映画「背徳の囁き」あらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
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ロス市警内務捜査局(Internal Affairs Division=IAD)にやって来た男は、かつての警察学校同期を敵に回しながらも女上司と共に市警の悪の親玉として君臨する男を追い詰めていく。リチャード・ギアが初の悪役を演じて話題となったスリラー。
当時の豪華俳優共演にして、更に8分前後に幼いイライジャ・ウッドの姿が見えるのも貴重だぞ!
ビデオ発売時タイトルは「インターナル・アフェア/背徳の囁き」。
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説明:
ストーリー・ネタバレ
多くの凶悪犯罪が蔓延るアメリカ合衆国の大都市ロサンゼルス。犯罪から市民を守る為に警察官は昼夜を問わず任務に明け暮れていた。
ある夜更け。内勤になれば出世は約束されたようなベテラン警官のデニス・ペックは同僚のドリアンとパトロールを行っており、怪しい人物達を発見した。ドリアンは相手が拳銃を所持していると思い発砲して殺してしまうが、調べてみると男は拳銃を持ってはいなかった。そこで、デニスは出所不明の拳銃を懐から取り出すと、その男に握らせた…止めようというドリアンの静止も聞かずに“この街の警官は誰でもこうやっている”と…。
内務調査局(Internal Affairs Division=IAD)の上司は数々の市警・また分署に悪事を働く警官が居るのではと危惧していた。そこで、まだ若いに警察学校を卒業したばかりのレイモンド・アビラ巡査部長を室長に呼び出すと、“警官は一片の悪をも身につけてはならん”と“警官の犯罪発生率が一番低いと言われるロス市警”に配属を命じた。そしてレイモンドの指導役兼パートナーには女性内務調査官のエイミー・ウォレスが付く事になった。
早速エイミーからある事件の捜査協力を求められる。それはある警官が少量のコカインを所持していたが、車に乗っていた犯人の方が大量の“ブツ”を持っていたというもの。そして警官は男と連れの女を殴ったという。レイモンドが調書を開けると、疑われている人物として張られていた写真は、レイモンドの警察学校時代同期ヴァン・ストレッチだったのだ。この事を口にすると、エイミーは“操作から外れるか?”と聞くがレイモンドは続けると口にした…。一方の捜査対象のヴァンは帰宅をすると、妻ペニーが誰かに電話をかけていた為に浮気を疑い、アルコールの影響もあってか普段のように暴力を振るう。2人の子供ショーンが割って入っても暴力は止まらない。丁度その時デニスが現れヴァンを止めると彼に制裁を食らわした。一方、ペニーはこう言った、“もうやってられない…。”
翌日。レイモンドとエイミーは、ヴァンが勤務する分署へとやって来た。警察学校時代以来の再会に大喜びをするヴァンだったが、一緒に居たデニスが“レイモンドは内務調査局だ”と告げると一気に顔色が変わるヴァンだった。
レイモンドとエイミーはヴァンを署長室に呼び出して事件の詳細を尋ねた。ヴァンは疑いのかかる事件については自分に非がない事を語ったが、レイモンドはヴァンその顔からアルコール依存症だという事を悟り、助け船を出したが断られてしまう。
かつての同期を尋問という精神的にも堪える仕事に妻キャスリーンとの関係も疎かになりがちになってしまうレイモンド。レイモンドとキャスリーンの間にはまだ子供はいなかった。一方、“ヒラマン事件”という有名事件を解決したデニスは何度か離婚と結婚を繰り返し、現在の妻はヘザーだった。デニスには多くの子供が居たが、それは妻のみを愛しているわけではなく、所謂誰とでも寝る男であった。
レイモンドとエイミーはヴァンを調べるに中っては彼の妻ペニーに話を聞かなければと職場を訪ねるが、彼女からは何ら怪しい話は聞けなかった。しかし、張り込んでいる2人は、ロレックスや高級車を乗り回すペニーに違和感を覚えた、警察官の妻の身分ではとても無理な為に…。
レイモンドはヴァンの上司であるデニスに矛先を向けた。彼に直接ヴァンについての事を尋ねたのだ。しかし、お互いの夫婦関係の話になると、鋒を突き付け合う2人だった。
警察官は大抵“アルバイト”をやっていた、それはデニスが紹介するものでボディガードや警備員のようなものだ。エイミーがヴァンの全ての収入と支出を計算すると、どうも収支が合わない。“何かある”と感じた2人は更にデニスへの疑いを深めていく。
捜査を進めるレイモンドはデニスとイザコザのあったドリアンに話を聞いた。“殺人課”を志望するドリアンに“餌”をチラつかせるレイモンドのソレは丸でデニスと同じであった。
調べられているデニスは端金で殺人を頼まれてソレを断り、追うレイモンドは警察官のバイト先の店長の知り合いがデニスだと調べを付け、エイミーを呼んでアルバイトをする全警官のリストを調べ上げようとし始める。この時点で、完全に狙いはヴァンからデニスへと遷ったのだった。
更に話は進み、デニスを調べるべきと内務調査局の上司に進言するレイモンド達だが断られてしまう。次にヴァンを弁護し付きで聴取して、懲戒免職処分をしない代わりに誰が悪の親玉であるかを吐く様に取り引きを持ちかける。そんな権限などないレイモンドにエイミーはお手上げだったが、デニスが怖いヴァンは彼の名前を明かす事はしなかった。だが聴取が終わったヴァンは、デニスに会うと“吐くしかない”と言ってしまう。レイモンドに脅しをかけられたと思ったデニスは、街中でレイモンドと会うと、彼の妻キャスリーンが浮気をしている形跡があると“脅す”。レイモンドは思わず殴ってしまったが、その疑いは少しずつレイモンドの中で芽吹いていく…。
忙しくしていた捜査も、幾分かエイミーに力点を預けてキャスリーンを訪ねては2人の時間を作ろうとするレイモンド。
懲戒免職処分がかかったヴァンはとうとうデニスの事を喋る決意を固め、ソレを電話で妻ペニーにするが、ペニーはデニスとの浮気の最中であり、デニスもまたソレを聞いていた…。
真夜中のパトロール中のデニスとヴァン。デニスは悪党を雇ってヴァンに銃弾を浴びせ、またその悪党を撃ち殺してしまうデニス。だが1人しか呼んでいない悪党がもう一人いて、一部始終を見ていて車で逃亡した!コレには焦るデニスだった。まだ命の灯火が残っていたヴァンの首に手をかけるデニスがいた。
とうとうキャスリーンは家でも仕事をするレイモンドに悪態をついてしまう。仕事中にエイミーと寝ているのではないか?と。レイモンドとキャスリーン、疑心暗鬼に…。と共に、ヴァンの訃報が耳に入ったレイモンドは現場へ駆け付けると、“逃げた男をデニスより先に見つけよう!”と言い放つのだった。
逃げた男がデメトリオという名前だと調べ上げたレイモンドはドリアンに協力を求めた。今回、デメトリオが薬物の取り引きに出向く事になっていたのだ。そこに張っていたレイモンドやエイミー、そしてドリアン。だがこの事をドリアンはデニスに喋ってしまい、デニスによってSWAT隊が到着し、デメトリオが口を割る前に彼は殺されるのであった…。怒り心頭のレイモンドだった。
ある日、デニスをつけていたレイモンドは、デニスとキャスリーンが店で落ち合う所を目撃してしまう。妻への疑いが深まるレイモンド。だが、コレもデニスの作戦…。警察署内で殴られたお返しをするデニスがいた。
結末・ラスト
レイモンドはレストランで仕事中の話をしている妻キャスリーンに会って昼間誰に会ったのかを尋ねるが、彼女は明かさなかった。怒ったレイモンドはデニスに殴られた時に彼から渡された女性ものの下着をキャスリーンに見せてはレストランで一悶着を起こしてしまう。酒で自分を慰めるレイモンドが見た“女性との事”は夢か現か…。
翌日。帰宅したレイモンドは妻キャスリーンが見ている中で、出て行こうとバッグに荷物を詰め込む。怒ったキャスリーンはレイモンドに詰めより喧嘩になるものの、“デニスとは何もしていない”と真実を打ち明けたキャスリーン。2人は“コト”をするのは久しぶりであった。
妻への疑いがなくなったレイモンドが出勤すると、エイミーが調べた思い掛けない事を聞く。それは、“デニスの別れた妻達の不動産は合計300万ドルで、ローンを組んだのは銀行員であるペニー=ヴァンの妻”だったのだ。その事を嗅ぎつけられると知ったデニスは、妻ヘザーに会って口止めを強要するのだった。
だがレイモンドとエイミーはこの解れかけた糸を見逃すわけはなかった。取り敢えずペニーに会い、“資金洗浄の疑惑”等の容疑を伝え、デニスの悪事を吐くことを促すのだった…。
ドリアン・フレッチャーの葬儀後、2人きりで話すヘザーとペニー。ペニーは自分の身を守る為に全てを話すことをヘザーへ打ち明けるが、ソレを立ち聞きしていたデニスの内心はチェックメイトのかかったキングに違いないだろう。
以前、ゼニスに両親殺害を依頼したスティーヴン・アロカス邸。スティーヴンが家へと戻ると、何とそこではデニスがトヴァと“コト”をしていたのだ。その時、レイモンドとエイミーは、デニスの妻ヘザーを“脅し”全てを吐かせていた。“スティーヴン・アロカスはヴァンが殺されたところに居た…”。アロカス邸。デニスはスティーヴンに“不貞な妻を撃て”と拳銃を渡したがスティーヴンはデニスの“足”を撃った。この時のデニスが拳銃を渡した真の意味とは“オレを撃て!”だったのかもしれない…。そこへレイモンドとエイミーがやって来た。まず発見したのはスティーヴンの射殺体。そしてまだ居合わせたデニスによって上半身を撃たれ瀕死となるエイミー。救急車で運ばれる彼女は果たして…!?
自宅に帰ったレイモンドの妻キャスリーンが押し入っていたデニスに捕まってしまう。デニスは必死にIADであるレイモンドの非情さを伝えるがキャスリーンは聞く耳を持たない。またレイモンドも妻を案じて帰宅を早めていてデニスの前に現れた。いよいよレイモンドとでニスの最後の対峙!“子供を持てば全てが変わる”と子供を持たないレイモンド達を揺るがそうとする!だが手に持ったナイフを捨てないデニスをレイモンドは警告の元に射殺するのだった…。
内務調査局、または内務調査班。エリートという名だけで憧れ、いざ、所属してしまうと全てを失ってしまうかもしれない…。
レビュー・感想・解説・評価
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邦題「背徳の囁き」、エロティックな題名だが内容もエロティックなサスペンス、いや、“エロチシズム”を上手く人間の心理描写に使った逸品。
監督を務めるのは後の「リービング・ラスベガス」でアカデミー監督賞・脚色賞にノミネートを果たすマイク・フィギスであり、本作でフィギスは作曲家としても名を連ねている。
ではキャストを何時もの様に箇条書きで。
・初めての悪役を演じることになったリチャード・ギアが悪徳警官の親玉デニスを演じる。最近は信奉するチベット仏教の関係で中国を批判し、中国が出資を強めてきているハリウッドで干されていると聞くが本当はどうなのであろうか?代表作はジュリア・ロバーツ共演の「プリティ・ウーマン」。本作と同年の公開だったんだねぇ…懐かしい。後は「真実の行方」が好きだ。他に「オータム・イン・ニューヨーク」、「レッド・コーナー 北京のふたり」、「プリティ・ブライド」、「わかれ路」など。端整な顔立ちで女性を虜にするような役柄って感じが多いかな。(うーん、ジョージ・クルーニー以上の政治的な思考を持っていたりして…(苦笑)その点においてはドナルド・トランプの非礼に何にも関係ないロバート・デ・ニーロが謝罪したのも面白いよねぇ☆彡)
・主要登場人物の欄では真っ先に記載したのが劇中でもラテン系と揶揄されるアンディ・ガルシア。ルーツを辿ればキューバ出身と言うことだが、その面影がモロに出ていて面白い。役柄的にも“熱い”内務捜査班だ!「ゴッドファーザー PART III」に出演した時はクエスチョンを覚えたが、皆さまは?他のレビュー作品として「愛と死の間で」、「ヒーロー 靴をなくした天使」、「ジェニファー8」は極上!、他、「デンバーに死す時」、「絶対×絶命」、リメイク版の「オーシャンズ11」、「オーシャンズ12」、「オーシャンズ13」がオールスターキャストの中でも一際光っていた。
・レイモンド・アビラ巡査部長の上司を演じるのはローリー・メトカーフ。今の映画では中々使いづらい同性愛の名称が多々出てくるのが時代を感じさせる。本作と同年の気持ち悪い「パシフィック・ハイツ」やノークレジットながら「プリティ・ブライド」にも顔を出している。近年は声優としての出演も多々見られる。(様々な意味で)
・後の「バックドラフト」や「フェア・ゲーム」(1995)で一斉を風靡したボールドウィン兄弟の三男ウィリアム・ボールドウィンも重要な役柄。アレック・ボールドウィン以外が出演している「7月4日に生まれて」でウィリアム・ボールドウィンを探してみよう☆彡本の数秒の出演だけれども。
(閑話休題。BALDWINのBALDには確か“ハゲた”という意味があったように思う。あの4兄弟を覚える時に“ハゲた勝ち”と覚えたのがもう20年以上前だ。彼ら、ハゲるのかなぁ(笑))
・他、大きいクレジットでは表記がされていなかったが、現代の名優イライジャ・ウッドが子供役としてチョイ役出演。となると、スカーレット・ヨハンソンが映画デューした「ノース ちいさな旅人」もまた見たいよねぇ、スカーレット、小さいよぉ☆彡他に「危険な遊び」や「シン・シティ」、「ダーティー・コップ」(2016)などをレビューしている。
・最近の出演作は報じられていないが、当時大スターだったアナベラ・シオラがリチャード・ギアの妻役。同年のアカデミー主演男優賞受賞作品「運命の逆転」は逸品「ゆりかごを揺らす手」もスリラー満喫だし、「蜘蛛女」も同様。その他、アクションスターのシルヴェスター・スタローンが自身のギャラを削ってまでロバート・デ・ニーロに師事して演技を極めようとした「コップランド」は圧巻!
・キャスト紹介の最後には助演の雄、ザンダー・バークレー。レビュー映画としては「グリフターズ/詐欺師たち」、「ターミネーター2」、「ビリー・バスゲイト」、「ア・フュー・グッドメン」、「アポロ13」、「ザ・ロック」、とう枚挙にいとまがない。演技派を注目して拝見しようじゃないか。
さて。
前述したがシリアスもので性的なセリフが多用されるのはエロティックものという面もあるが、何か80年代~90年代という時代を感じさせる。ハリウッド業界の現状を考えるとリメイクが作られても良い素晴らしい作品だがそれはないであろう。
また劇中でリチャード・ギアから語られる“子供を持てば変わる”という言葉の真意だが、受け止め方は人それぞれであろうが、toikunとしては言い訳にしか感じなかった。
キャスト編成でも特筆すべきものがあり、離婚多数で子供たちが沢山居るリチャード・ギア、一方、仕事に法殺されてか夫婦関係が上手くいかないアンディ・ガルシア。これがあったからこそ、“背徳”という邦題を導きさせたのであり、日本語スタッフには栄誉を送りたい。
まぁ、何と言うか、後年の名作モーガン・フリーマンとブラッド・ピット共演の「セブン」を思い出してしまった。
怒りっぽいながらも熱血漢を(で)魅せるアンディ・ガルシアに注目すべき映画である。
2018/12/25
by toikun.
『映画ファン』さんのレビュー・評価
投稿日時:20??/??/?? 15:59:46
4点/10点満点中★★★★☆☆☆☆☆☆
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