付けられており居場所が手に取るように分かる状態…。
ジュリアが隠れている場所=ケヴィンが無理矢理彼女を押し込めた場所に着くと、後ろにはケヴィンがついてきていた。嵐による雷で出来た影によりケヴィンが付けていることに気付いたリック。ケヴィンはドアを開けるように親友に求めるがリックはどうしてもそれをしようとしなかった。この時、外の異変を感じた中のジュリアが脱出しようと金属棒で壁を叩き始めた。そして折りからの嵐・強風などの強運・幸運・不運が重なった!
リックとジュリアに銃を向けるケヴィン、二人は絶体絶命か!?だが、近付いていた嵐がそこの壁を吹っ飛ばし外から丸見えになっていた。そして嵐の警報のためにパトカーで巡回していた警官に見つかってしまった。銃を持っているところを見られてはもう弁解の余地はないケヴィン・ダン中佐。“スネーク・アイズ”。カメラに撮られた事がケヴィンの決定的な敗北となったが、このままでは終われないとケヴィンは銃を持ったまま振り向こうとした矢先に警官に撃たれて事件は解決をした…。
アトランティック・シティーの市長から、パウエル社の陰謀を暴いた功績により表彰をされたリックは有名な刑事となり、刑事でありながら私生活をマスコミに追われる生活となった。有名になると何故金持ちになるのか分からないが高級車を乗り回していたがすぐに警察署の内部告発から彼の薬物疑惑やスキャンダルまみれの過去が暴かれて裁判にかけられてしまう。華やかな生活ともおさらばして“別荘=刑務所”に行く羽目になってしまうリック。リックは妻にも愛人からも見捨てられたが、何とそんな彼をジュリアが訪ねてきた。何度もリックの悪事が報道されても、ジュリアにとってリックは命の恩人であり“人間的に美しい”印象がある。
“別荘”から戻って来たらまた会おうという話をしてジュリアの頬にキスをして別れようとするリックだったが、ジュリアはリックの顔を正面から見て唇と唇でキスを交わした…。
リックが“別荘”に何年行くのか分からないし、帰ってきた後に更正しているのかも不明だ。だが善人になれば善し。悪人のままだったならば“悪人の生き方”というのもある。だってパウエル社の社長ギルバート・パウエルは“父性に関わった従業員を皆解雇した”というがパウエル自身の辞職のニュースは報じられないしね。
ともかく、リチャード・サントーロの波瀾万丈な人生は始まったばかり。彼とジュリアがこれからどの様な関係になるのかは神さまと、ギルバート・パウエルの施設の柱に埋め込まれた“ヘビの目”を象った一石の宝石しか分からない…。
レビュー・感想・解説・評価
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「虚栄のかがり火」など長回しが特徴のブライアン・デ・パルマ監督が贈るサスペンス映画。デ・パルマ監督作品としては他に「ミッション:インポッシブル」をレビューしている。
本作の脚本は「宇宙戦争」(2005)や「スパイダーマン」の脚本家デヴィッド・コープであり、原案はコープとデ・パルマだ。
なお、劇中音楽の作曲は日本の坂本龍一であり、月並みな表現だがサスペンスに“花を持たせ”ている。
キャストを。
・2016年から考えれば大分昔だが「リービング・ラスベガス」でアカデミー賞を受賞したニコラス・ケイジが悪徳刑事を演じているが、“合っている!”。なお2016年の作品だが「ダーティー・コップ」(2016)で悪徳刑事をイライジャ・ウッドと共に演じて魅せた。他に挙げるとすればファンタジックな映画「天使のくれた時間」や、実在の猟奇的な連続殺人事件を扱った「フローズン・グラウンド」、日本では2016年に後悔されたホラー映画「ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄」もまぁよかった。本作、倒れるシーンでドラム缶みたいなものに頭をぶつけたが大丈夫か(苦笑)
・「フォレスト・ガンプ/一期一会」でアカデミー賞にノミネートして、同作でも共演したトム・ハンクスと再共演した「アポロ13」も面白かった超演技派俳優ゲイリー・シニーズが本作の敵役だ。後の「グリーンマイル」でもハンクスと共演しているが…。
・会社社長で登場するジョン・ハードは「ホーム・アローン」シリーズの父親として有名。他に「レナードの朝」では次第に治療姿勢に共感していく病院の上司を好演。また「幸せの向う側」ではゴールディ・ホーン相手に逸品なスリラー。他に「ペリカン文書」はジョン・グリシャムが原作小説を執筆したのでご存じの方も多いであろう。
・本作ではボクシング賭博だったけど、色々な賭博の元締めなんじゃないかな?そんな男を演じるのは脇役として活躍するマイケル・リスポリ。先日ディズニー映画ながら日本未公開だった「インヴィンシブル 栄光へのタッチダウン」を観て彼の好演に目を見張った。作品としては…だけど。他に「誘う女」など。
・チャンピオンのボクサーとして凄い肉体を魅せたスタン・ショウは「ライジング・サン」や大赤字を出した冒険活劇「カットスロート・アイランド」など。
・アンカーマンとして登場したケヴィン・ダンは近年は「フローズン・グラウンド」や「ドラフト・デイ」などに出演。
・また本作では太った人物が確か2人出てきたけど、警備室でリックにビデオを見せて協力した男を演じたのがマイク・スター。「ボディガード」で色々と魅せてくれた。他に「7月4日に生まれて」ではチョイ役だったが太っていた(汗)
・本作のヒロイン、ジュリアに扮するのはカーラ・グギノであり。「シン・シティ」や「ボーダー」に出演。
・女性テレビリポーター役として映画にユーモアをもたらしてくれたのは「ディアボロス/悪魔の扉」などのタマラ・チュニー。ブラック企業だ!
さて。まずは16年前の2000年の感想を少し。
お互い演技の巧さに定評があるのはご承知の通り。この2人の共演と言うことで、どんなサスペンスになるのだろうと期待していた。見ていて、がっかりはしなかったのでまあまあの作品だといえるだろう。シニーズはしぶーくやっていてくれた。またケージはと言うと適役に思えた。ニコラス刑事(ケージ)だから…。(このシャレもう何回使っただろう…。)
それは良いとして、「フェイス/オフ」の役柄に通じるハイテンションでキレていて良かったように思う。ただ、兵士のために、アメリカのために仕方なくやったとしては、次々と殺人を犯して実の保身を考えたり彼の愛国心の描き方が足りなかったように思うがどうだろうか。100分に満たないこの映画、よけいなものを省くのは大歓迎だが、足らないところは足した方がもちろん良いに決まっているのだからどうにかして欲しかった。描き足りなかったケヴィン役はシニーズにはふさわしくなかったと言えるかも知れない。
映画途中で画面を2つに分割して同じ時間の違う角度での映像を写すシーンがあった。「おー!」って思った。それと、テレビカメラに向かってのカットがある。何かとカメラを意識した映画となったなぁ。
なおタイトルの「スネーク・アイズ」とはサイコロが2つの”1”を出したときのことを言って、決定的な敗北を意味するらしい。1が蛇の目に見えるし。
2000/01/08
さて、2016年、再見の感想。
ニコラス・ケイジ、変わらねぇ。2016年は前述したが公開された2作品を観たのだが幾分か粗製濫造!?彼ってば2000年を過ぎた後から出演作品が膨大になったけど消化できているのかなぁ。本作はある程度は良い印象の映画だけれども。
前の感想で挙げた「フェイス/オフ」ってジョン・トラボルタ共演で、刑事のニコラス・ケイジが捜査のために悪人のトラボルタと顔を変えちゃうのね。だから、二大俳優のどちらとも正義であり悪である。つまり何が言いたいかというと、ケイジは悪人が似合う☆
本作のちょっと前にはジャン=クロード・ヴァン・ダム主演でアイスホッケー会場でテロが起こるという映画があったが、色々と考えると、前後はアレにして、テトリスのように合致する☆
その“合致”をもう一つ。同じくケイジが出演した「ザ・ロック」では軍人を演じたエド・ハリスがテロを起こすんだけど、それは戦死した兵士の家族のため。
何か、似ていますね!
2016/11/25
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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